2024.10.31
仏教美術における信仰の描かれ方をユニークに説き語る「絵解きフォーラム」を開催
コロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センター主催
龍谷大学世界仏教文化研究センター共催
【本件のポイント】
- 日本仏教の元祖・聖徳太子などの生涯を描いた絵伝を前に物語る“絵解き”は、仏教の伝来と共に受け継がれてきた布教と娯楽の芸能。多様な絵解き実演と国内外の研究者によるトーク・セッションを通して、その魅力に迫るフォーラムを開催
- 日本中世の宗教文化を広く調査研究する傍ら、名古屋大学・龍谷大学の学生たちと富山県南砺市において太子絵伝絵解きを行ってきた阿部泰郎・招聘研究員が企画に関わる
【本件の概要】
日本の仏教の歴史とともに展開してきた聖徳太子への信仰と伝承は、その生涯をあらわした太子絵伝というメディアによって説き広められてきました。この太子絵伝絵解きは、四天王寺の絵堂に始まり、浄土真宗に受け継がれて、現在もなお生き続けている文化遺産です。
今回のフォーラムは、日本文化研究を行うコロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センターとの研究交流を契機として本学の阿部泰郎・招聘研究員が企画に関わって開催するものです。当日は、「聖徳太子絵伝」、「善光寺絵伝」、「富士山絵伝」を題材に、聖徳太子の生涯、善光寺の縁起などをユニークな絵解き実演とともに解説。このフォーラムを通じて、絵解きという伝統メディア文化の面白さ、奥深い魅力を感じ取っていただき、貴重な日本の伝統芸能・文化である絵解きを国内外に発信する機会とします。
【イベントの概要】
名称:「聖徳太子絵伝 絵解きフォーラム in Kyoto」
日時:2024年11月7日(木)14時45分~16時30分(14時15分開場)
場所:龍谷ミュージアム 101講義室 | 京都市下京区堀川通正面下る(西本願寺前)
参加:申込不要・先着50名・聴講無料、
ただし秋季特別展「眷属(けんぞく)」の観覧券必要(観覧後の半券可)
URL:https://rcwbc.ryukoku.ac.jp/events/events-1080/
主催:コロンビア大学 ドナルド・キーン日本文化センター
共催:龍谷大学 世界仏教文化研究センター/科研費基盤研究(A)「宗教テクスト
文化遺産アーカイヴス創成学術共同による相互理解知の共有」
(研究代表者:阿部泰郎、課題番号:22H00005)
【絵解きについて】
絵解き(えとき)とは、仏画の掛物などの宗教的背景を持ったストーリーのある絵画を、わかりやすく解説する古典的な話芸。絵画と語りが一体化した絵解きは、主に中・近世に文字の読めない人びとにも仏教の教えを伝えるための手段として発達してきました。この絵解きの娯楽要素は、掛物から紙芝居、アニメーションやマンガへと受け継がれています。
現代において、伝統的な絵解き文化は一時途絶えかけていましたが、今回の絵解き実演者をはじめ、近年各地で伝統を未来に継承しようとする動きが見られます。
【プログラム・登壇者】※各所要時間は変更となる場合があります。

【本企画の開催にあたって】

阿部 泰郎 本学招聘研究員
(専門:宗教テキスト学、
宗教遺産学、アーカイヴス)
絵解きは、世界とつながる優れた文化遺産です。大画面に描かれた絵を入り口として、語りのパフォーマンスであっというまに聴衆を絵ものがたりの世界へと引き込む絵解きの力は、 “絵ものがたりメディア文化遺産”と呼んでいいと考えます。その魅力を世界中の人々と分かち合いながら、大切に継承していきたい! その願いのもと、ついに来年2025年3月に、ニューヨークで初となる聖徳太子絵伝絵解き公演が開催されます。それを記念して、今回のフォーラムでは、英語も交えた絵解き実演を行い、絵解き文化を世界発信していく可能性と課題をみなさまとともに分かち合い楽しみたいと考えています。絵解き文化のあらたな船出を応援ください。
本フォーラム、担当研究員への取材を希望される場合は、お問い合わせ先までご連絡ください。
問い合わせ先:龍谷大学 世界仏教文化研究センター
Tel 075-343-3812 cswbc2@ad.ryukoku.ac.jp https://rcwbc.ryukoku.ac.jp/