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2025.09.24

アスリートに新提案 滋賀の恵みを詰め込んだ高タンパク質パン ―「滋賀県版アスリートデニッシュ」試作完成 滋賀国スポ・障スポ2025で試作品を提供 ―

【本件のポイント】

  • 発酵醸造学・スポーツ栄養学・スポーツマネジメントの知見を融合し、滋賀県の特産品からアスリート向け高機能性パン「滋賀県版アスリートデニッシュ」を開発。タンパク質推奨摂取量超えの20gの設計。
  • この秋、滋賀県で開催される国スポ・障スポ会場で試作品を公開・試食提供し、来場者アンケートを通じて評価・改良を進める計画。
  • 滋賀国スポ・障スポ大会終了後は龍谷大学学内や滋賀県内での販売展開を見据え、地方創生と健康・スポーツ産業振興につなげるレガシー創出をめざす。

 

【本件の概要】
 滋賀県は「長寿県」であると同時に、古くから発酵食品文化が根付く「発酵県」として知られています。発酵醸造学・スポーツ栄養学・スポーツマネジメントという異分野を融合させた研究を進める龍谷大学 発酵醸造食品機能性研究センター(1)は、アスリートのニーズに応える発酵食品を滋賀の特産品から生み出し、地域発の機能性食品として発信していくことを目標としています。
 当センターで2024年度に実施した「運動・スポーツ実施者の食生活リテラシーと食物選択動機」に関する調査研究(2)では、運動習慣のある人ほど「健康志向」や「天然成分」などへの関心が高い傾向が見られました。そこで、研究メンバーは、数ある発酵食品の中でもパンに着目し、従来の一般的なパンには見られなかった「高タンパク質」という栄養的機能を付加。運動後のリカバリーや筋タンパク質合成を支援する栄養設計とし、トレーニング後に推奨されるタンパク質摂取量(約20g)を1食で補えるよう工夫し、さらに滋賀県の食材にこだわった試作品「滋賀県版アスリートデニッシュ」を開発しました。
 そして、この秋に滋賀県で開催される「第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会(愛称:わたSHIGA輝く国スポ・障スポ)」の会場において試食ブース出店を行います。

 

 

【滋賀国スポ・障スポ2025での出店予定】
1.    国スポ・総合開会式「おもてなSHIGAエリア」
    日時:2025年9月28日(日)11:15〜18:00
    会場:彦根総合スポーツ公園(滋賀県彦根市松原町3028)
2.    障スポ・バスケットボール・車いすバスケットボール競技会場

  「おもてなSHIGAエリア」
       日時:2025年10月25日(土)9:00〜16:00
       会場:滋賀ダイハツアリーナ(滋賀県大津市上田上中野町779)

備考:
 - 両日ともに「おもてなSHIGAエリア」内の「龍谷大学 発酵醸造食品機能性研究センタ

    ー」ブースにて出店。当日は、研究メンバーのほか、経営学部・経済学部・法学部・

    政策学部のスポーツサイエンスコース・農学部・社会学部の学生有志が試食提供や素

    材の説明、アンケートを実施予定。
 - 各日ともに提供予定数に達ししだい終了する見込み。

 

 

【「滋賀県版アスリートデニッシュ」の特徴】
滋賀県各地の魅力的な食材を組み合わせ、デニッシュ生地に練り込みました。また、アスリートや健康志向の方に向けて、見映えと機能性、おいしさを追求しました。

 

