2025.06.12
【竹谷ゼミ】丹波篠山にてクリエイティブツーリズムを主題とした合宿を実施しました
2025年5月10日-11日、初夏の風が心地よく吹き抜ける丹波篠山にて、竹谷ゼミでは合宿を開催しました。今回のテーマは「クリエイティブツーリズム」。地域の文化・産業・人々との対話を通じて、創造的な観光の在り方を学ぶ機会となりました。
合宿では、1日目に、全国各地の地域づくりに取り組む株式会社NOTEの中森恵佑さんを訪ね、古民家再生やまちづくりの現場、市役所職員から地域づくりの担い手に転向した背景やキャリア形成についてお話を伺うとともに、デザイナー兼ゲストハウスを運営するottekeの小山達朗さんから、交流・創造・体験を生み出し、暮らしの豊かさを生み出す事業を学びました。
2日目には、田川剛さんの案内のもと、古民家丹波焼の作家・加古勝己さんの工房にて伝統と創造の息づく制作現場を見学。また、自然の循環を暮らしの中に取り入れ、衣食住の手仕事をみんなで楽しむ暮らしを提案するけせら工房の松岡茉莉花さんや、家具づくりを行うINABA WOOD WORKSの代表・木工作家である稲葉崇史さんの工房にも足を運び、地域資源を生かしたものづくりの精神にふれました。
本クリエイティブツーリズムを主題とした合宿を一緒に企画・コーディネートしてくださったのは、一般社団法人ウイズささやまの大西由喜さんと藤本有香さん。お二人から以下のコメントを頂戴しました。
「経営学部生が学ぶクリエイティブツーリズム」──丹波篠山での実践
3年前、私たち一般社団法人ウイズささやまが運営する「丹波篠山里山暮らしツアー」に、竹谷先生がご参加くださいました。このご縁から、昨年の夏、先生より一本のメールをいただきました。 それは、「里山暮らしツアーで体験したことを、クリエイティブツーリズムを学ぶゼミ生にも味わってもらいたい。一泊二日の旅を一緒に企画できないか」というご相談でした。
「経営学部生が学ぶクリエイティブツーリズム」という旅のテーマは、私たちにとっても大きな挑戦でした。竹谷先生と何度も打ち合わせを重ねながら、この旅で出会っていただくキーパーソンを慎重に選定していきました。
お一人目は、市役所を退職後、丹波篠山を拠点にまちづくりを手がける会社へ転職され、官民連携の推進に尽力されている方。もうお一人は、丹波篠山で陶芸家として活動しながら、この地に暮らすアーティストや多様な人々とのつながりを生み出している方です。
お二人とも、「クリエイティブツーリズムとは何か?」「どのような体験や対話が学生たちの心に響くだろうか?」という問いを共に深く考え、何度も議論を重ねながら旅のプランを練り上げていきました。 この旅づくりを通じて、私の中でも「丹波篠山におけるクリエイティブツーリズム」という概念がはっきりと整理されました。私なりの解釈は、**「この土地に暮らす人とのふれあいの中で、文化や歴史を体験し、学びながら、参加者自身が創り出す旅」**です。
実際のツアーでは、ゼミ生の皆さんが瑞々しい感性で地域に向き合い、多くの学びを得ている様子がとても印象的でした。楽しそうに、そして真剣に取り組む学生の姿に、私自身も大きな刺激を受けました。今回の経験が、今後の学びや視察活動の中で生かされることを、心から願っています。
また、地域の方々からもそれぞれ感想をいただきましたので、代表的なものご紹介します。
「学生さんの前向きな姿勢やこれからの希望に溢れているキラキラした姿を見れて、 僕も頑張ろうと、僕の方がパワーを貰って非常に良い機会でした。」
「またあんな機会があったら、ぜひ声をかけてください。」
「BBQで盛り上がった夜のこと、思い出してね。そしていつかまた丹波篠山をたずねてください。」
私たちウイズささやまにとっても、この企画はとても貴重な経験となりました。素晴らしい機会をいただき、心より感謝申し上げます。
一般社団法人ウイズささやま 企画課 大西由喜
私たちの地域での旅作りは、訪れる人も暮らす人にも「気付き」を得ていただけることを目指しています。今回の竹谷先生ゼミツアーは、先生からの熱い想いの聞き取りと体験内容の相談を10か月ほど重ね、新緑が映える5月に実現しました。クリエイティブツーリズムが起きている現場=丹波篠山の風土をまずは体験していただくことが、ゼミツアーの第一目的でした。
若い世代の子たちが会ったこともない「人」との対話や、まだ知らない「価値観」に触れることを通して、学業以外の「発見の場」となったことと感じています。さらには、丹波篠山に暮らす人や広がる田園風景、文化に魅了された学生が「解散前に、まだ帰りたくない。また来たい!」、職人が「素敵なツアーに関わることができて良かったと思っています。」と報告を受けた時は、心の中でガッツポーズをしました。
これこそ、丹波篠山の地域で旅作りを続ける側の特権です。
一般社団法人ウイズささやま 企画課旅行業係 藤本有香

いずれの訪問先でも、地域の皆さんとの温かな交流と深い対話があり、学び合い・共創の旅となりました。今後もこの経験をもとに、創造的な取り組みを深めていきたいと考えています。
(文責:竹谷多賀子)