2024.08.23
覚明寺(滋賀県守山市)にて、地域に根ざしたお寺の活動を学ぶ【社会共生実習】
社会学部の「社会共生実習(お寺の可能性を引き出そう!―社会におけるお寺の役割を考える―)」(担当教員:猪瀬優理教授、古莊匡義准教授)は、地域社会におけるお寺の役割と可能性について考えるプロジェクトです。
例年、前期に教員の企画でいくつかのお寺に行き、お寺の活動を実地で学ぶ実習を行っています。その一環として、5/25(土)に浄土真宗本願寺派覚明寺(滋賀県守山市)で開催された「みんなの笑顔食堂」に参加しました。
お寺に到着したあと、「みんなの笑顔食堂」が始まる前にご住職のお話を伺いました。覚明寺はもともと聖徳太子が創建された天台宗のお寺で、戦国時代には織田信長とも戦いました。激動の歴史の中でお寺が今日まで続いていることに受講生も驚いていました。
もともと覚明寺では日曜学校や年3回のキッズサンガなども行ってきましたが、最近子どもたちは忙しく、高学年になるとなかなか来てもらえなくなります。ご住職は本願寺派本山の本願寺にも勤めておられ、本願寺の重点プロジェクトの担当者として貧困問題などに取り組まれていました。本願寺での子ども食堂の実施に関わった経験を生かして、覚明寺でも「みんなの笑顔食堂」を開くことにされました。
とはいえ、覚明寺で開催している「みんなの笑顔食堂」は、貧困状態にある子どもたちの食支援の場というよりも、地域の子どもたちやその保護者の居場所になっています。当日は、お勤めとご住職のお話のあと、レジンでイニシャルキーホルダーを作成しました。子どもたちは保護者とともに一生懸命キーホルダーを作っていました。実習生も子どもたちの製作を手伝ううちに子どもたちとも打ち解けてきて、楽しく過ごせていました。
お昼の時間が近づいてもなかなか完成に至らず、特に保護者がお昼ごはんの準備が始まっても製作を続けておられる姿が見られました。ただ、これも「みんなの笑顔食堂」が目指していることです。普段子どもの世話で忙しい保護者は、アクセサリーの製作に没頭するような時間をもつことができません。子どもたちの世話から少し離れて、製作に没頭したり、保護者同士の交流をしたりできる時間と場所を提供することも覚明寺で大切にされていることなのです。
昼食は甘口と中辛のカレーでした。普段保護者は子どもに合わせて甘口のカレーを食べることが多く、そのような保護者のために中辛のカレーも提供する、ここにも保護者に寄り添う「みんなの笑顔食堂」の姿が見られました。実習生も食事の準備を手伝い、おいしくカレーをいただきました。食事のあと、境内で子どもたちと一緒に遊ぶ実習生の姿も見られました。
実習を通して、地域の子どもたちや保護者がリラックスして過ごせる居場所をお寺が提供していることを体験的に学ぶことで、お寺の可能性を考えるための視点をさらに広げ、深めることができました。
本プロジェクトでは、後期に受講生それぞれの興味関心に合わせてグループをつくり、ともに活動していただけるお寺を探していきます。それぞれどちらのお寺でどのような活動を展開してくれるのか、楽しみです。
社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。