Need Help?

News

ニュース

2024.05.08

【法学部企画広報学生スタッフLeD’s】玄 守道先生インタビュー

1.玄先生ってどんな人?

Q1.先生はどのような経緯があって法学部に入学されたのでしょうか?

もう何十年も前の話なんで忘れてたんですけど‥。なぜ法学部入ったのかっていうと、端的に言うと法曹になりたかったからなんですよ。
そもそも、僕、小学校から高校までいわゆる民族学校っていうとこに通っていまして、いわゆる朝鮮学校って言われてるところなんですけど。そこの社会っていわゆる、まとまった在日コリアンの社会としてあるんですよ。そこで生まれてずっと生きて、生きていこうと思えば、一生をそのコミュニティーの中で生きていけるんですよね。もうずっと昔から知ってる人だけでの付き合いだけで人生が終わる。終わる人もいる。で、そういういうのが良いっていう人もいるんですけど、僕はそれ嫌やったんですよ。で、このコミュニティーからなんとか抜け出したいと思って。いわゆる朝鮮学校って大学まであって、大学の就職先もその在日コリアンの人たちの会社なりに行って、もうずっと過ごすっていうのは嫌で、なんとかこのコミュニティーから抜け出したくって‥。抜け出すにはどういう方法があるのかって言うと、その当時、日本の大学に行くっていう方法があったので、元々、大学行く気もなかったんですけど、じゃあ、もう、そのコミュニティーから抜け出せるのであれば日本の大学に行くって言って。でも、日本の大学行くだけじゃあ、周りに納得してもらえないので。とりあえず、法曹になるって言って、 法学部に行こうと思ったって感じですかね。まあ、だから、知り合いとかに裏切りもんとか言われましたけどね。

Q2.学生・院生時代はどのような学生、院生生活を送っていたのでしょうか?

それ、答えづらいんですよね。いやー、本当にね、飲んでばっかりだったんですよ。結構、木屋町で酔い潰れて、寝てたりとかして、救急車呼ばれたりしたんですよね。ていうのがあって、ちょっと、もう、皆さん、ほんと真似しないでくださいって感じなんですけどね。
ただ、法曹になるって言って大学に、法学部に入ったので、一応、計画は立てていたんですよ。大学1年はとりあえず遊ぼうと思って、遊んでいたんですよ。まー、ちょっとは勉強していましたけど。勉強したっていうか、大学の勉強っていうか、単位を落とさないようにしていましたけど。1年は遊んで、2年からはちゃんと勉強しようっていうことで、大学が開いている講座に行ったりとか、あるいは、予備校に行ったりとかはしてましたね。
司法試験の受験をしようと思って、勉強してましたけど。多分、やっていくうちに分かってくるんですよね。「あ、自分、この勉強には向いてないな。」って。司法試験って、やっぱり、大量の情報を上手くまとめて、形にして、アウトプットする っていう、要するに、情報処理って言うかな、処理能力がすごい求められるんですけど。僕、自分が勉強して分かったのは、処理能力全く無いなと思ったんですよ。どっちかって言うと、すごい細かいことにこだわって、それをずっと考え込んじゃうので、全然先に進まないわけですよ。そうすると、試験に向かないわけですね。当然試験までに期間があって、その期間までに六法科目について一定の知識を得て、それを試験問題に対する解答としてアウトプットするっていう‥。すごい効率性が求められるので、それが自分には向いてないなという風に思って、それで大学院行こうと思ったって感じですかね。
あと、就職したくなかったんですよ。なんで就職したくないかって言うと、この身なり見てもらったら分かるように、基本的に散髪行くの嫌なんですよ。で、就職したりすると、散髪に行かないといけないし、スーツとか着るのがあんまり好きじゃないので。というので、結構、まだ学生だと気楽なのでっていうので、学生続けたいなっていうのもあって‥。それで、大学院行こうかなという感じですかね。大学院でもちろん、勉強っていうか研究しないといけないので、もちろんそれはしてましたけど。まあ、でも、やっぱり先輩とかとよく飲みに行ったりとかはしてましたね。それで研究の話したりっていう感じですかね。

Q3.先生にとって学生時代、学校とはどのような場所でしたか?