○ 赤こんにゃく(近江八幡市「乃利松食品」)…グルコマンナン(こんにゃく粉)が
  腸内環境を改善し、糖や脂質の吸収を穏やかにする働きがある。低カロリー&食
  物繊維豊富で腸内環境をサポート。
○ アドベリー(高島市「はなつむぎファーム」)… キイチゴの仲間で、大粒の果実
  が特徴。ポリフェノール・ビタミンCが豊富で抗酸化作用に優れ、紫外線や運動
  による酸化ストレスの軽減にも期待。
○ 菊水飴(長浜市「菊水飴本舗」)… 大麦麦芽とデンプンを糖化させて作る自然派
  甘味料で、江戸時代より北国街道の名産。砂糖・添加物不使用で、持久力系スポ
  ーツにも最適。
○ 純粋はちみつ「KONAN HONEY」(湖南市「チャレンジファーム」)… 2017年から
  湖南市と龍谷大学が連携して「養蜂プロジェクト」を展開、製品化した純粋はち
  みつ。抗酸化作用と疲労回復効果が期待される。ビタミンやミネラルも含み、運
  動後のリカバリーや集中力の維持に役立つ。
● 小麦由来タンパク質(兵庫県宍粟市「長田産業」)… 高配合でも硬くならず、しっ
  とり食感を実現。
・ 【デニッシュ製造】(京都市伏見区「ANDE 本社工場」)…京都生まれのデニッシュ
  食パン専門店。

 

 

<滋賀県の食材マップ>



 

 

【開発プロジェクトチーム】
・リーダー:松永敬子(副センター長、経営学部スポーツサイエンスコース 教授)
・メンバー:柿崎博美(博士研究員)、石原健吾(センター長、農学部食品栄養学科

      教授)、古本強(兼任研究員、農学部生命科学科 教授)、大⻄孝之(兼任

      研究員、社会学部総合社会学科 准教授)、経営学部・経済学部・法学部・

      政策学部のスポーツサイエンスコース学生、農学部学生、社会学部学生

 

【今後の展開】
今回のブース出店での来場者アンケートの結果をふまえ、今後は、龍谷大学学内での販売を見据え、学生でも手に取りやすい価格帯の商品化を検討中です。さらに大会終了後のレガシーを見据え、滋賀県内の道の駅などでの販売を検討するなど、地方創生や健康・スポーツ産業の振興につなげていきます。


【補足】
(1)龍谷大学 発酵醸造食品機能性研究センター
滋賀県の発酵醸造産業を支援することをめざして2021年度に開設。発酵醸造に有用な微生物の収集とデータベースの構築、およびそれらを活用した応用研究の展開を目的として研究活動を展開している。2021-2023年度は発酵醸造微生物リソース研究センターの名称で活動し、2024年度より現在の名称に改称。「微生物の有用機能を介した発酵醸造学とスポーツ栄養学の融合とマネジメントによる滋賀県域における応用展開」をテーマに、研究体制を拡充して、より学際的に研究を推進している。
https://hakko.ryukoku.ac.jp/

 

(2)「運動・スポーツ実施者の食生活リテラシーと食物選択動機」に関する調査研究:
一般の運動・スポーツ実施者の食生活リテラシーと食物選択動機の関係性を明らかにすることを目的にした調査で、2025年1月にオンラインリサーチを用いた質問紙調査を実施し、調査会社のモニター1,030名から回答を得た。運動・スポーツ実施回数から食生活リテラシーと食物選択動機への影響、および食生活リテラシーから食物選択動機への影響について構造方程式モデリングを用いて検証した結果、運動・スポーツ実施者は、その実施回数が多くなるほどより「健康」や「生理的気分」、「天然成分」、「体重管理」などの要因を意識した食物の選択をしていること、また食生活リテラシーが高まることでそれらの要因をより強く意識した食物の選択をしていることが明らかとなった。本調査研究の結果は、大⻄孝之研究員と松永敬子副センター長が2025年7月に「日本スポーツ産業学会 第34回大会」において研究報告を行った。

 


   本件の取材を希望される場合は、下記の問い合せ先までご連絡ください。

 


問い合わせ先:
龍谷大学 発酵醸造食品機能性研究センター(松永敬子副センター長)
Tel 075-645-2154 e-mail hakko-rc@ad.ryukoku.ac.jp https://hakko.ryukoku.ac.jp/