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2024.12.11

政策実践・探究演習(国内)「福知山プロジェクト」第3回合宿を実施【政策学部】

 10月19日(土)・20日(日)に政策実践・探究演習「福知山プロジェクト」(担当者:谷垣岳人准教授、学生21名、引率2名)が第3回合宿を実施しました。

 福知山プロジェクトは、中六人部地域において、中六人部地域づくり協議会(以下、ミライト中六)及び福知山市まちづくり推進課との連携により、2023年度から活動しています。
 活動テーマは、「森林の未利用資源の利活用」で、近年は里山資源が放置されたためかつて特産物であったマツタケもあまり収穫できなくなっています。こうした課題に取り組むため、学生は3チーム(いきものがかり、ててまる、フットパス)に分かれてそれぞれの視点からアプローチ方法を模索しているところです。


今年度の各チームの活動内容は以下の通りです。

【いきものがかり】
昨年度作成した「いきもの図鑑」の情報更新、次年度に企画している地域の子ども向けイベントについて地域の方々との話し合い。生き物への関心を高めることにより、地域づくり、自然環境保護について考えるきっかけをつくることを目指す。

【ててまる】
里山の食材キノコ・山菜などについての情報収集と現地調査。昔の暮らしの中でそれらがどのように活用されていたのかを地域のお年寄りからヒアリングし、現代の活用方法を考える。

【フットパス】
地域の中で歩いて回れるルートを策定し地域内外の人が中六人部を訪問するきっかけをつくる。神社のようなわかりやすい地域資源だけでなく、里山の自然環境を取り込み、学生の視点から「中六人部の素敵な場所」を入れたルートを開拓し、マップを作成する。


 1日目は、これまでの活動を踏まえて、今年度の各班の成果物作成に向け、地域の方々とともに活動しました。夕方からミライト中六の役員さんたちと学生との夕食交流会を開催し、ゆっくり話すことができました。宿泊場所は初めて7軒の役員さん宅を教育民泊として利用させていただきました。地域の暮らしとあたたかい対応を肌で感じ、ぐっと距離を縮めることができたようです。


<学生の感想(一部抜粋)>

・慣れない民泊で緊張したが、温かく迎え入れてもらい、地域の人はあたたかいと改めて感じた。
・家族のように過ごすことができ、居心地が良かった。
・朝食を協力して作ったので、普段にない経験ができた。
・役員さんの意外な一面を見ることができた。孫の前では普通のおじいちゃんで普段とのギャップに驚いた。
・離れをお借りしたのであまり交流できなかった。もっとお話できたら良かった。
・夜中に女性の叫び声が聞こえたと思ったら、シカの鳴き声だよ、と教えてもらったのが印象的。
・コメ、小豆、黒大豆、ほうれん草を栽培している。肥料は4年前から倍になっている、病虫害がひどい、儲かる農業、持続可能な農業が課題ということを伺った。
・昔は各家庭で牛を飼っていたということに驚いた。
・地域の人の若かりし時代の話を聞くことができた。どんな遊びをしていたか、中には破天荒なエピソードもあり面白かった。


2日目午前中は、引き続き各班での活動を行いました。

【いきものがかり班】
次年度の夏祭りで学生のブースを出展できないだろうか、大内川での調査を子どもたちと実施できないか等、現場を確認しながら担当役員さんと相談しました。子どもたちの夏休みの自由研究に活用してもらえる内容にできるよう今後も企画を進めます。




【ててまる班】
里山(共有地)でキノコ調査を行いました。また、地域の方からもお話を伺いました。

以下は、この日に見つけたキノコたちの一部です。


キノボリイグチ


食べられる カラマツ林に生える


モミジタケ


菌根類


クサウラベニタケ


毒、傘は吸水性がある。乾くと絹状の光沢がある


ドクベニタケ


毒 広葉樹林に生える 海外では死亡者も出ている


【フットパス班】
フットパス※のルートを策定するため、地域の方と調査を行いました。一宮(いっきゅう)神社、旧中六人部小学校、大内城跡など地域にとって重要な場所を調査し、歩いて回れるルートを考えました。地域の方から芦田記念館をルートに入れてほしいという要望があり、加えることになりました。第47代内閣総理大臣の芦田均氏は中六人部の出身で記念館にその業績が展示されているからです。考えたルートについては、次回の合宿で検証予定です。

※「フットパス」とは、イギリスを発祥とする『森林や田園地帯、古い街並みなど地域に昔からあるありのままの風景を楽しみながら歩くこと【Foot】ができる小径(こみち)【Path】』のことです。本場イギリスではフットパスが国土を網の目のように縫い国民は積極的に歩くことを楽しんでいます。近年、日本においても様々な地域において各々の特徴を活かした魅力的なフットパスが整備されてきています。 (日本フットパス協会HPより)


大内城跡


神社など地域資源をめぐるルート


80年前の航空写真


 2日目午後は、大内山田地区の交流サロンに全員で参加しました。毎月、地域のお母さんグループ・オニオンクラブの活動として、高齢者が交流できる場として手作りスイーツでもてなすサロンを地区の公民館で開催されています。そこに学生も合流させていただき、地域の方々とお話する機会をいただきました。交流会の準備のため、4回生グループは朝からオニオンクラブ(地域のお母さんグループ)のメンバーの指導の下、初めてのおはぎづくりを体験しました。ミライト中六の役員さん以外の地域一般の方(特に高齢女性)との交流機会は初めてのことで、交流会によって龍大生のことを少し認知していただけたのではないかと思います。もっとこうした機会を増やしていきたいところです。


オニオンクラブの皆さんとつくったおはぎ


地域の方にいただいた万願寺とうがらし


 次回の合宿は、11月30日(土)~12月1日(日)で、フットパス・ルートの検証と里山整備作業、キノコ観察会を予定しています。ミライト中六の皆様、福知山市まちづくり推進課の皆様、引き続きよろしくお願いいたします。
  
                             (文責:榎並ゆかり)

(本プロジェクトの活動は、「大学・学生とともにのばす京都プロジェクト」に採択され府から支援を受けています)