2024.11.19
沖縄県の高校生が龍谷大学を訪問【社会学部】
2024年11月14日(木)に沖縄県教育委員会主催「進学エンカレッジ推進事業」の一環として,沖縄県の高校生が本学深草キャンパスに来校し,模擬講義受講・在学生との交流・キャンパス見学を行いました。
進学エンカレッジ推進事業は大学や企業を訪問して,「何のために大学に行くのか」「大学で学ぶ意義は何なのか」を考えることを通じ,今後の高校生活の糧を得ることを目指す教育取組です。本学では社会学部の川中大輔准教授がコーディネートを務めました。
当日のプログラムは、下記の通りです。
13:00~13:45 学食体験
13:45〜14:00 ボランティア・NPO活動センター見学
14:00~16:30 模擬講義・大学生との交流・キャンパス見学
学食で昼食をとった後,まずはボランティア・NPO活動センターを訪れ,学生スタッフから同センターの活動紹介がなされました。高校生はそれぞれの興味関心や問題意識に即したボランティア募集情報を探してみたり,学生スタッフに活動の実際について尋ねたりしていました。
次に行われた模擬講義のテーマは「多文化共生社会をデザインする-自己中心主義的なものの見方に挑む-」。価値観の多様化をめぐる両義性を確認した上で、自らにとって異質性が高い他者と共に生き、調和を創り出していく現代的課題が各種統計データを参照しながら提起されました。その上で、学校教育現場で実際に起こっている多文化間葛藤の事例をもとに多文化共生の推進方策をワークショップ形式で考えていきました。高校生は自らの考えを吟味し直す過程を経て,多文化共生社会をデザインしていく際に求められる考え方やものの見方を体験的に学ぶこととなりました。
高校生からは「どのような高校生活・大学生活を過ごしたのか?」「なぜ大学教員の道に進んだのか?」「自分は歴史に興味があるが社会学では歴史をどう扱うのか?」といった質問が川中准教授になされました。
結びには、自文化中心主義と,それに密接に関連する自己中心性から解き放たれることで,自分がとらわれている「当たり前」から自由に思考/行動できるようになること,そして,そのことで人々の変化に即した社会イノベーション実践を柔軟に創り出せることがこの日の総括として示されました。
【川中大輔准教授のコメント】
今年度の受け入れは,平和学の知見を踏まえながら「平和」について考えるところから始まり,「平和」のための学び舎となるビジョンを共有する形で終えました。私たちはなぜ学ぶのか,なぜ教育研究に取り組むのか,どのような社会連携を進めていくべきなのか。こうしたことを改めて考える機会となりました。学びの場を共にしていただいた高校生や引率された先生方、添乗員の方々、沖縄から同事業推進を支えておられる方々にこの場をお借りして御礼申しあげます。