2025.07.29
「学生とプロによる民事模擬裁判」を開催【法学部】
「法律事務実務Ⅱ」(担当:山本真)では、7月10日(木)5講時に「学生とプロによる民事模擬裁判」を開催しました。この模擬裁判の3大特色は、①プロ(元裁判官)が裁判官役となること、②プロ(弁護士)による実演があること、③事前学習会においてプロ(弁護士)からアドバイスを受けられることです。学内公開授業としており、受講生だけでなく、一般学生、法学部教員、代理人役のご家族も傍聴に来られました。
訴訟代理人役は受講生有志が務め、証人役と書記官役は昨年度の代理人役有志が務めました(原告チーム・被告チーム・証人チーム各3名)。
まずは学生による証人尋問。証人との事前の打ち合わせはありません。セリフもありません。証言は当日初めて知ることばかりです。そのため、いろんなパターンを想定して尋問事項を練る必要があり、また、証言を聞き、どんな尋問をするのか瞬時に判断しなければなりません。チームワークと事前準備の徹底が欠かせません。学生たちは、自分たちに有利となる証言を引き出すため、チーム一丸となって頭をフル回転させ、夢中になって尋問していました。準備期間は1か月半。この間の成長ぶりには目をみはるものがあります。
次はプロによる証人尋問。学生と同じ条件ですが、鋭い尋問が飛び交い、模擬とは思えないような迫力がありました。今年は中嶋章人弁護士と仲和磨弁護士が務めてくれました。2人とも本学卒業生(模擬裁判5期生・6期生)。模擬裁判経験者がプロになって戻って来てくれたことに感慨深いものがありました。
最後は裁判官による心証開示と実演した弁護士による講評で締めくくります。裁判官経験者による心証開示は貴重な体験です。また、手本を示した弁護士が行う講評には説得力があります。代理人役以外の受講生も、参加意識を持って模擬裁判を楽しんでおり、仲間の奮闘ぶりに素直に賛辞を贈るとともに、自分も頑張ろうとの学習意欲が出ていました。
この模擬裁判で一番しんどいのが証人です。ストーリーを考えて全て記憶しなければなりません。尋問に瞬時に対応する頭の回転の良さも必要となります。証人役がいなければ、この模擬裁判は成り立ちません。「自分たちの模擬裁判は証人役を引き受けてくれた先輩のおかげで成功させることができた!」 その恩を先輩ではなく後輩に返すという「縦の贈与の連鎖」が15年も続いています。今年も俳優顔負けの素晴らしい証人でした。

民事模擬裁判の様子