2025.07.14
「政策実践・探究演習(国内)福知山プロジェクト」が第2合宿を実施しました【政策学部】
2025年6月28日(土)~29日(日)に京都府福知山市中六人部(なかむとべ)地域において、福知山プロジェクト(指導教員 谷垣岳人准教授)の学生20名(2回生16名、3回生1名、4回生3名)と教員、サポートスタッフ合計22名が今年度第2回のフィールドワークを実施しました。
政策学部PBL科目の「政策実践・探究演習」福知山プロジェクトは3年目を迎え、プロジェクトのテーマは「里山の未利用自然資源の利活用」です。中六人部地域での認知度も年々向上し、小さな成果も出始めた段階です。具体的な活動として、①生き物調査(地域の自然資源を発掘)、②マツタケ山整備、③フットパス策定(地域内外の交流)、④SNSで地域・活動の発信、を行っています。活動計画は、それぞれに該当する①いきものがかり②ててまる③フットパス④広報の4つの担当班が担い、現地活動は全員でおこなうことで相互の連携を大切にしています。
■田野川での生き物調査
合宿初日、地域に到着してすぐに、全員で田野川での水生生物調査を実施しました。谷垣先生から調査方法の説明を受け、それぞれタモ網で川の中をガザガザと探しながら上流に向かいます。暑い日でしたが、川の中は気持ちよく、アカハライモリ、コオニヤンマの幼虫、ヘビトンボの幼虫、スジエビ、カワムツ(魚)、サワガニ、カワニナ(巻貝)などが見つかりました。猛暑の中、学生たちの他、福知山市まちづくり推進課の担当者にも参加いただきました。
午後から入村式までの3時間ほど、2つに分かれて活動しました。
■ホタルの生息環境について
いきものがかりは田野川でホタルの生息にかかせないカワニナについてさらに詳細な調査を行いました。結果は1平方メートルに141匹というもので、ホタルの生息環境として十分良いことがわかりました。この結果を地域の方にも共有し、夜は地域の方と一緒にホタルが見られる場所を探し、ゲンジボタル、ヘイケボタルを確認しました。学生たちにとってホタルを見ることは非日常体験となったようです。
■フットパスルートの試行
前回の合宿でのフットパス試行は雨のため思ったようにできなかったこともあり、今回はフットパス班をはじめ、ててまる班、広報班のメンバーが、笹場周辺でフットパスの候補ルートを散策しました。ミライトの北山会長の案内で、中六人部ふれあいセンターから竹田川を渡り、文吉岩跡から三面大黒天(庵戸山)へ、田んぼに沿って笹場へ向かいます。開始前に北山会長が、文吉岩の伝承を地域の方が製作された紙芝居を使って教えてくださいました。また、庵戸山は中六人部の人々にとって心のよりどころで、中六人部小学校が廃校になる際に、子どもたちとともに地域の皆さんも登山されたというエピソードを語ってくださいました。仙石家の墓所、官福寺などの立ち寄りスポット、棚田だった場所が耕作放棄地あるいはソーラーパネルになった場所など、約2時間のフットパス試行になりました。途中、声をかけていただいた地域の方としばらく談笑することができ、こうした交流が生まれるのがまさにフットパスなのです。
■教育民泊に向けた入村式、交流会
今回の目玉の1つに教育民泊が挙げられます。森の京都DMOのコーディネートで、中六人部の8家庭に学生たちが宿泊する取組です。年に1回のペースで昨年度から開始しました。学生たちは家族の一員として地域の方とゆっくりお話ができることを楽しみにしています。中六人部ふれあいセンターで入村式(挨拶と注意事項)、班ごとに今後の活動に関する意見交換、夕食交流会をおこない、終了後に各受入れ家庭に分かれて宿泊しました。夜には、ホタル、星空、シカなど地域の夜の風景を堪能することができました。
■マツタケ山整備作業
2日目は、朝から大内山田集落の財産区(共有地)で、マツタケ山整備作業を実施しました。この場所は昨年度に学生とともに整備した場所のさらに上の山です。事前に森林組合に委託してアカマツを残し不要な木を切ってもらったとのこと、まず伐採で出た不要な枝を撤去することから着手し、その後、全員で熊手を使い落ち葉を除去する地掻き作業をしました。落ち葉の中に腐生菌がいてマツタケの発生を邪魔するといったマツタケ発生のメカニズムと作業の必要性について講義で学修済みのため、学生たちは何をすればよいか理解したうえで熱心に作業を進めることができました。
この日も猛暑でしたが、地域からもたくさんの方が作業に参加くださり、時々休憩を取りながら約2時間、楽しんで作業を進めることができました。次回は10月に作業を予定しています。
2日間の活動を終え、610BASE(旧中六人部小学校跡地)でスパイスカレーとスイーツで疲れを癒しました。こうして第2合宿を無事に終えることができたことを報告します。
前期の活動は、7月10日の中間報告会をもって終了します。後期は10月、11月と2回の合宿を計画しており、特に11月の中六人部にぎわい祭りへの参加を楽しみに準備を進めます。地域の皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。
(文責:榎並ゆかり)