2025.04.03
介護ツアー「動物とのふれあいと創造でつながる旅」を実施しました【社会共生実習】
社会学部『社会共生実習(いくつになっても、出かけられる!~高齢者を元気にする介護ツアー企画~)』(担当教員:現代福祉学科 准教授 高松智画)では、介護が必要な高齢者に楽しんでもらえる日帰りツアーの企画から実施までを目標としており、これまでに高齢者への聴き取りなどを通じて、交通、生活環境、日常生活などで感じる高齢者ならではの「困りごと」について考察し、それらを踏まえて、どういった内容であれば「困りごと」を忘れて楽しんでいただくことができるか、試行錯誤してきました。
本プロジェクトの受講生たちは、ツアーを企画するにあたり、現地に何度も足を運んでバリアフリーの状況の把握やトイレの設置場所と広さの確認など、介護・介助に必要な情報を集約し、当日までに役割分担やツアースケジュール確認のための打ち合わせ、車いす操作の練習をおこないました。
また、参加希望者には事前面談をおこない、移動や食事、トイレの使用などにおいてどのような配慮や介助が必要であるかなどを確認し、不安がないよう努めました。
そうした準備を経て、このたび、動物園での楽しい思い出と、苔玉作りで手作りの癒しアイテムを持ち帰れる体験を通じて自然や人とのつながりを感じることができる体験型介護ツアー「動物とのふれあいと創造でつながる旅」を3/9(月)に実施する運びとなりました。
当日、まずは京都市動物園で集合しました。
1名の方が急なご都合変更のため、お昼からの参加となることがわかったり、学習目的のための入園には費用がかからないことがわかり、急遽受付で申請したりと、ツアー直後から計画変更を余儀なくされる場面がありましたが、余裕をもったスケジューリングをしていたため、事なきを得ました。
京都市動物園では、歩行器を利用していただいたり、頃合いで車椅子に乗っていただいたりして、参加者の方おひとりずつのペースに合わせてゆっくり移動しました。散策している中で「爬虫類は興味ないのよ~!」などといったお話が出た際には柔軟に対応し、各々に合わせた動線で動物を見て回りました。
最後に出口で集合写真を撮影したのち、介護タクシーを利用して昼食会場まで移動しました。
昼食会場では、参加者の方々と同じメニューをいただき、談笑しました。参加者の方々を安全にサポートする任務を半分終えて、受講生らもホッと一息ついた様子でした。
食事を済ませると、次の工程となる苔玉作り体験の会場へ移動しました。
ここでは「株式会社 花工房」の講師を会場に招いて、京都の伝統工芸・京組み紐にみたてた飾り紐を巻きあげ、「てまり」のように仕上げた「生命花手毬」作りを参加者の方々に体験いただきました。

土を綺麗に整えて…
受講生らも手伝って、世界にひとつだけの思いづくりを楽しんでいただきました。
後日、受講生らはツアーの振り返りと参加された皆さまへの記念品作りのため、集まりました。
記念品には受講生から参加者の方々への想いが込められました。
プロジェクト活動を終えて、受講生らからは、次のような感想や意見が述べられました。
「自分から話すことが苦手だったが、受講生全員が話さなくてはいけない機会が多々あり、そのおかげで話せるようになったと思う。まだ物怖じはするものの、グループ内での役割分担があったので、自分に割り振られた役割への責任を果たすために行動し、その結果、成長できたように思う。」
「いろんな人と連携してやっていくのが初めてだったので、すごい新鮮だったし、成長できたなという感じがある。」
「高齢者の方は聞こえづらい方が多いので、上手く伝わるように大きな声で話したりゆっくり話したりする癖がついた。話し方を意識するようになった。」
「最後お見送り時に参加者の方から『楽しかったよ』と言われたことがとても嬉しかった。」
本プロジェクトは、担当教員の退職にともない、今年度が最後となりました。今回も参加者の皆さまが無事に過ごされ、楽しんでいただくことができ、当初の目標を達成することができました。この日のことが参加者の皆さまや受講生の今後に良い影響を及ぼすことを切に願っています。
社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。