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2023.12.05

「公共経営論」で大澤芳清さんに医療経営について講演いただきました【経営学部】

 経営学部の開講科目である「公共経営論」では、教育、医療、福祉などの事業を行う組織体や社会的企業等も含めて幅広く学んでいます。今年度はとくに医療福祉生協を取り上げています(担当は、岸本貴士講師)。
 その一環で11月28日、現役の医師である大澤芳清さん(尼崎医療生協理事長・尼崎医療生協病院院長、兵庫県民医連会長)をお招きして講演いただきました。今回の講演のテーマは「民医連医療を通して見えたもの」でした。
 民医連(民主医療機関連合会)は戦前の無産者診療所に源流を持っており、戦後になって「働くひとびとの医療機関」として設立されました。今年はちょうど全日本民医連の70周年にあたります(1953年6月設立)。
 
 民医連の「民医連綱領」では、以下の6つの項目を掲げています。

一.人権を尊重し、共同のいとなみとしての医療と介護・福祉をすすめ、
  人びとのいのちと健康を守ります
一.地域・職域の人びとと共に、医療機関、福祉施設などとの連携を強め、
  安心して住み続けられるまちづくりをすすめます
一.学問の自由を尊重し、学術・文化の発展に努め、
  地域と共に歩む人間性豊かな専門職を育成します
一.科学的で民主的な管理と運営を貫き、事業所を守り、
  医療、介護・福祉従事者の生活の向上と権利の確立をめざします
一.国と企業の責任を明確にし、権利としての社会保障の実現のためにたたかいます
一.人類の生命と健康を破壊する一切の戦争政策に反対し、
  核兵器をなくし、平和と環境を守ります

 大澤さんは民医連の病院や診療所ではこの「綱領」にもとづいて経営が行われていることを図表や写真を用いながら丁寧に説明してくださいました。病院の組織構造や多職種の協働などは、経営学的な観点から興味深い内容でした。繰り返し日本国憲法の前文に言及されたことが印象的でした。
 講演終了後には「テレビドラマで見る医師と実際の医師との違い」などについて質問が出されました。現役の医師から医療経営についてお話を聞くという貴重な機会となりました。
                                (文責:細川孝)