2025.06.03
商学科「フレッシャーズゼミ」で、 こと京都の宮川光太郎さんにご講演いただきました
5月28日、商学科のフレッシャーズゼミ(7クラス、約140人)では、こと京都株式会社の番頭執行役員である宮川光太郎さんをお迎えして講演会を開催しました。同社は、九条ねぎに特化した(農業の)6次産業化の先進事例として知られています。
宮川さんは「こと京都の経営 農業の可能性」をテーマに講演されました。前半は、同社の事業について話され、後半は学生(新入生)へのメッセージを伝えていただきました。
こと京都の事業については、同社の「6次産業化」が経営を安定化させるためのものであることが強調されました。農業においてはさまざまなファクターがあるため、加工して付加価値を高めるだけでなく、リスクヘッジするための工夫(販売先の分散、生産地の分散など)を積み重ねてきたとのことです。
また、「こと京都人宣言」を制定し、人づくりに取り組んでいることも紹介されました。それは、「一人ひとりの良心が安全な農作物づくりにつながる」という考えにもとづいています。同社が「防災経営」を確立しようとしてきたことや、地域との関わりを重視していることも紹介されました。
子ども食堂への支援もその一つです。子ども食堂は、「子どもを中心としたコミュニティの場」であり、生産している九条ねぎを通して地域と関わっていくということです。具体的な取り組みとして、能登半島地震(2024年1月)の支援について紹介されました。日本の農業の再生、振興のとりくみである「NOUJINアカデミア」も紹介されました。
学生たちへのメッセージは、宮川さんご自身の体験を踏まえたものでした。「自分を大事にする、自分の時間を大事にする」ことを強く呼びかけました。また、引きこもりの中学生が農作業を通じて生き生きとするようになったことを紹介し、農業の魅力を再認識したことを紹介されました。
最後に、「知っている」と「できる」とはまったく違うことであり、4年間の学びを通じて「知っている」のではなく「できる」ようになってほしいと話されました。
商学科1期生が入学後に初めて接する経営者の講演でした。宮川さんのお話を聴いて、挙手して質問する学生や、講演後に質問や相談に来る学生もいました。大切な産業でありながら、なかなか直に接する機会がない農業の分野においてビジネスを展開している「こと京都」、そして宮川さんのお話が、学生たちにとってとても有益なものであったと感じました。
(文責 細川孝)


