Need Help?

News

ニュース

2025.08.04

2025年度 アカデミック・スカラシップ奨学生(在学採用型)授与式を実施

本学では、学部2~4年次生の学業成績・人物が特に優秀な学生を対象に「アカデミック・スカラシップ奨学生(在学採用型)」の制度を設けています。

2025年度採用された2年次生を対象に表彰状授与式が、深草学舎顕真館にて2025年6月26日(木)に実施されました。授与式では学生生活主任の前田 哲宏先生から、賞状が授与されました。

 賞状授与後、前田先生からお祝いの言葉が贈られました。

 『皆さん、こんにちは。学生生活主任の前田です。本日はお忙しい中、「アカデミック・スカラシップ奨学金」授与式にご出席いただき、誠にありがとうございます。まず初めに、本奨学金の授与対象となられた皆さんに、心よりお祝いを申し上げます。文学部の各学科・専攻において、学業成績が特に優秀と認められた皆さんは、まさに日々の学びに真摯に取り組んできた成果として、今日この場に立っておられます。その努力に、心から敬意を表したいと思います。

 この奨学金は、成績という目に見える結果をもとに選考されていますが、私たちが本当に大切にしたいのは、皆さんがこれまでにどのような姿勢で学びに向き合ってきたかという「過程(プロセス)」です。読書に没頭し、疑問に立ち止まり、議論に加わり、自分の言葉で考えを組み立てていく――そうした日々の積み重ねが、今回の成果につながったのだと思います。

 もちろん、この奨学金を受け取ることは大きな励みになるでしょう。しかし、どうかこの奨学金を「目指すもの」「ゴール」とは考えないでください。学びに向かう原動力に「動機づけ(モチベーション)」というものがあります。これには大きく分けて二つの種類があり、一つは「内発的動機づけ」もう一つは「外発的動機づけ」と呼ばれています。「内発的」とは、自分の内から湧き出てくる原動力、それとは対照的に、「外発的」は自分の外にある何か、例えば、お小遣いがもらえるから、怒られたくないから、友達よりもいい成績がとりたい、大学に入りたいとか、そういったものを原動力とするモチベーションです。

 真の学びとは、誰かに褒められるためでも、お小遣いのためでも、大学に入るためでも、何かを手に入れるためでもなく、自らの興味・関心にしたがって、もっと自由で、本質的な営みであり、それはつまり、内発的な動機によってなされることが理想です。このアカデミック・スカラシップをゴールにしないで、というのは、そういった意味から言っているのです。これをゴールにしてしまうと、授与されたみなさんは学びへのモチベーションがいったん途切れることになってしまいます。

 本来、学問とは、知りたいという純粋な思いから始まります。心を動かされた一節、わからなかったことがわかったときの喜び、自分なりの考えが言葉になったときの手応え――そうした瞬間こそが、学びの真の報酬ではないでしょうか。

 この奨学金は、そのような「知への興味関心と誠実さ」をもって学び続けてきた皆さんへの、ひとつの評価であり、これからも学び続けてほしいという願いのこもったエールでもあります。

 そして、皆さんのような学生がいることは、同じ学科で学ぶ仲間たちにとっても、大きな刺激となり、学びの共同体全体を活気づける存在になります。今後も、他者と語り合い、異なる価値観に触れ、視野を広げ、自分自身の思考を磨いていってください。

 最後に、皆さん一人ひとりの学びがさらに深まり、そしてその知が、これからの社会に生かされていくことを、心から願っております。本日は、誠におめでとうございました。』

奨学生には給付対象者となったことを励みに、より一層の飛躍を期待しています。