2025.02.26
2024年度第3回REC BIZ-NET研究会「発酵DX~飲まずに見た目だけでお酒の味わいがわかりますか?~」を開催
2025年2月18日(火)に第3回REC BIZ-NET研究会「発酵DX~飲まずに見た目だけでお酒の味わいがわかりますか?~」を、ハイブリッド(対面+Web)にて開催しました。
お酒の不思議を見える化する?今回の研究会は、お酒(清酒)に関する研究内容をテーマに講演会を開催しました。官能検査によらない客観的な手法として、色調の変化(清酒の褐変)に注目した手法を紹介するとともに、微生物由来のDNAをPCR法で検出し、さらに醸造過程における品質の管理を迅速かつ簡便に行う手法の開発などについてご紹介しました。
講演テーマ①
「分光学的手法を用いた清酒の品質評価法」
龍谷大学 農学部 食品栄養学科 教授 桝田 哲哉
食品の品質を評価、分析するターゲットとしては、色調、匂い、味、食感の変化などが挙げられます。清酒の品質評価では、官能検査によらない客観的な手法で特性を評価できれば有用です。今回、色調の変化(清酒の褐変)に注目し、精米歩合の異なる純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒について、温度と加温時間が異なったサンプルを用いて、色差の変化とアミノ酸の蛍光強度データから品質評価が可能であるか今回の講演でご紹介いただきました。
講演テーマ②
「清酒に含まれる微生物の痕跡をたどる」
龍谷大学 農学部 食品栄養学科 教授 田邊 公一
清酒の仕込みは細菌やカビの胞子などが混入する空間での作業のため、カビ毒の発生などのリスクを伴うことが懸念されます。しかし、醸造過程に増殖する微生物については詳細な評価ができていませんでした。今回、清酒製品に含まれる微生物由来のDNAをPCR法で検出する手法について検討し、清酒の安全性を評価できることを今回の講演でご紹介いただきました。

桝田先生の資料(一部)

田邊先生の資料(一部)
講演会終了後には、対面参加の方を対象に講師との名刺交換、情報交換の場を設け、熱心な質疑や積極的な意見交換が展開されました。