僕の中ではもうはっきりしてて、いろんな出会いの場なんですよね。もちろん人と、あるいは教員と。
特に僕の中で出会いが大きかったのは本とですね。やっぱり自分がこれまでも一緒と言いますか、すごい価値観を変えられるというか、触られるというか、自分が読んでてすごい面白いなって思える本に出会えるっていう。だから、いろんな意味で出会いの場ですかね。
もちろん、その友人関係で今でも付き合いのある友人ができたりもしましたし、今でも付き合いのある先生方もいらっしゃいますし、そういった意味で、本当に広く出会いの場ですね。ぜひ皆さんも色んな方に会っていただければという風に思いますけども、そういう機会が特に、龍谷大学もそれなりの大きな規模の大学なので、色んなところから色んな人がいらっしゃるので、そういった人たちと出会っていただいて、あるいは図書館にも行っていただきたいです。近隣の図書館に比べて、龍谷大学の図書館は結構色んな本があるんですよね。ですので、色んな本を見たりとかしていただけるといいかなという感じですね。

Q4.教員紹介のホームページを参照させていただいたところ、刑法が苦手で大学生時代に刑法ゼミに所属したことが刑法という分野を専門にしたきっかけだと拝見しましたが、勉強を続ける中、苦痛に感じたりすることはなかったのでしょうか?
また、苦労を感じたときは、どのように対応されていましたか?


そうですね。分からないとやっぱり苦痛ですよね。なので、大きな目標を立てるのではなくて、ちょっとでもいいから何かしらすぐにできそうな簡単な目標をいっぱい立てて、その目標を達成したら、じゃあ次行こう、次できたら、じゃあ次行こうって言う感じで、いわゆるスモールステップみたいな形で、ちょっとずつちょっとずつ分かれば次、分かれば次という感じでやっていくと、達成感も出てきて少しずつ面白くなってくるかなっていう感じですかね。
例えば、基本的に何にしても段階があるので、その段階を適切に踏んでいかないと、いきなり難しい本なんか読んでも分かりっこないんですよ。専門の人でも分からないような本だったりもするので、やっぱりその時々に合った、自分に合った、何かの本なり、あるいは、教員に聞いたりして‥。教員だと自分のレベルに合わせて、どういった本読めばいいのかっていうのを教えてくれるので、聞いたりしてみると良いと思います。そうすることで自分の分かるところの範囲から、ちょっとずつ、ちょっとずつ進めていくっていう感じですかね。

Q5.犯罪学CaféTalkを参照させて頂いたところ、先生は主に、刑法上の故意概念(故意の認定、未必の故意など)に関する研究が中心であると拝見しました。そこで、「刑法上の故意概念」を研究されようと決めたきっかけは何だったのでしょうか?

えっとね、たまたまっちゃ、たまたまなんですよね。
元々やりたい分野があって大学院に入ったんですけど、その分野について別の人もやりたいって人がいて‥。被ったんですよ。それで、じゃあ被っているのであればって言って、僕、別の分野にしようと思ったんです。じゃあ、どうしようかなって考えてたんですけど、一応大きな分野として刑法の中には責任論っていう分野があるんですけど、そこをやりたいとは思ってたのでその責任論のところで、まあ面白そうかなっていう風に思えたのがその故意の話だったんですね。要するに、犯罪を分かっててやれば故意犯として処罰されるんですけど、 その分かっててやったってどの範囲まで言えるのかっていうのが故意の話になります。

