2025.10.23
ハワイの森で感じた「学び」と「つながり」 ― RISE Program学生が環境保全活動に挑戦【R-Globe】
龍谷大学の独自留学プログラムである「RISE Program in Hawaii」に参加中の学生13名は、2025年10月18日、マノア渓谷の奥に位置するリヨン植物園(Lyon Arboretum)を訪れ、熱帯の緑に囲まれた静かな森の中で、自然と地域社会、そして文化への敬意を学ぶフィールドトリップを行いました。
この取り組みは、RISE Programの授業「Social Civic Engagement(※1)」の一環として実施されたもので、学生たちが教室での学びを実践的に深める貴重な機会となりました。
活動は、ハワイの伝統的な詠唱「オリ(Oli)」から始まりました。オリは自然や土地、そして先人たちへの感謝と敬意を表す祈りであり、学生たちは現地の指導者の声に合わせながら静かに唱え、心を整えました。森の木々のざわめきと鳥の声に包まれる中で、学生たちはこの地で学ぶ意味を感じ取りながら活動に臨みました。
続いて、植物園のスタッフによる説明を受けながら、外来種や雑草の除草作業、枯れ葉や枯れ枝の除去に取り組みました。これらの作業は、植物園の生態系を守り、訪れる人々が安全に歩ける環境を整えるために欠かせないものです。学生たちは汗を流しながらも、仲間と声を掛け合い、一つひとつの作業に丁寧に向き合いました。
作業の合間には、スタッフからハワイ固有の植物や保全活動に関する説明を受ける場面もありました。なぜ特定の草を取り除く必要があるのか、在来植物を守ることが地域の文化や人々の暮らしとどう結びついているのかを学ぶことで、単なる作業にとどまらない「環境保全への参加」としての意識が深まりました。
学生たちはこの経験を通じて、自然環境の維持に関わることの大切さを学ぶとともに、地域社会と協働する意義を実感しました。また、文化的な背景を理解しながら行動することの重要性にも気づき、「Social Civic Engagement」という授業のテーマである“社会的関わり”を実践する貴重な時間となりました。
リヨン植物園での一日は、単なる自然体験ではなく、「学び」「文化」「行動」が交わる豊かな学びの場となりました。学生たちは、手を動かし、汗を流しながら、自らの学びが地域と世界にどうつながるのかを肌で感じることができました。
活動の最後には、植物園で採れたココナッツをスタッフの方が振る舞ってくださり、全員でその甘く爽やかな味を楽しみました。自然の恵みを味わいながら、この地の文化と人々の温かさを感じる、心温まるひとときとなりました。
(※1)Social Civic Engagement:地域社会の課題やニーズを理解し、現地の人々と関わりながら「社会の一員として行動する力(Community Citizenship)」を育むことを目的とした授業。