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2024.03.22

「政策実践・探究演習」(海外)フィンランドPBL 現地レポート④【政策学部】

政策学部では、フィンランド・ラハティ市において、LAB応用科学大学と連携して国際CBLプログラムを2022年度より開講しています。2024年3月18日~22日の現地プログラムについて、参加学生の報告を発信しています。

3月20日(水)フィンランドのゴミと水の包括的管理システムについて
午前中は、ラハティ市のシンボルでもあるヴェシヤルヴィ湖の水質保全や生態系保全についてのラハティ市の取り組みや、雨水管理に関するラハティ市の研究についての講義を受けました。
午後からは、バスで移動し、ゴミの収集から分別、リサイクルまでを包括的に管理するクジャラ廃棄物処理場を訪ね、全体の仕組みの講義を受けるとともに、実際にゴミ収集から分別処理、リサイクルまでのプロセスの現場を見学しました。
その後は、地下水の配給や水質管理と排水リサイクル事業を統合的に展開しているLahti Aquaを訪問し、講義を受けました。


Lahti Aquaにて説明を受ける様子

【参加学生からの報告】
活動内容
今日はホテルの改修の関係から、チェックアウトの必要があったため、荷物をホテルへ預けました。その後いつも通り8:20のバスへ乗車して大学へ向かいます。

9時からのはじめの講義では、フィンランド(ラハティ)における雨水の処理や湖の水質を管理するシステムについての話を聞きました。自然をベースにした施設にて行なわれる雨水の管理(NBS: Nature Based System)や湖中の水を循環させ浄化する装置などさまざまな創意工夫のアイデアによる運営状況を知ることができました。

また10時からの二つ目の講義では、洪水リスクとその対処について教わります。かつて起こったラハティでの大規模な洪水の経験を糧にして、より先駆的に課題解決に取り組んでいるようです。雨の程度によって対策をそれぞれ用意することなどのモデリング事業を通して、ラハティでの洪水リスクを無くしたそうです。
そして11時以降は各グループで講義内容についての感想を話し合いながら、学食で食事をとりました。

午後からはバスに乗って、「Kujala 廃棄物処理場」と「Lahti Aqua」という地下水の供給・管理などを執り行う施設へ向かいました。廃棄物処理場では運営方法についての説明を受けた後、バスに乗り込み処理場内のツアーとして様々な種類の廃棄物の処理や保管の方法について現場を見ながら説明を受けました。次の地下水の管理にまつわる企業では、企業概要の説明動画とともに解説を受けました。
17時より新しいホテルにチェックインした後、ショッピングやスーパー、サウナなど各々の過ごし方をした後、今夜も床に就きました。


Kujala廃棄物処理場での説明を受ける様子


Kujala廃棄物処理場でのフィールドワークの様子

1日を振り返って
午前の講義では、ラハティのヴェシャルヴィ湖の水質保全や生態系保全についてのラハティの取組みを学びました。人工的に生態系を管理されるテクノロジーではなく、自然環境と調和しているエコロジカルによって水を管理し、水の質を上げるといった事をされていると学びました。その際に農業で肥料を使いすぎてしまうと、余分な肥料が湖に流れ込み、富栄養化の原因となって良くない事を知り、化学肥料を多く使って農業をされている事が多い日本の今の農業は悪影響を与えている状況であることが理解出来ました。また雨水管理に関するラハティの研究についてでは、雨の降水量によって違った対策が行われ、3種類に分かれて対策が行われている事を学びました。日本では、降水量によって対策が行われているわけではなく、津波といった大きな被害になるかどうかといった観点で対策が分けられている事から、新たな視点から対策を考えるきっかけとなりました。さらに、できる限り自然の方法で雨水を管理し、そのエリアで降った雨水をそのエリアだけで管理するといった方法を取ることも学びました。この対策を取る理由として市街に降った雨をマイクロプラスチック、つまり人為的な対策で行えば行うほど雨水が汚染されてしまうため、この様な対策が行われている事を学びました。自然を利用する方法をとることが重要であると改めて知る機会となりました。

午後のクジャラ廃棄物処理場では、95%はリサイクルされ、残りの0.5%だけが埋め立て処理されているという事を知りました。また、どのようなゴミも色々な技術を持った業者が連携することで、細かく分別して資源に変える事が出来、それによって、埋め立てられるゴミを最小限に減らす事が出来ることを学びました。次にLahti Aquaに行った際には、地下水だけを供給されており、その地下水を高度な技術により、とても良い水質で保たれているという事を学びました。その事から地下水の水質を高くし、それを供給するといった新たな角度からの視点を知り、今まで取り上げてこなかったものに焦点を当てることの大切さを学ぶことが出来ました。

【執筆者】
田宮 和瑳(政策学部2年生)
大江 沙弥香(政策学部2年生)