質問者:龍谷大学の講義だといつ開講されるものになるんでしょうか。
玄先生:えっとね、刑法の講義で言うと刑法ⅡーBになるんですよね。なので3年生の前期です。

Q6.「刑法上の故意概念」の研究を続けていく中、途中で心折れかけそうになった時などありましたらお聞かせ願いたいです。

あー、いや、もうそれは昨日もそういう経験しましたから‥。
研究会で報告してめちゃくちゃに言われて‥。まあその時はヤケ酒ですね。
研究する上っていうか、論文書く上で最低限絶対これは必要なものって言われてるのが、何か新しいものを付け加える事なんですよ。これまでにある知見にさらに何か新しいものを付け加える。それは結論であってもいいし、その結論に至るプロセスであってもいいし、これまで従来言われていなかったような新しい問題の発見でもなんでもいいんですけど。とりあえず何か新しいものを言わないといけない。でないと書く意味がないので。みんなが分かってる様なことを書いても意味が無いですからね。なので、新しいもの言わないといけないんだけど、その新しいものっていうのがすごく難しいんですよね。この故意の分野って言っても、もう何百年と議論されてきてるんですよ。そういった何百年も議論されているところに、さらに何か自分が付け加えられるものがあるのかって言われると、なかなか難しくって。それで、色々な文献呼んだり、日本だけではなくって、僕は比較がドイツなので、ドイツ刑法学の文献を読んだりしながらこれまで言われてきたものがどこまでたどり着いていて、このたどり着いてるものにどれだけのものを付け加えられるのか。やっぱり、何を付け加えるのかっていうところが1番重要なんですが、それがやっぱり難しいですよね。そこで色々みんな悩むっていうか。まあ、なんとかもう無理やりやるわけですけど。で、なんか新しいもの付け加えたと思ったら、「いやいや、そんなもの全然新しくない」って、いろんな批判が加わるわけですよ。そういう批判の中で、本当にそれが新しいものなのか、新しくないのかっていう形で、議論が深まって、それが新しいものだって認められれば、それはそれでみんなで共有されていきますし、やっぱり違うんだって言ったら、もう1回それにもう一度チャレンジするという。こういうプロセスで、 大体、研究者っていうのは研究をしてるっていう感じですかね。やっぱり、どうしても、全然上手くいかないんですよね。新しいものがもう毎回バンバン出てくるわけじゃないので。でもやっぱり、その試行錯誤の中で、色々やりながらっていう感じでやってるので。まあ、だから、なんて言うのかな、10回チャレンジして、1回でも何かいいものが出ればいいっていう感じですかね、イメージ的には。

質問者:本当に、すごい途方もない道なんですね。
玄先生:まあ、そうですね。特に分野にもよるんですけどね。すごく議論がある分野、例えば、最近の新しい分野であったりとか。それぞれ新しい分野は、新しい分野なりの問題や難しさがありますし、あんまり資料がないので、自分で考えていかないといけない。逆に、古くから議論されてるものはすごく資料があるので、それをまず全部読まないといけないんですよね。そこでまず大変。まあでも、それで何かしら付け加えられると、やっぱり嬉しいわけですよ。新しいものを提示したみたいな感じで。それが研究のモチベーションになるって感じですかね。


2. 玄ゼミってどんなゼミ?

Q1.ゼミでの雰囲気、先生のゼミではどんな課外活動をするのかなどの最近のゼミでの活動をお聞かせ願いたいです。

それは僕の中で一番難しいんですよね。逆に皆さんどういうゼミがいいと思います?
てか、 皆さん、何回生でしたっけ。

質問者:自分2回生です。私達2人は1回生です。
玄先生:(1回生2人に向けて)あ、じゃあ、まだゼミ入ってないですよね。
(2回生に向けて)ゼミに入られているんですね。
2回生の質問者:ゼミに入りました。自分は、興味があった分野を専門に研究されている先生がいらっしゃったので、そのゼミに入ろうと思いました。
玄先生:なるほどね。それはもう正当なゼミの選び方ですよね。
いや、何せ、僕のゼミは不人気ゼミなので。これから多分ゼミ選択されると思うんですけど、刑法の人気ゼミに落ちた人が僕のゼミに来るっていう。だから、受け皿ゼミとか言われてますけど(笑)。いや、全然それはそれでいいんですけど。なかなか難しいんですよね。その時に来た人達で、どうしたいのかっていうことを話します。もちろん刑法の勉強はしますけど。結構なかなか、それぞれのやりたいこと、目的とか、ゼミでどういったことをしたいのかっていうのがバラバラなので、それをまとめるのがちょっと大変かなっていう感じですかね。ただ、やってるのは、もちろん刑法の勉強ですから、ちょっと模擬裁判チックに、検察官側と弁護側で分かれて問題出して、その問題について論じ合ってもらってっていうことを毎回やるとか‥。僕が事前に問題を作って刑法の問題をまずみんなで教科書見ながら解いてみましょうみたいな感じで、それを僕は解説しながら‥。あと、みんなで議論しながらやっていくとか、あとは、演習Ⅱになると卒論書かないといけないので、卒論のために個別に報告をしてもらっていますね。個別に報告してもらう準備をすると、大体それが研究テーマになるので、就職活動とかの面接の時にどういったことを研究してますか?っていうの答えられるようにするとかですね。そういったことを主にゼミではやってます。
課外活動はやらない時もあれば、やる時もありますね。 この11月18日(2023年)にもやりますけど、刑事法で刑事法討論会っていうのをやってるんですよ。それに出たり出なかったりしています。最近は出ていないですけど。これはインターカレッジでやってるので、近大と今回は立命が来るのかな。
質問者:インターカレッジとは何なのでしょうか。
玄先生:龍谷だけではなくて色々な大学が来て議論をすることです。
コロナ前は熊本大学もインターカレッジに参加したりしてましたけど、あと、甲南も。
刑事系だとそういったこともやって。昔は刑事系で合同の飲み会とかやってたりしましたけど、コロナになってできないですし、コロナ明けてもやっぱり大人数では集まるのちょっと難しいので、 最近はやってないですけど。それも本当に、いらっしゃった皆さん次第なんですよね。

