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2024.12.12

政策実践・探究演習「福知山プロジェクト」第4回合宿を実施【政策学部】

 11月30日(土)・12月1日(日)に政策実践・探究演習「福知山プロジェクト」(担当者:谷垣岳人准教授、学生17名、引率2名)が第4回合宿を実施しました。
 福知山プロジェクトは、中六人部地域において「森林の未利用資源の利活用」というテーマで活動しています。
 近年は里山資源が放置されたためかつて特産物であったマツタケもあまり収穫できなくなっています。こうした課題に取り組むため、学生は3チーム(いきものがかり、ててまる、フットパス)に分かれて活動しており、今回は学生が考えたフットパス・ルートの検証、大内集落の財産区(共有地)の里山整備、京都府の専門家を招いてのキノコ観察会という内容で2日間の日程を終えました。


1日目:フットパス・ルートの検証

 「フットパス」とは、もともとイギリスを発祥とする『森林や田園地帯、古い街並みなど地域に昔からあるありのままの風景を楽しみながら歩くこと=Footができる小径(こみち)=Pathのことです。日本でも地域を歩いて楽しむルートが整備されつつあります。本プロジェクトでは、中六人部の人たちが愛着のある神社などの地域資源を歩いて辿るルート策定に今年度から取り組んでいます。

 前回合宿でフットパス班が調査し考えた中六人部フットパスのルートを学生全員と地域の役員さんとで歩いて検証しました。ルートは以下の通り、約1時間半の歩くコースになりました。

中六ふれあいセンター→芦田記念館→一宮(いっきゅう)神社→弁天社→稲荷神社→大内城跡・観音堂→中六ふれあいセンター

各地点でフットパス班からクイズが出され、学生たちは回答しながら、その場所についての知識を深めました。




赤線がコース、星印が立ち寄りポイント


芦田記念館にて


弁天社(水のカミ)


2日目午前:大内集落の財産区(共有地)の整備

 2日目の午前中は、かつてマツタケが多く収穫できていた集落の共有地で、朝から2時間ほど整備作業を行いました。まず、枯れた枝などを除去し、落ち葉を熊手で掻いて地面が見えるようにします。また、アカマツ以外に不要な灌木を伐採し、日が差しこみ、風通しの良い山にします。アカマツの根に共生するマツタケ菌が他の腐生菌に邪魔されない環境を整備します。体力の要る作業で、地域の方だけの作業では大変だとのことですが、学生チームが大人数で作業すると一気にきれいになりました。
 尚、昨年12月に別の共有地を整備したところ、その場所で昨年度9本しか採取できなかったマツタケが32本も採取できたと聞き、学生たちの士気も上がりました。




しばらく手入れされず積もった落ち葉をレーキでかき集めて除去します。




不要な木はのこぎりで伐採し、取り除きます。



すっかりきれいに整備できました。来年マツタケがたくさん生えてきますように。


2日目午後:キノコ観察会

 午後からは、同じ共有地の別の場所で、地域主催のキノコ観察会を行いました。京都府農林水産技術センターから藤田先生を招聘し、キノコ採取の注意点、観察の仕方などをレクチャーいただき、みんなで山に入りました。最後に、採取したキノコを新聞紙に並べ、図鑑で調べながら名前を特定していきました。


京都府藤田先生からレクチャー


最後は採取したキノコを並べてみんなで確認


キノコ採取で地域の方とも交流できました


ミズゴケからキノコ


食べられる?


マツタケ御飯のサプライズ


ナメコの味噌汁いただきました


 ミライト中六役員の皆様には、毎回大変お世話になりありがとうございます。今回も初日のお昼にサプライズで「マツタケ御飯」のおむすびをふるまっていただきました。学生のほとんどが「生まれて初めてマツタケを食べた!」ということです。それも驚きですね。2日目のお昼には、原木栽培のナメコがたくさん入った味噌汁を作ってくださいました。こうしたおもてなしをいただき、一同、心も体もあったまりました。

 今回が今年度最後の合宿となりますが、班活動もプロジェクト全体としても大きく進んできたと感じます。今後は、12月の学内報告会及び2月の地域報告会で今年度の成果をまとめて発表します。地域の皆様、楽しみにお待ちください。 
                             (文責:榎並ゆかり)