2025.03.03
教育現場における心理的援助について考える、スクールカウンセリングのシンポジウムを開催
<教育現場の支援者を対象に、3月23日(日)10:00より龍谷大学大宮キャンパスにて>
【本件のポイント】
- 子どもを取り巻く環境が複雑・困難化する中、「チーム学校」の考え方を軸に、教育現場における児童生徒や保護者、教員への心理的援助のあり方について共に考えるシンポジウムを開催
- 教育現場で心理相談業務に従事するスクールカウンセラーは、都道府県により配置状況が異なり、大半が非常勤職員の形態であるのが現状で、地域等の実態に即した連携や情報交換が必要
【本件の概要】
スクールカウンセリングは、児童生徒の心理的な発達を援助する総合的な教育活動であり、「心の教育」や「生きる力を育てる」などの学校教育目標と同じ目的を持つ活動です。文部科学省は、平成7(1995)年度から、「心の専門家」として臨床心理士などをスクールカウンセラー(SC)として全国の教育現場に配置してきましたが、その配置状況には地域差があることや、SCの大半が短時間契約の非常勤職員の形態であるのが現状です。そうした中、令和5(2023)年度には、不登校児童生徒数が小・中学校で約34万人、いじめの認知件数が全校種で約73万件といずれも過去最多となるなど、子どもを取り巻く環境が複雑・困難化しています。(※1)
個々の子どもや学校における諸問題に心理的見地から丁寧に関わることが求められる「学校臨床」において、SCが効果的に機能するためには、まずは、学校がもつ特徴についての理解が必要です。
そこで、本シンポジウムの第1部では、村上 雅彦 氏(広島ファミリールーム所長)に学校が持つ機能についてご説明いただきます。つづく第2部では、様々な困難を抱える児童生徒に対して教員や心理や福祉の専門家などがチームで支援にあたる「チーム学校」の考え方を軸にSCが取ることができる役割について、各地で活動するシンポジストの実践例を交えながら議論を深めます。
【イベントの概要】
名称:シンポジウム「システム論から考えるスクールカウンセリング」
日時:2025年3月23日(日)10:00~13:00(9:30開場)
場所:龍谷大学大宮キャンパス 東黌(とうこう)301教室
(京都市下京区七条通大宮東入大工町125-1)
対象:スクールカウンセラー、教員など教育現場の支援者
定員:100名(申込先着順)
参加:無料・専用フォームからの申込制
※申込フォーム:https://forms.gle/B36sydWreVC5pzoRA
URL:https://rcwbc.ryukoku.ac.jp/events/events-1146/
主催:世界仏教文化研究センター(応用研究部門 社会的孤立回復支援班)
【プログラム・登壇者】※各所要時間は変更となる場合があります。
第1部・講演(10:00〜11:00)
「学校臨床におけるSCの役割」 講師 村上 雅彦 氏(広島ファミリールーム)
第2部・シンポジウム(11:15〜13:00)
「チーム学校として取り組むために」
シンポジスト 荒井 久美子 氏(京都府・京都市スクールカウンセラー)
西山 達二 氏(滋賀県スクールカウンセラー)
大石 直子 氏(灘中学校・灘高等学校スクールカウンセラー)
指定討論者 村上 雅彦 氏(広島ファミリールーム)
吉川 悟 教授(本学心理学部)
《司会》赤津 玲子 教授(本学心理学部)
【講師プロフィール】

村上 雅彦 氏(広島ファミリールーム所長
/臨床心理士・公認心理師)
大阪教育大学心理学科卒業後、 大阪府の児童相談所で心理判定員として勤務後、1991年広島ファミリールーム開設。心療内科、スクールカウンセラーの傍ら、大学の非常勤講師やスーパーヴァイザーとして活躍。家族療 法学会認定スーパーヴァイザー、同学会制度委員長。著書(分担執筆)「家族療法テキストブック」 (金剛出版 2013)、「システムズアプローチによるスクールカウンセリング」(金剛出版 2019)など多数。
【本企画の開催にあたって】

赤津 玲子 教授(本学心理学部)
(専門:システムズアプローチ、家族療法、コミュニケーション)
システム論とは、従来の臨床心理学のように人の心の中に問題があるとみなす理論ではなく、人と人との関係性をアセスメントして関わっていく考え方です。教育現場はさまざまな人で構成されている場所です。参加してくださる皆さんにとって、児童・生徒、教員らの関係性に焦点を当てて、問題の解決を生み出せるようないくつもの知恵が生まれる場になることを願っています。
<参考>本学が運営する仏教SDGsウェブマガジン「ReTACTION」のインタビュー記事
https://retaction-ryukoku.com/2428
【補注】
(※1)文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(令和6年10月31日)を参照。同調査によると、小・中学校における不登校児童生徒数は346,482人(前年度299,048人)、小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は732,568件(前年度681,948件)であり、いずれも前年度に比べて増加している。
https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_2_2.pdf
本シンポジウムへの取材を希望される場合は、担当教員までご連絡ください。
龍谷大学心理学部 赤津研究室 a-reiko@psy.ryukoku.ac.jp
問い合わせ先:龍谷大学 世界仏教文化研究センター
Tel 075-343-3812 cswbc2@ad.ryukoku.ac.jp https://rcwbc.ryukoku.ac.jp/