Q2.先生のゼミの魅力や強みがございましたらお聞かせ願いたいです。

無いんですよね。

(ゼミに入っている2回生の質問者に対して)逆にありますか?
2回生の質問者:うーん。自分の所属しているゼミのテーマが強みなのかなと思います。
玄先生:じゃあ、やっぱり刑法やってるってことかな。あまり考えたことはないんですよね。本当にその時に来た時々に合わせてやってるっていう感じなんですよね。こうすべきとか、ああすべきとか、こうしたい、ああしたいっていうのは、基本、 僕はあんまりないので。
要するに、ゼミが終わって卒業した時に、「あ、このゼミ入って良かったな」って思えるかどうかなのかな。

Q3.先生のご趣味や何をされている時が癒されますか?

ほとんど基本寝てますね(笑)。寝るのが好き。寝てるか、Netflixで韓ドラ見ながらお酒飲んでる。で、妻にすごい怒られるっていう‥。「もうええ加減にせえ」って怒られるって感じですかね。
基本、出不精で外にあんまり出たくないので、ずっと家にいるのが好きなんですよ。

Q4.休日は何をして過ごされているのでしょうか?

Q3と同じですかね。大体寝てるかお酒をのんでいるかって感じですかね。休むと決めたらぐーたらに過ごしています(笑)。


3.学生に向けて

Q1.この大学で学び、どんな学生になって欲しいか、大学生のうちにしておくべきことなど学生にメッセージをお願いします。

多分本来教員なら言わないといけないんでしょうけどね、あまりそういうのはないんですよね。結局何て言うのかな、 大学卒業した時に、この大学来てよかったって思って頂ければいいし、そう思っていただけるように教員として頑張りたいなっていうのもありますけど、だからといって、こういう学生なってほしいっていうのは、あんまりないですね。
できれば、大学って勉強する場なので、大学で学んだことを社会で生かして欲しいし、そういう学生にはもちろんなってほしいんですけど‥。結局は、まあ、大学来て良かったって思って、卒業して、それなりにしっかり働いて、幸せになっていただければ、教員としては嬉しいです。で、時々なんか「今自分はこんなことしてます」って近況報告とかいただけると、それはそれで嬉しいっていう感じです。

