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2025.05.02

食から見える地域の力を知る『イタリア食紀行―南北1200キロの農山漁村と郷土料理』を出版【政策学部】

ファッションやオペラ、古代遺跡と並び、イタリアを語る上で欠かせないのが「食」。世界中の人々を魅了し続けるイタリアの食文化は、単なる料理ではなく、地域の気候や風土、歴史に深く根ざした「暮らしそのもの」です。

本書では、イタリアを北から南へ縦断しながら、各地で息づく多様な食文化を紹介します。一つ町を越えるごとに出会える独自の食材や料理。それらは、地域に根ざした農業・漁業・林業の営みと密接に結びつき、地域経済を支える源でもあります。
同時に、こうした食文化の背景にある農山漁村の現状と、持続可能な地域づくりに取り組む人々の姿にも焦点を当てています。制度や政策の紹介を交えながら、地域の課題を乗り越えようとする「ソーシャル・イノベーション」の芽吹きと成長のプロセスが描かれていることも特徴の1つです。

イタリアと日本は、南北に長い(半)島国であり、山が多く、火山を抱えるなど、自然環境に多くの共通点があります。戦後の高度経済成長を経て農村の衰退という似たような課題を抱えながらも、イタリアの田舎は今も活気にあふれています。
この本に登場するイタリアの生き生きとした農山漁村の姿を通して、私たち日本人もまた、自国の美しい村々や、そこに脈々と受け継がれてきた人々の知恵と誇りに、あらためて目を向けるきっかけになることでしょう。


【大石尚子教授による読者に向けてのコメント】
大学でイタリア語を学んで以来、学び、仕事、暮らし、研究と様々な形でイタリアに関わってきました。その中で出会った素敵な人々は皆、地域に強い誇りを持ち、地域に根ざす生き方を全うしていました。本書では、そうしたイタリアの田舎の人間力に触れていただくと同時に、日本の農山漁村にも思いを向けていただければと思います。農業・農村政策や地域活性化、まちづくりに関心のある方々、イタリア旅行に行かれる方、料理に関心のある方、田舎暮らしに関心のある方、など幅広い層に読んでいただければと思います。

【書籍情報】
タイトル:イタリア食紀行―南北1200キロの農山漁村と郷土料理
著  者:大石 尚子
価  格:1,210円(税込)
出  版  社:中央公論新社
シリーズ:中公新書 2853
発  売  日:2025年4月22日

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