2025.06.05
「政策実践・探究演習(国内)福知山プロジェクト」が第1合宿を実施しました
2025年5月24日(土)~25日(日)に京都府福知山市中六人部(なかむとべ)地域において、福知山プロジェクト(指導教員 谷垣岳人准教授)の学生20名(2回生16名、3回生1名、4回生3名)と教員、サポートスタッフ合計22名が今年度第1回のフィールドワークを実施しました。
本プロジェクトは「政策実践・探究演習」というPBL科目の1プロジェクトで、中六人部地域での活動は3年目を迎えます。プロジェクトのテーマは「里山の未利用自然資源の利活用」で、具体的な活動は①地域の生き物調査、②マツタケの再生、③交流を生むフットパス策定(歩く小径ルート)、④活動の発信を計画しています。
合宿初日は、今年度初めての地域訪問です。学生たちは少し緊張していましたが、中六人部ふれあいセンターに到着すると、北山会長をはじめ地域の方が笑顔で迎えてくださいました。学生たちと地域の方々がそれぞれ準備した冊子をもとに一人ずつ自己紹介しました。続いて、ミライト中六の取組を紹介いただき、地域活動の概要を知りました。福知山市まちづくり推進課の担当者も参加くださいました。
この日はあいにくの雨でしたが、午後から地域あるき(中六フットパスの試行)を行いました。まず、芦田均記念館で井上さんから説明を伺い、自宅で展示されている美術館を見せていただきました。続いて農政実施の碑、一宮神社へ。舞鶴若狭自動車道の側道から六人部パーキングを通り、大内城跡周辺を経由して中六人部ふれあいセンターまで、昨年度のフットパス試行コースに新たなスポットを加えたコースです。お天気に恵まれず行けなかったスポットもありますが、何とか踏破し、雨天実施する際の課題も見つかりました。フットパス試行には本プロジェクト卒業生の足立さん(福知山市在住)も参加くださいました。
16時前には宿舎となる大呂ガーデンテラスへ移動し、夕食後のミーティングで活動班ごとに感想・意見を交換しました。以下、主なものを紹介します。
★ミライトの取組について
・地域の人の雰囲気が良い、まちおこしに積極的だと感じた。
・地域の人の話を聞くことができて良かった。地域に詳しいと思った。
・LINEグループでお知らせするなど、広報の仕方が現代的。
・いわゆる田舎ならではの「デメリット」を解消しようとする取り組みが既にされている。
・地域づくり協議会ができてから人口減少が緩やかになっているとのことで、取り組みの成果が徐々に表れてきている。
★地域を歩いたことについて(フットパス体験)
・安心、安らぐ、懐かしい、自然がいっぱい。
・集落とそれを取り囲む自然景観が良い。空気のきれいな場所を歩くことができた。
・植物の説明に興味が持てた。早く生き物調査をしたい。
・歩くルートの草刈りが大変そう。
・地域独自の建物、文化に触れることができた。地域の人しか知らないことを知ることができた。芸術作品を見せていただきワクワクした。
・思っていたより田舎だと思う。(逆に)思っていたより発展しており、歴史がある。
・廃校を利用した610BASEで、イチゴ栽培、カフェなどが取り組まれている。
・外部の人など誰でも気軽に立ち寄れるカフェがあるのが良いと思う。若者も行きやすい。
・時間が過ぎるのが早かった。
★今後フットパスコースを策定するにあたって
・解説をしっかり聴き交流の増やすため、グループ分けした方が良いと思う。
・雨の中歩いたため、人数も多く説明が聞き取れないことがあった。
・歩いているときに見るような資料(イラスト・地図)があるとわかりやすい。
・歴史的背景を知ってからの方がよりおもしろい。クイズを入れても良い。
・自分でも歩くコースを考えてみたい。自由に見たいものを探す時間をつくりたい。
・途中で休憩場所をつくりたい。
・歩いている時間に地域について気づいたことを話す時間があると良い。
・今回は雨天の昼間だったので、晴れた日、夕方、早朝など環境を変えてまた歩いてみたい。
・雨天で歩く際はコースを考えた方が良いと思う。
以上が学生から出た主な感想・意見等です。
合宿2日目は、谷垣岳人先生(福知山市出身)のガイドで、福知山市内でまちあるきを実施しました。テーマは「明智光秀のまちづくりマインドと福知山の水害と治水を知る」です。ゆらのガーデンから福知山城に登り、天守閣の上から由良川と市街地、周辺の山々を展望し、展示により福知山の歴史をはじめ、城の復元への市民の取組、シティプロモーションなども学びました。福知山では「まちづくりの心=光秀マインド」として市の戦略に取り入れています。福知山城をゆっくり見学した後、由良川の堤防から中州にある「明智藪」に向かいます。光秀が由良川の改修をおこない、水流を受け止めるための竹・雑木の藪をつくったそうで、現在は野鳥の宝庫になっています。堤防沿いに「治水記念館」へ。ここでは由良川の氾濫の歴史と治水事業について学びました。福知山を知るうえで水害と治水は重要で、光秀の時代から現代まで続く課題といえます。
治水記念館から新町商店街へ進むと、福知山公立大学の学生団体が企画した「マルシェ・ココモア」が開催されており、手仕事の商品やキッチンカーなどこの日だけのお店が並び、通称シャッター商店街を盛り上げています。学生がまちづくりに関わる実例を「マルシェ・ココモア」で体験することができました。学生たちも昼食にハンバーガー、スパイスカレーなどを楽しみました。
最後は御霊神社(明智光秀を祀る神社)に参拝し、中にある堤防神社での参拝でまちあるきは完了、貸し切りバスで帰途につきました。次回は6月28日~29日に、川の生き物調査、ホタルの観察会、地域での教育民泊、里山整備作業などを予定しています。地域の皆様、引き続きよろしくお願いいたします。(文責:榎並ゆかり)