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2025.06.17

「2025年度 びわ湖100地点環境DNA調査『びわ湖の日チャレンジ!みんなで水を汲んでどんな魚がいるか調べよう!』」を実施

琵琶湖岸の100地点で生息している魚類を丸ごと検出する調査、今年の参加団体を募集


【本件のポイント】

  • 「びわ湖100地点環境DNA調査」は、龍谷大学が2021年度にスタートした年に 1 度の市⺠参加型の全県一⻫調査で、2024年度より包括連携協定に基づき滋賀県との共催事業として実施
  • 市民参加による環境DNA分析)を用いた観測としては国内最大規模。分析データを琵琶湖の生物多様性の保全に役立て、SDGs の達成に寄与することが目的
  • 「びわ湖の日」)をきっかけに琵琶湖への思いを共有し、環境を守る取り組みの一つとして提案
  • 滋賀県が2024年3月に策定した「生物多様性しが戦略2024」に基づくネイチャーポジティブの実現に向けた行動を推進

 

【本件の概要】
 龍谷大学 生物多様性科学研究センターでは、汲んだ水に含まれるDNAから生息する生き物の情報をとりだす「環境DNA分析」の研究・技術普及を進めています。環境DNA分析を使えば、現場では水を汲むだけで捕獲を伴うこれまでの調査よりも容易に高精度な野生生物の分布調査ができます。
 本学では15年以上にわたりこの技術の開発を進める中で、2021年「びわ湖の日」40周年を契機に、琵琶湖岸の100地点を対象に生息している魚類を丸ごと検出する調査プロジェクトを企画し、これまで多くの団体にご参加いただきました。それから4年で琵琶湖に生息する合計50種(分類群)以上を検出し、外来種・普通種・希少種・絶滅危惧種の詳細な分布状況と経年変化を明らかにしています。
 2025年度も昨年度に続き包括連携協定に基づいて滋賀県との共催事業として8月に一斉調査を行います。実施にあたり、ご協力いただける団体を募集します。琵琶湖の湖岸線をほぼ等間隔に100区画に区切った地点において、参加団体が専用の「採水キット」で湖水を汲み、本学へ送付してもらうことで試料を集めます。調査データは、琵琶湖の生物多様性の保全に寄与する重要なエビデンスとなります。本調査への参加を契機に、身近な水辺にすむ魚を通して琵琶湖を含めた自然環境のことに思いを巡らせることを期待しています。

 

 

1.調査の募集概要
名  称:2025年度びわ湖100地点環境DNA調査
                  『びわ湖の日チャレンジ!みんなで水を汲んでどんな魚がいるか調べよう!』

参加募集:2025年6月17日~7月10日(参加団体が決定しだい終了) 
調査実施:2025年8月2日~8月31日(8月8日~8月16日を除く)
                 ※上記日程のなかで参加団体の希望を勘案して決定(事前に日程調整)
参  加  費:無料(汲んだ水の送料は龍谷大学が負担)
募集対象:環境保全活動を行っているNPOや企業などの団体

                      ※1団体あたり5~10地点程度の採水調査を担当し、詳細は個別に調整。
                    (水を汲むだけの調査ですので、原則として1日で完了する見込み)
申込フォーム:https://qrgo.page.link/YVp1s
                      ※採否のお知らせや具体的な調査の進め方の連絡、調査の日程の相談等は、

                      龍谷大学生物多様性科学研究センターが個別に対応
備  考:今年の調査結果はオンライン報告会等を介して広くお知らせする予定

 

 

2.用語解説
①  環境DNA分析
環境DNA分析とは、生物を直接サンプリングせずに、水や土などの環境媒体に含まれているDNAの情報(生き物が糞や粘液として放出したもの)を基に、そこに生息する種の分布や多様性、量を推定する分析手法です。採取した環境DNAをPCR法で増幅し、DNAなどの遺伝子配列を高速大量に解析できる「次世代シーケンサー」で読み解くことで、コップ1杯分の水から周辺の生物相が分かるようになりました。生物を捕獲することなく「水から」検出できる簡便さから、生物多様性の観測や水産資源の管理に革命をもたらすとされます。


②  びわ湖の日
7月1日「びわ湖の日」は琵琶湖への思いをみんなで共有し、環境を守る取組を行う象徴的な日です。滋賀県では、「びわ湖の日」(7月1日)から「世界湖沼の日」(8月27日)までを琵琶湖と関わる重点期間と位置づけ、環境保全活動のほか、暮らしや食、学びなどの様々な観点からそれぞれ自分に合った「びわ活」(注1)を呼びかけています。

 

(注1)「びわ活」とは、「びわ湖の日」(7月1日)から「世界湖沼の日」(8月27日)までを重点期間とした、琵琶湖を守る、琵琶湖と暮らす、琵琶湖と親しむ、といった琵琶湖と関わるさまざまな取組や活動をいいます。
「びわ活ガイド」https://www.pref.shiga.lg.jp/biwakatsu/ 



問い合わせ先

(本調査に関すること):龍谷大学 研究部(生物多様性科学研究センター)
Tel 077-543-7746  ryukoku.biodiv@gmail.com https://biodiversity.ryukoku.ac.jp/

(琵琶湖の保全再生に関すること):滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖保全再生課
Tel 077-528-3463   dk00@pref.shiga.lg.jp https://www.pref.shiga.lg.jp/