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2023.12.15

「政策実践・探究演習(国内)」福知山プロジェクト 第4回フィールドワークを実施【政策学部】

2023年12月2日(土)~3日(日)に、「政策実践・探究演習(国内)」福知山プロジェクトの学生18名(2~4回生)、教員2名(谷垣岳人准教授、榎並ゆかり実践型教育プランナー)が、今年度第4回の地域フィールドワークを実施しました。今年度から、新しく福知山市中六人部地域づくり協議会(以下、ミライト中六)と連携した活動を開始しています。
本プロジェクトは「懐かしい未来をつくる」を目標としています。かつての暮らしの中で里山資源を利活用していた時代、薪炭を燃料とし落葉を肥料とし、その結果として里山が整備されマツタケが地域の特産物だったのです。木材は輸入物に、燃料はガスとなり、化学肥料を使用するようになってから山は荒れていきました。山を整備しもう一度マツタケ生産を復活することができたなら・・・。そのためには地域の皆さんの地道な努力が必要ですが、高齢化により作業もままなりません。プロジェクトの柱である「里山整備と資源の利活用」は、学生の力を活かせる活動として今後も継続的に取り組みます。1年目である今年度は、地域の現状把握と資源調査を行っています。

第4回フィールドワークの初日は里山の共有地の整備活動、2日目はミライト中六の役員さんたちと今年度の活動成果のまとめと成果物のイメージについて意見交換を行いました。以下、報告します。


マツタケ山の整備作業を終えて


<1日目 里山の整備作業@大内山田>
マツタケ山の入札期間を終えた12月初旬、いよいよ里山の整備作業を開始しました。前回合宿(10月)に下見した場所に向け、大内山田側から尾根へと整備道具を分担して登ります。地域の方の指示に従って約3時間の整備作業に取り組みました。この尾根は集落の共有地(入会=いりあい)になっており、秋はマツタケの入札が行われます。マツタケ山利用権は11月末で終了したことから、学生も入山可能となりました。
まずは、雑木の撤去作業からです。地域の方がチェーンソーで不要な木を伐採され、どこかしこに転がる木々を尾根から10メートルほど下に運搬します。斜面のため足元が悪く、伐採した木が倒れる方向に注意しながら慎重に作業を進めます。学生も細木を手のこぎりで、切り鋏で切っていきます。こうして雑木を剪定し明るくなったので、堆積した落葉を熊手・レーキ等で地面が見えるまで掻いていきます。
受講生はこうした整備作業は初めてのことでしたが、徐々に道具の使い方にも慣れ予定時間内に作業を完了することができました。きれいになった共有地を見て、一緒に作業した地域の方にとても喜んでいただけました。


道具持参で尾根に向かう学生たち



チェーンソーで伐採した雑木、朽ちた木などを斜面の下へ運ぶ


手ノコギリで雑木を倒す方向に気を付けて切る


大切なアカマツを残し雑木を取り除く


落ち葉を斜面の下へ順に掻いていく


何年も手付かずだった区画もすっかりきれいに!


受講生たちは、直前の講義で里山整備の意義について学んでおり、自分たちの作業がどんな意義があるのか理解したうえで楽しんで作業することができました。地域は人口減少と高齢化により、こうした里山の整備が難しい状況に直面しています。マツタケが育つ環境の復活に向けて学生たちの力が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
谷垣先生がアカマツの根元にマツタケのシロ(菌糸)を確認し、マツタケ山としてポテンシャルがあることがわかりました。この小さなシロを大きく育てていければ・・・地域の方から今年は収穫が少なかったと伺ったので、来年はマツタケがもっと増えることを願います。


アカマツの根元を掻いて観察


マツタケのシロが!


集めた落葉は腐葉土づくりに利用



<2日目午前 今年度の成果物作成にかかるワークショップ@ミライト中六事務所ホール>
学生たちは、中六人部の里山資源に着目し、「いきものがかり」「チームバイオマス」「ててまる。」の3つのチームに分かれてこれまでヒアリング調査を進めてきました。夏には川の生き物調査も行い、地域の皆様からも地域資源に関する生きた情報を提供いただきました。これまでの調査でわかった地域資源などの情報を整理し、地域の方・子どもたちに図鑑のような形で提示し関心を持っていただけたら・・・と学生たちは考えています。
そこで、今年度の各チームの成果物として調査結果をまとめた「中六いきもの図鑑」「きのこ図鑑」「中六人部森林図鑑」(すべて仮タイトル)を作成中です。今回のワークショップでは成果物のイメージをミライト中六の役員さんたちに見ていただき、イメージの共有をはかり意見交換を行いました。
ミライト中六の役員さんから、「ようやくプロジェクトの方向性が見えてきた」「地域の方々から学生と何をしているのかと訊かれるが、これで活動の説明ができそうだ」などの声をいただき、2年目以降の協働につながりそうです。学生側も1年目の活動を次年度受講生にしっかりと引き継いでいきます。

ミライト中六の役員さん、福知山市役所まちづくり推進課の皆さんには、プロジェクト活動への多大なるご協力をいただき御礼申し上げます。今回のワークショップを踏まえた成果物を、2月の地域向け報告会で発表予定ですのでご期待ください。


各チームの成果物についての意見交換の様子


ててまる。

チームバイオマス


いきものがかり


地域の皆さん向けに活動報告会を計画中です。ご参加お待ちしています。