2025.09.05
研究セミナー「終活という営みから考える寺院の未来」を開催。-僧侶や寺院に期待される役割について考える-
<9月11日(木)13:00より龍谷大学大宮キャンパスとZoomにてハイブリッド開催>
【本件のポイント】
- 「終活」という営みそのものに注目し、それを過疎地寺院における伝道や護持・寺院運営の可能性を多角的に考えるための一つの視座とする研究セミナーを開催
- 臨床宗教師によるケアとお見送りの現状や、僧侶が手掛ける遺品・生前整理事業への取り組み、コミュニティにおける寺院と弔いの展望など、多様な実践活動の報告を予定
- 2024年秋以降、「過疎地における伝道」や「震災復興」などをテーマに継続して開催してきた研究セミナーの第6回目(全7回を予定)
【本件の概要】
9月11日(木)13:00〜16:20、世界仏教文化研究センター基礎研究部門「過疎地伝道実践研究プロジェクト班」(研究代表者:葛野洋明・文学部特任教授)は、研究成果を「過疎地(地方)における新たな伝道論」として広く提供することを目的に、研究セミナー「終活という営みから考える寺院の未来」を開催します。
2007年5月に厚生労働省が「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を公表して以降、「リビング・ウィル」や「エンディングノート」の作成といった、終末期医療に向けた意思を事前に表明する取り組みが広がりを見せ、「終活」という言葉は、人生の最終段階に向き合う営みとして広く社会に浸透してきました。
人生の最終段階をどのように過ごすかを検討することが身近な話題のひとつとなってきた今、各地の僧侶や寺院に期待される役割とはどのようなものでしょうか。
第6回目となる今回の研究セミナーでは、過疎地寺院における伝道や護持・寺院運営の可能性を多角的に考えるための一つの視座として、まずは「終活」という営みそのものに注目することを趣旨といたします。
本セミナーでは、臨床宗教師によるケアとお見送りの現状や、僧侶が手掛ける遺品・生前整理事業への取り組み、コミュニティにおける寺院と弔いの展望など、多様な実践活動の報告を予定しています。私たち一人ひとりの「終活」という営みの意義を見つめ直し、今後、僧侶や寺院に期待される役割について考える機会とします。
【イベントの概要】
- 名称:研究セミナー「終活という営みから考える寺院の未来」
- 日時:2025年9月11日(木)13:00〜16:20
- 会場:龍谷大学 大宮キャンパス 西黌(せいこう)2F 大会議室 ※Zoom併用
(京都市下京区七条通大宮東入大工町125-1)
- 主催:世界仏教文化研究センター(基礎研究部門「過疎地伝道実践研究プロジェクト」)
※参加無料・一般参加歓迎・申し込み不要(オンライン参加希望者は要問い合わせ)
- 問い合わせ先:rcwbc.kiso@gmail.com ※9月8日(月)17時まで受付
【プログラム・登壇者】※各所要時間は変更となる場合があります。
時刻 概要 講師・テーマ等
13:00-13:10 開会挨拶 司会より講師紹介
13:10-13:50 発表① 講題:「いのちのケアとお見送り―ある臨床宗教師の関わりを通して―」
講師:打本 弘祐 氏(龍谷大学准教授)
13:50-14:30 発表② 講題:「遺品・生前整理より繋がるお寺とのご縁」
講師:宇仁菅 真志 氏(浄土真宗本願寺派眞覺寺 住職・ピュア ホワイト代表)
14:30-14:50 休憩
14:50-15:30 発表③ 講題:「お寺の終活と、とむらいのコミュニティを考える」
講師:秋田 光彦 氏(浄土宗應典院 住職)
15:30-16:10 ディスカッション 司会者による登壇者への質疑応答
16:10-16:20 閉会挨拶 司会より総括
◎司会・ファシリテーター:遠山 信証 氏
(当センター客員研究員・浄土真宗本願寺派総合研究所研究員)
【講師プロフィール】

打本 弘祐(うちもと こうゆう)准教授(本学農学部)
専門は真宗学、社会学。浄土真宗本願寺派布教使、認定臨床宗教師としても活動。あそかビハーラクリニックビハーラ僧、慶徳会常清の里相談員、桃山学院大学兼任講師、龍谷大学文学部講師、同准教授を経て、現職。近著に、臨床宗教師・チャプレン・ビハーラ僧の実践をまとめた、森田敬史=打本弘祐=山本佳世子(編著)『宗教者は病院で何ができるのか―非信者へのケアの諸相』(勁草書房、2022年)ほか。

宇仁菅 真志(うにすが まさし)氏
浄土真宗本願寺派眞覺寺(兵庫県加古川市)住職。住職として檀家参りをしていた折に、大切なご家族を亡くされ、遺品に対してどう向き合えばいいのか悩まれていた方と出会ったことを契機に、遺品整理士の資格を取得し、「ピュア ホワイト」を創設。“お坊さんがする遺品・生前整理サービス”として、遺品・生前整理、住宅改修・リフォーム、ハウスクリーニング、終活相談、仏事全般などを手掛けている。

秋田 光彦(あきた みつひこ)氏
浄土宗大蓮寺塔頭 應典院(大阪府大阪市)住職。明治大学文学部演劇学科卒業後、情報誌や映画製作の分野で活躍。1997年に劇場型寺院・應典院を再建。以後20数年にわたって、教育や福祉など地域資源のあり方を具体的に提案・実践し、市民活動や若者の芸術活動を支援。また、人生の末期を支援するエンディングサポートをNPOと協働して取り組むなど、劇場寺院應典院を拠点として、仏教、アート、まちづくり、コミュニティケアなど、「協働」と「対話」の新しい地域教育に関わる。
研究セミナー・担当教員の取材を希望される場合は、下記問い合わせ先までご連絡ください。
問い合わせ先:龍谷大学 世界仏教文化研究センター
Tel 075-343-3458 cswbc2@ad.ryukoku.ac.jp https://rcwbc.ryukoku.ac.jp/