2024.11.15
「現代社会と企業」において、「労働問題・労働条件に関する啓発授業」を行いました
「過労死等防止対策推進法」は2014年6月に成立し、11月から施行されました。今年は10年の節目の年となります。
厚生労働省は、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取り組みが行われています。
経営学部の開講科目「現代社会と企業」では例年この時期に合わせて、「労働問題・労働条件に関する啓発授業」を行っています。この「授業」は、「過労死等防止対策等労働条件に関する啓発事業」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04730.html )の一環でのものです。
今年度も西垣廸世さん(兵庫過労死を考える家族の会)、古川拓弁護士(過労死弁護団)にご講演いただきました。2クラス、あわせて200人以上の受講生が西垣さん(10月31日)、古川弁護士(11月7日)のお話に聞き入りました。すでに科目担当者が授業で話している内容とも重なる部分にも言及されましたが、過労死問題についての深い内容に接した学生たちにとっては多くのことを学ぶ機会となりました。
西垣さんはご子息を過労死で亡くした経験を踏まえ、「息子の過労死から過労死ゼロを願う - 大手電機メーカーIT関連子会社システムエンジニア過労死事件 -」のテーマでお話ししてくださいました。古川さんは「過労死防止啓発講義 - 働くこと・日本の過労死・ワークルール - 」のテーマで、過労死や働き方をめぐる法律や実態、そして課題について解説してくださいました。講演を聴いた受講生の感想を紹介します。
【西垣さんの講演について】
今日の啓発授業を受けて、過労死問題の深刻さを改めて感じました。息子の心肺蘇生の電話を受けた時、ブログを見た時、長時間労働の実態を知った時の西垣さんの気持ちを想像するととても胸が痛みました。今の過労死防止法があるのは、息子の死を公にしたくない想いがありながらも、世の中の多くの方に事実を知らせて労働問題の深刻さを伝えてきた西垣さんらのお陰だと思います。啓発授業をしてくださり本当にありがとうございました。
【古川さんの講演について】
今回の授業では、どのような背景から過労死が起きるのか、どういった背景から自死という選択を行ってしまうのかということを知ることができました。また、いかに労災の認定が少ないかなど、労災に関する現状も知ることができました。このことから、自分が働く上で持っている権利ないしは、人として行使できることのできる権利について知らなければならないと考えることができました。
科目担当者(細川)は、2017年度から本科目に「啓発授業」を取り入れています。例年、200~300人の学生が過労死・過労自殺問題について学ぶ機会を得て、ワークルールの重要性や権利を行使することの大切さを実感することができているように努めています。今後もこのような機会を積極的に設けていきたいと思います。(文責:細川孝)