2024.02.13
法学部企画広報学生スタッフLeD’sインタビュー/Innocence Project Japan 特集【法学部】
「えん罪のない世界を目指して」という言葉が大きく掲げられています。今回LeD’sは、IPJ学生ボランティアとして活動する龍大生3名にインタビューしました!
⇒ IPJの公式ホームページ
《11月吉日、和顔館の一室にて……》
◆本日はよろしくお願いします!早速ですが、ずばり、IPJとはどんな団体なのでしょうか。
IPJは無実の人を罰してしまう「えん罪」を問題視し、その被害者を支援する一般社団法人です。
また、えん罪事件について再検証してその原因を探り、刑事制度や課題について考えることで、公正・公平な司法の実現を目指しています。
◆「えん罪」という言葉は誰もが知っていると思いますが、なぜ起こるのでしょうか。
主には取り調べでの問題が挙げられます。例えば、取調べに弁護士の立ち会いが認められていません。取り調べにおける威圧や、長時間の身体拘束などにより虚偽の自白をうみだしてしまうことがあります。
やっていない罪を認めるなんて、と思いますか?「認めれば帰れる」などと言われて、苦しさのあまりに自白してしまうことは珍しくありません。そしてこの自白は裁判で重要な証拠となってしまいます。この点、他の先進国では弁護士の立ち会いが認められていることが多いようです。日本でもこのような制度を取り入れるべきです。
◆なるほど。えん罪被害者の救済というのは、どのようにおこなうのでしょうか。
IPJでは、DNA型鑑定をはじめとした科学的検証で雪冤をめざしています。えん罪被害者個人では、えん罪であることを証明するのに限界があります。資力や適切な支援へのアクセスが十分ではないためです。そこで、IPJはそのような方からの依頼を受け、無償で支援をおこなっています。
もちろん、科学的検証にはお金がかかります。その他事務所の運営やイベント開催など全て一般の方からの寄付で賄われています。寄付はHPから申し込めるようになっており、少しずつ増えてきているそうです。
◆他に、一般市民にできる支援はあるのですか?
えん罪について知っていただくこと、でしょうか。普段ニュースをご覧になるとき、被疑者として映っている人を「ああ悪い人なんだ。」と思うことはありませんか?しかしこれは間違いです。裁判で有罪判決が確定しない限り、まだ「疑われている人」であるだけですし、そもそもマスメディアの言う情報がいつでも全て正しいとは限らないのです。偏った情報のみで犯人と決めつけてしまうことは、まさにえん罪を生む原因になります。
このような知識を広めるために、IPJは講演会やシンポジウム、インターネットでの広報活動もおこなっています。まずは関心を持って頂き、それらに参加したり情報を拡散したり、身近な人と話し合ったりして頂けると嬉しく思います。
あ、支援といえば、学生さんであれば私たち学生ボランティアに加わって頂くことで直接社会貢献ができますよ!
◆学生ボランティア!詳しく聞きたいです。どのような活動をしているのですか?
いろいろありますが、まず1つ目はシンポジウムへの参加やお手伝いです。弁護士や研究者のお話は大変貴重ですし、私たちのような大学生も参加することによって、知識がそれほどない人にも入口を開くことが期待できます。もちろん、私たち自身の勉強にもなります。
次に、広報活動です。本学教授の古川原先生がIPJの広報委員長なので、SNSの運営なども積極的にお手伝いしています。他には、パンフレット作成にアイディアを出したりすることもあります!今日ちょうど持ってきています。
他には、依頼された事件の実験に参加したこともあります!たとえば、目撃証言の不自然な点を明らかにするために多くの学生が参加しました。事件や裁判に無関係な人がおこなうことで、信頼できるデータを得ることができるそうです。
◆なるほど。ボランティアといえども、とてもやり甲斐や重みのある役割を担えるのですね。
そうですね。IPJ学生ボランティアは、普段の大学生活では絶対に出会えない機会をたくさん得ることができます。その中でも、やはり多くの専門家と関わりを持てることは、法学を学ぶうえでとても有益です。「もっと深く勉強したい」とか、「法曹を目指している」という人には特におすすめです。現在学生ボランティア募集中!!なので……!ぜひみなさん来てください、お願いします!!(すごい勢い)
いかがでしたでしょうか。学生という立場では、社会での出来事や議論に興味があっても、踏み込むには知識や機会の面で限界があると思いますが、IPJを知ったことで、その限界は低く見積りすぎだったと著者は気づきました!
インタビュアーの方々も、貴重な機会を得られる素敵な活動なのに、知名度が……と言っていました。この記事をご覧になってくださった方、この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか?
◎IPJは学生サポーターを募集しています。
興味のある方はこちらに御連絡お願いします! ⇒ 龍大生ボランティア✕
◎直近の龍大学生ボランティア活動例 ― 「人質司法」知識調査
「人質司法」を知っていますか?この言葉自体、知らない方もいらっしゃるかもしれません。知っていても、詳しく説明はできますか?
被疑者となった人が、どこで、どのような扱いを受け、法的にどのような権利があるのか、知っている方は少ないかもしれません。
龍谷祭ではIPJ学生ボランティアがブースを設け、3日間で300人ほどの方からアンケートに回答していただいたそうです。その結果から一般の方や法学部生の方など属性ごとの知識量なども分析しているようです。今後IPJホームページのニュース記事で結果を連載していくとのことで、現時点でも少し公開されていますので是非ご覧ください!
⇒ 人質司法アンケートを実施しました(2)