Q2.進路や大学選択に悩まれている高校生にメッセージをお願いします。

んー、何をどう言えばいいのかなって考えましたけど‥。まあ、これは別に高校生だけでないのかもしれない。皆さんに対してもかもしれないですけど、やっぱ、希望は持ってほしいですよね。
本当に皆さん、これからいろんな可能性があるんですよね。
僕、大学行こうと思った時は高3だったんです。それまで、一切勉強してなかったんですよ。それでも、まあ、なんとか勉強すれば、大学に入れたし、大学に入って勉強すれば、大学院に行けたし。大学院で研究すれば、大学教員になれたしって形で、もう当初は全然思っていなかった様な自分の道に進んでるっていう感じなんですよね。それも、やっぱり、自分がそうなれるんだと希望を持っていたんです。その希望って言うのかな、目標に基づいて、自分で計画を立ててちょっとずつやっていくっていうような形で、実現はできたので、本当に、皆さん、色んな無限の可能性は確かにあって、なのでもう、なりたいとかやりたいと思うのであれば、悩む前に、まず絶対やった方がいいと思います。当然、失敗はするんです。でも、その失敗は必ず、その後の人生に生きてきますので。失敗しない人生なんてあり得ないので。失敗したら失敗したで、そこから何を学ぶかですし、それを次に活かせばいいので。
特に、大学とかそうだと思うんですけど、自分から動かなければ、何も変化はないんですよ。自分から何か1歩勇気を出して踏み出さないと、周りの変化っていうの絶対起きないので、ちょっと勇気を持って1歩踏み出すっていうことはやってほしいですよね。その上で希望を持って、自分のやりたいことにチャレンジしていってほしいです。高校生にしても、大学生にしても。
例えば、ゼミとかで、「ゼミに来て放っておいたら、みんな仲良くなるわけないからな。」って言ってるんですけど、相手方を常に意識したりとか、お互い気遣い合って、積極的に話しかけるとかっていう、そういう意識的な行動を取らない限り、何かしらの物事の変化なんか起きから。それはなかなか大変なんですけどね。僕もどっちかっていうと内向的な人間で、電気真っ暗にして家で体育座りでぼーっとしていたい人間なので‥。何かしら自分から動くってなかなか大変なんですけど、でもやっぱり、何か踏み出さないと物事は変化はしないので。その勇気を持って、自信を持って、やっていってほしいなっていうのはありますね。

質問者:踏み出す自信みたいなのってどうやったら上手く出せるんでしょうか?質問者は人見知りが激しいタイプで、そういう自信みたいなのってどういう風に出したらいいのでしょうか。
玄先生:自信はね、もう本当にこれは積み重ねなんですよ。
要するに、何もないのに、何もやってないのに、自信なんかつくわけない。例えば、ゼミに来ました。隣に座った子がいます。1回、自分から話しかけてみる。1回目で、上手くいかなかった。「あー、失敗したか。」ってなって、じゃあ、次もう1回、違う人と話してみると上手くいった。「今回上手くいったから、じゃあ次、行ってみよう。」って。ちょっとずつ、ちょっとずつ、やっぱりその積み重ねが、だんだん自信に繋がってくるので。いや、もちろんいるんですよ、根拠のない自信持ってる人とかね。「なんでお前そんなこと言えんねん」っていう人はもちろんいるんですけど。それは、そういう個性の人でって話で‥。やっぱり何か自分でしっかりとしたものがないと前に進めないっていう人はいきなり大きく踏み出すんじゃなくて、ちょっとずつで。ちょっとずつだと失敗してもそんなに大したことないじゃないですか。なんかいきなり友達とその横に座った人に一緒に映画行かへん?って誘って断られると、なんか辛いじゃないですか。それよりどこ出身?とかってちょっと話しかけて1回の会話のキャッチボールができた。それだけで今日はオッケー。じゃあ次、2回目のキャッチボールしてみようとかちょっとずつ進めていったらいいと思います。
質問者:失敗した時にだいぶ自分は落ち込んで、1週間ぐらい引きずってしまうタイプなんですが、引きずる期間を短縮したいんですけど何かコツとかあったりしますかね‥。
玄先生:どうなんやろうな。僕はもうお酒なんですよ。もうお酒飲むかyoutubeでエガチャンネル見てるか。
まあ、その意味ではあれですかね。江頭さんがどっかの専門学校に招かれて入学生に対して講演会やってるんですよ。あの講演会がすごい好きで。あれはぜひ見てほしいですね。youtubeで「エガチャンネル 伝説のスピーチ」で出てくる。いや、ごめん。何を勧めてるんだろ(笑)。
質問者:この動画を見たらちょっと失敗もする事もあまり恐れなくなるような感じなのでしょうか。
玄先生:いや、えっとね、失敗は絶対するし、もちろん恐れてもいいし、恐れるからこそしっかり準備をしないといけないし。やっぱり何事もね、僕1番思うのは準備なんですよ。どれだけしっかり準備できるかなんですよ。
もちろん、しっかり準備したからと言って、結果うまくいくかって言われるとそれは微妙なんですけど。いかない場合ももちろんある。でも、しっかり準備しないとうまくはいかない。それは絶対なんですよ。なので、必ず何事に対してもしっかり準備をする。そうすると、やっぱり報告でもそれなりに自信がつくんですよ。自分が準備してると思ってるから。すると、大体良い報告になります。僕の経験上、しっかり準備ができてないと、あんまり今日ちょっと準備できてないからなっていう感じで自信なさげになってしまい、やっぱりいい報告にはならないですよね。

Q3.どのような方が法学部での学習に向いていると考えられていますか?

