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2025.02.04

文学部教授の村岡倫先生がモンゴル国より勲章を授与されました【文学部】【文学研究科】

この度、本学文学部 歴史学科東洋史学専攻の村岡 倫教授が、モンゴル国から最高勲章の一つである「ナイラムダル(友好)勲章」を受章しました。

30年にわたるモンゴル国での研究を通じ、日本とモンゴルとの共同研究、人的交流において重要な役割を果たしたことを高く評価され、2024年11月25日付けのモンゴル国大統領174号令に基づき授与されました。


村岡 倫 教授(左)とE.オドバヤル大統領府対外交政策顧問(右)

 

村岡教授は、1994年より碑文学やモンケ・ハーンの子孫とカラコルム周辺での彼らの活動、モンゴル帝国および元朝時代の残された碑文の研究など、大規模なプロジェクトに継続的に携り、2016年のモンゴル西部ハルザンシレグ遺跡での発掘調査においては、モンゴル帝国時代にあたる13世紀の仏像の手と足の部分を発見し、龍谷大学の支援により現地の文化センターに寄贈しました。

 




以下に、村岡先生の受章コメントをご紹介します。

 

 「私が参加する日本モンゴル両国の研究者による共同プロジェクトは、昨年30周年を迎えています。プロジェクトでは、モンゴル現地に残されている碑文や銘文などの文字資料、あるいは様々な遺跡の調査・研究、そして出土遺物の保全などに大きな成果をあげてきました。 

 調査費用は、プロジェクトのメンバーが申請して採択された日本学術振興会の科学研究費補助金が中心となっていますが、私が日本側の代表となった後は、本学から多くの支援をいただいております。例えば、2016年にチンギス・カン時代の仏像の一部を発見し、モンゴルや日本でも大きく報道されましたが、翌年の再調査、仏像の切り出しとその他の出土物を含めた運搬、2018年に行なわれた博物館での展示や現地文化センターへの寄贈、これらの費用は龍谷大学が負担してくれました。

 また、モンゴル国では、モンゴル帝国時代の旧都カラコルムにあった「興元閣」という仏教寺院修建を記念する碑文のレプリカ作製は、文化事業として長年の悲願でありましたが、なかなか実現できないままでした。これも2022年、龍谷大学の助成によってついに完成し、現在はカラコルム博物館の入り口前で悠然とその威容を誇っています。

 この二つの事業は入澤崇学長はじめ大学のご理解があってこそ初めて実現したものです。その折には、学長室や研究部の職員の方々には多大なるお力添えをいただいております。後者のレプリカ作製については、古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター(DARC)、センター長の三谷真澄文学部教授にもひと方ならぬご尽力を賜り、そして農学部の中田裕子准教授と文学部の藤原崇人准教授には、プロジェクトのメンバーとして過酷な現地調査を共にし、支えてもらいました。

 今回の受章は、本学のこのような大学をあげての取り組みがモンゴル国で十分に認識されている結果であり、私は龍谷大学の代表として受章したものと理解しています。皆様には深く感謝を申し上げる次第です。モンゴルにはまだまだ調査・研究すべき課題、あるいは支援が必要な文化事業も多く、今後もそれらに貢献しつつ、モンゴル帝国史の研究を継続していきたいと思っています。」

 


出土したモンゴル帝国時代の仏像の手足


興元閣碑除幕式
(右から3人目が文学部 三谷 真澄 教授)