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2018.02.28

死刑問題を多角的に考える シンポジウム「死刑制度の廃止を求めて~憲法と国連の活動の観点から~」3/5(月) 龍谷大学響都ホール校友会館にて

【本件のポイント】
・テレビなどでもおなじみの新進気鋭の憲法学者、木村草太・首都大学教授が、憲法の視点から「日本の死刑を切る」という企画です。さまざまな問題について発言されていますが、死刑については、初めての公の場での発言です。
・死刑廃止論の主唱者であり、「日本の死刑問題のレジェンド」と言っても過言ではない、菊田幸一・明治大学名誉教授に、国際人権法(国連の合意文書、国際人権自由権規約など)の視点からご講演していただきます。
・パネルディスカッションでは、映画監督、被害者遺族、宗教家などが、それぞれの立場から発言します。

【本件の概要】
日本弁護士連合会は、2016年10月7日、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」(※1)を採択し、日本において国連犯罪防止刑事司法会議(以下「コングレス」、※2)が開催される2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであることを明らかにしました。死刑制度の廃止に向けた活動を全社会的な活動とするため、幅広く市民の皆様に向けて活動をアピールする機会として、2020年にコングレスが開催される京都でのシンポジウムを企画しました。
龍谷大学はかねてより、死刑や終身刑など刑罰制度についての調査研究を重ねてきました(※3)。本学の特色である矯正・保護課程は、2017年に開設40周年を迎えました。2015年には、矯正・保護総合センターが、宗教教誨に関するシンポジウム(※4)を開催し、浄土真宗本願寺派の前門主を招聘し、研究者、教誨師、ジャーナリスト、弁護士、元法務大臣にもお集まりいただき、死刑について考えました。
2016年6月には、犯罪学研究センターが発足し、同年11月に文部科学省私立大学研究ブランディング事業に採択されました。センターの取組みを通し、犯罪予防と対人支援を基軸とする「龍谷・犯罪学」を構築し、日本国内だけでなく、広く世界に海外にアピールしていきます。先般の「揺さぶられっこ症候群(SBS)」に関するシンポジウムや今回の「死刑制度」に関するシンポジウムは、2020年「龍谷・コングレス」に向けてのスタート・アップの意味ももちます。
龍谷大学犯罪学研究センター長 石塚伸一
*龍谷大学の死刑問題などへの取組みについては、センター長の石塚がお答えします。

1.日時:2018年3月5日(月)13:00~17:00(開場12:40)

2.場所:龍谷大学響都ホール校友会館

3.式次第:
  ・基調講演「憲法と死刑」木村草太氏(首都大学東京教授)
  ・DVD上映「絞首刑を考える」(大阪弁護士会作成)
  ・基調講演「国連の理念」菊田幸一氏(明治大学名誉教授)
  ・トークセッション「思考の転換(パラダイムシフト)」
   コーディネーター 海渡雄一 氏(死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部副本部長)
   スピーカー    木村草太 氏(首都大学東京教授)
            森 達也 氏(映画監督・作家・ジャーナリスト)
            大山寛人 氏(被害者遺族)
            梶田真章 氏(法然院貫主)
  ・ゲストスピーチ  漆原良夫 氏(前衆議院議員)ほか現職国会議員若干名

4. 開催: 主催 日本弁護士連合会
共催 龍谷大学犯罪学研究センター、龍谷大学矯正・保護総合センター
京都弁護士会、近畿弁護士会連合会、

5.申込:入場無料、事前申し込み不要

6.補足:
※1.「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」
日弁連は、2002年11月22日に「死刑制度問題に関する提言」を発表し、また、2004年10月8日に第47回人権擁護大会で「死刑執行停止法の制定、死刑制度に関する情報の公開及び死刑問題調査会の設置を求める決議」を採択しました。 さらに、2011年10月7日の第54回人権擁護大会では、「罪を犯した人の社会復帰のための施策の確立を求め、死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を採択しています。この提言・決議の内容を実現するため、前身である「日弁連死刑執行停止法制定等提言・決議実現委員会」の活動を引き継ぎ、「死刑廃止検討委員会」を設置し、そして、2016年10月7日の第59回人権擁護大会では、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択しています。この宣言を受け、これまでの死刑廃止検討委員会の活動を引き継ぎ、宣言の実現に向けて、2017年6月に「死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部」が設置されました。
(引用:https://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/deathpenalty.html日弁連HP)。
この宣言は、1.刑罰制度の改革について、2.死刑制度のその代替刑について、3.受刑者の再犯防止・社会復帰のための法制度について、という3つの論点を軸に展開されます。
詳細は下記URL参照
( https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/civil_liberties/year/2016/2016_3.html日弁連HP)

※2.国連犯罪防止刑事司法会議(UNITED NATIONS CONGRESS ON CRIME PREVENTION AND CRIMINAL JUSTICE)
犯罪防止・刑事司法分野における国連最大の国際会議(通例4月頃開催)であり、1955年以降5年ごとに開催(日本では1970年に京都で開催)されています。会議には、司法大臣・検事総長等、各国政府代表、国際機関、NGO関係者等が参加しています。 会議では、犯罪防止・刑事司法分野の対策や国際協力の在り方について検討し、政治宣言を採択します。 詳細は、下記URL参照。
   http://www.moj.go.jp/hisho/kokusai/hisho10_00005.html
http://www.moj.go.jp/hisho/kokusai/hisho10_00015.html (法務省)
   http://crimrc.ryukoku.ac.jp/outline/message.html(龍谷大学犯罪学研究センター長あいさつ)

※3.国際的視点から見た終身刑:死刑代替刑としての終身刑をめぐる諸問題(Life Imprisonment from International Perspectives:An “Alternative” for the Death Penalty?)」(2002年2月1日、本学深草キャンパス21号館604教室)
このシンポジウムの内容は書籍化されています。
石塚伸一(監修),龍谷大学矯正保護研究センター(編)『国際的視点から見た終身刑』(成文堂、2003年)

※4.「宗教教誨の現在と未来 ~日本人の宗教意識~」(2015年7月11日、本学深草学舎和顔館B201教室)
上記シンポジウムは、YouTube上でも公開されています。
第1部・第2部  https://youtu.be/rnZu7eswTb0
第3部      https://youtu.be/HbG0cIxw-1s
以下の書籍にはシンポジウムの内容も記載されています。
赤池一将・石塚伸一(編)『宗教教誨の現在と未来』(本願寺出版社、2017年)