どうなんですかね。どうですか皆さん。自分法学部に向いてると思います?あるいは法学に向いてると思います?

(2回生の質問者):自分は思わないです。
玄先生:(1回生に向けて)もう法学の授業は始まっているんですか?
(1回生の質問者1):憲法・民法はやっています。
玄先生:あー、やっている。聞いてみてどうでしたか?
(1回生の質問者2):あんまりまだしっかりそこまでやっていないので分からないんですけど、話聞いてて、正解とかルールある方が好きなので、だから向いてるかなと思います。
(1回生の質問者1):どっちつかずのこととか考えるのは好きやけど、そんなとこまで言うんや、みたいな細かいとこまで見るから、そういうのはちょっと大変やなって思います。
玄先生:なるほどね。そうか、 なかなかね。一応、法学って大人の学問って言われてて、どういう意味なのかっていうと、社会出て初めて法律の意味っていうか、意義っていうかな、必要性っていうのが分かるっていう‥。基本、やっぱりまだ家庭で守れて生きていると、あんま法律って身近に感じないと思うんですけど、社会に出て会社に入って、会社でなんかトラブルが起きて‥、基本トラブルが起きないと法律って身近に感じないんですよね。普通に生きている分には身近に感じないですよ。皆さん、電車で帰ったりしてると思うんですけど、全部それ契約でやってるって話ですけど、その契約なんていちいち意識していないですよね。これは民法で何条に規定されていて、うんぬんかんぬって考えないですよね。大体何か問題起こった時に、「え。これどう解決したらいいの?」「じゃあ法律どうなってんの。法律はこうなってるし、じゃあこういう風に解決しましょう」みたいな形で。基本、大人の学問で必要性とか云々って、結局社会出てしか分かんないんですよ。社会出てしか分かんないことを社会出る前に学ばないといけないので、それは興味ないんですよ。でも、仕方ないんですよね。法学っていう学問の特殊性なので。で、なんでこんな細かいこと議論してんのって言ったら、実際の社会ではそこがやっぱりそれなりに意味があるからやるんですけど、やっぱ分かんないですよね。なので、まあとりあえず、もう社会出たら分かるなと思って、ちょっと我慢してやればいいんじゃないですかね。
なので、向いてる向いてないっていうよりもちょっと我慢して頂いて、なんとか一生懸命勉強されると社会に出た時に、「あ、あの時勉強した内容ってこういう意味やったんだ。こういう意味があるのかとか、あの時勉強したのがこういう形で生きてくるんだ」っていうのはあると信じて勉強して頂くといいですかね。
結局人生ってさ、何があるか分かんないですよね。そういうとこで、やっぱり法律上の問題って色々関わるわけですよ。まあ、もちろん、関わらない方がいいんでしょうけど、まあ絶対関わるわけですよ。何かしら自分とか、あるいは自分の家族であったり友達関係とか、そういうことを想定しながらそんな時に、「じゃあ自分はどうやって解決したらいいの?」って考えつつ、法律の授業とか聞いて頂くとちょっと関心持てるのかなという風には思います。


【インタビューを終えて】

お忙しいにも関わらずインタビューを喜んでお受けして下さり、心より御礼申し上げます。インタビュー当日はとても緊張しており上手く質問を出来ない場面もありましたが、先生が優しく受け答えして下さったおかげで徐々に緊張も解れ、とても楽しくインタビューをすることができました。また、先生の学部生時代のことや院生時代のことなど、普段講義を受けているだけでは知ることができない先生の一面をこのインタビューを通して読者の皆様にもお伝えすることができたのではないでしょうか?
「刑法の故意の分野に興味がある!」「刑法に興味がある!」「刑法に興味が出てきた!」という方はぜひ玄ゼミへ!
自分の可能性は無限。You, Unlimited.次回のインタビューも、乞うご期待。

【取材・記事】
隅田知里 (法学部3回生、インタビュー当時は2回生)
井上詩緒里(法学部2回生、インタビュー当時は1回生)
山中いろは(法学部2回生、インタビュー当時は1回生)