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2025.03.14

検察官や弁護人のアバターになって争う「メタバース法廷」で高校生文学模擬裁判交流戦を初開廷 芥川龍之介『羅生門』の真相は強盗罪か? 参加校の高校生たちが検察側・弁護側の立場の役になりきり、立証・弁護活動を展開

< 3/21(金)オンライン開催、“傍聴人”はWebから要事前登録>

 

 

【本件のポイント】

  • バーチャル空間でアバターになって法廷闘争を体験する「刑事司法未来メタバース法廷」。若い世代にも裁判を身近に感じてもらおうと法学者らでつくる団体が開発し、今回初めて高校生の模擬裁判で使用
  • 「国語とは言葉を通して人間を考える教科」であるという理念から開発された文学模擬裁判。法的思考力や刑事裁判の意義の理解にとどまらず、人間や社会を考える眼差しを深めることがねらい
  • 芥川龍之介『羅生門』をモチーフに独⾃に作成した教材をもとに、参加校の⾼校⽣たちが強盗罪か緊急避難の成立かをめぐって、検察側・弁護側どちらかの⽴場の役になりきり、⽴証・弁護活動を展開

 

【本件の概要】
 龍谷大学文学部・札埜研究室は、2025年3月21日(金)に「刑事司法未来メタバース法廷」において高校生が対抗する模擬裁判イベント【2025 メタバース高校生「文学模擬裁判」交流戦】を実施します。当大会は2020年8月9日の初開催以来、選手権や交流大会などを含めて今回で14回目の開催で、大会の様子はどなたでも事前申込制で“傍聴”することが可能です。
 今回モチーフとした文学作品は芥川龍之介『羅生門』で、ある若者が老婆から着物を奪い取った事件について、強盗罪か緊急避難の成立かを争う内容です(※)。参加校は、独自に作成された教材や関連資料をもとに、検察側、弁護側の立場に立って立証・弁護活動を行うシナリオ創作型の模擬裁判です。今回の交流戦を通して、新しい教育メソッドの普及を図り、その教育手法を通じて日本の刑事司法の未来を支える担い手としての市民が育つことに寄与することを目的とします。

 

 

1.実施概要
 名称:2025 メタバース高校生「文学模擬裁判」交流戦
 日程:2025年3月21日(金)13:00~16:30(※12:45メタバース法廷を開場)
 会場:刑事司法未来メタバース法廷(XRCLOUD上で動く仮想空間)
 傍聴(参加):無料、定員20名※事前申込制
 主催:龍谷大学文学部・札埜研究室、一般社団法人 刑事司法未来
 後援:龍谷大学国際社会文化研究所(札埜プロジェクト)、龍谷大学法情報研究会、
    オンライン高校生文学模擬裁判選手権実行委員会、刑事弁護オアシス、

    株式会社TKC
 協賛:清水書院

 

2. 当日のプログラム(予定)【試合状況により、時間変更の可能性あり】
 12:45    メタバース法廷を開場
    13:00-13:10 進行・操作説明、事案紹介等
    13:10    裁判官入廷
    13:15    開廷《「文学模擬裁判」交流戦:

                神戸女学院高等部  VS  中央大学杉並高等学校》
    15:15    閉廷
    15:15-15:30 評議、投票、休憩
    15:30       判決言渡し(裁判長)
    15:40-16:30 結果発表・講評等

 

3.出場校  神戸女学院高等学部(兵庫)/中央大学杉並高等学校(東京)

 

4.裁判官
       裁判長・監修:石塚 伸一氏

                                  (一般社団法人刑事司法未来 代表理事、龍谷大学名誉教授、弁護士)
       陪 席 裁 判 官:山口 裕貴氏(一般社団法人刑事司法未来 理事)

                                  札埜 和男准教授(龍谷大学文学部)

 

5.刑事司法未来メタバース法廷


一般社団法人刑事司法未来が開発した仮想空間に作られた法廷で、検察官や弁護人のアバター(分身)になって意見を交わすことができる。最新のVR技術を用い、誰もが裁判官、裁判員、検察官、被告人、弁護人、傍聴人になって「裁判という場」を事前に体験することで、実際に裁判員として参加することに対する不安や疑問を軽減し、より積極的な司法参加を促すことをめざしている。

6.今回の文学模擬裁判のシナリオ(事件のあらすじ)※
  元暦元年神無月二十九日酉刻頃、山城国羅生門楼の上において、ある若者が聖柄の太刀を老婆に突き付けて、衣服を奪って逃走するという事件が発生した。検非違使は緊急手配して、若者を逮捕した。若者は20歳くらいであり、天涯孤独で、身寄りもなく、下人として15年間ほど雇われてきたが、京都の衰微の余波を受けて、解雇されたのである。一方、被害者の老婆は死体から髪の毛を奪うという行為をしていた。老婆はなぜ髪の毛を抜いているか、若者から聞かれ、彼女なりの論理を話したようであった。盗みをすることに迷っていた若者はその論理に触発されて、老婆から着物を奪ったとのことであった。
 こうして、この事件は、検非違使による捜査が開始され、検察官から京都地方裁判所に起訴状が提出され、公訴が提起された。検察官は強盗罪を主張し、弁護人は着物を奪った行為に対して、急迫な危難を避けるためにやむを得ず他人の権利を侵害する行為であり、「緊急避難」にあたるとして無罪を主張した。

 

7.お問い合わせ・傍聴(参加)申込
    以下連絡先までお問い合わせください。

    お申し込みは先着順にて受け付けます。(定員20名)

 

       龍谷大学 文学部・札埜研究室 E-mail fudafuda@let.ryukoku.ac.jp

 


問い合わせ先:龍谷大学 研究部(瀬田) 国際社会文化研究所
Tel 077-543-7559  shabunken@ad.ryukoku.ac.jp https://scri.rec.ryukoku.ac.jp/