Need Help?

News

ニュース

2025.09.04

2025年度 第2回 REC BIZ-NET 研究会『「カーボンニュートラル社会」実現のための新技術~薄膜形成技術の可能性と水素利活用社会を目指して~』を開催しました

 2025年8月27日(水)に、瀬田キャンパスRECホールにて、2025年度 第2回 REC BIZ-NET 研究会『「カーボンニュートラル社会」実現のための新技術~薄膜形成技術の可能性と水素利活用社会を目指して~』を開催しました。

 龍谷大学 龍谷エクステンションセンター(REC)では、研究シーズ発表の場として、「REC BIZ-NET研究会」を1~2ヶ月に1回程度のペースで開催しています。今回は、2024年10月から龍谷大学 先端理工学部 応用化学課程の教員として着任し活躍が期待される、ヘルナンデス ホセ 助教と清水 吉大 助教が登壇し、両教員が研究している社会的な関心が高い技術内容について講演を行いました。

 当日は、製造業・素材メーカーの大手・中小企業や、スタートアップ・ベンチャー支援関連企業、行政機関、大学などから、経営層や研究・開発職、産業政策関係者、顧問・アドバイザー職、大学教員などの方の合計35名(対面参加:12名、オンライン参加:23名)にご参加いただきました。

■講演1「現代技術における薄膜の重要性と将来の発展」
 ➤講師:龍谷大学 先端理工学部 応用化学課程 助教 ヘルナンデス ホセ


 薄膜は、現代技術の進展において、基礎技術分野および応用の両面でその役割が着実に拡大しています。特に、高い比表面積、構造特性、表面電荷、異方性、機能の可変性といった特異な性質は、コーティング技術、センシング、エネルギー貯蔵システム、触媒、オプトエレクトロニクス、バイオメディシンなどの分野において大きな影響を及ぼしています。
 本講演では、これらの分野における薄膜の影響を概観し、主要な薄膜製造手法について概説するとともに、液相析出法(Liquid Phase Deposition)での薄膜成膜の技術開発に関する研究を紹介しました。


講演中のホセ先生


ホセ先生の講演資料(一部)

 
■講演2「カーボンニュートラルに貢献する水素エネルギーと材料技術」
 ➤講師:龍谷大学 先端理工学部 応用化学課程 助教 清水 吉大


 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、温室効果ガスの排出を抑えたエネルギー転換が求められる中、水素は次世代のクリーンエネルギーとして大きな注目を集めています。特に、水素は発電時にCO₂を排出せず、再生可能エネルギーと組み合わせることで環境負荷の低いエネルギー循環が可能となります。
 本講演では、こうした水素の利活用を支える材料技術の重要性について紹介しました。また、その中でも、「つくる」「ためる」「つかう」という一連のプロセスのうち、「ためる」技術に焦点を当て、水素貯蔵材料の開発に関する研究も紹介しました。


講演中の清水先生


清水先生の講演資料(一部)

 
 講演会終了後には、対面参加の方を対象とした講師との名刺交換や情報交換の場を設け、積極的な質疑応答や意見交換が行われました。

 RECでは、引き続き「REC BIZ-NET研究会」を開催し、さまざまな分野にわたる最先端のシーズに触れていただく機会を提供することにより、会員企業の技術開発に対するモチベーションを高めるとともに、異業種・同業種混合による新事業立ち上げの可能性を探ります。また、企業や金融機関等とのネットワークを活用し、イノベーションから新たな価値創造へつなげていく所存です。