2025.10.29
【現代社会領域】基礎ゼミナールB・学外フィールドワークを実施(猪瀬クラス)
2025年10月25日(土)、龍谷大学社会学部基礎ゼミナールB猪瀬クラスでは、京都市を代表する繁華街である河原町通を中心とした現地実習を実施しました。
実習地は、学生たち一人ひとりが実習地として相応しいと思う「実習候補地」をクラスにプレゼンし、投票の結果決定した場所であり、調査課題は、関心の近い同士で組んだ班で学生たち自身が考えて設定した課題です。実習前には新聞記事データベースを活用した「まわしよみ新聞」を実施するなど事前学習に取り組みました。学生たち自身で考えて実施する現地実習となりました。
具体的な観察課題は、オーバーツーリズムで悩む地域でもあることから、ゴミのポイ捨てやマナー、立て看板の提示など観光客の行動や地域側の対応に関して着目した班が4つ、この地域に複数ある商店街に着目した班が1つ、祇園祭の歴史と現状に着目した班が1つです。
当日は、午前10時に京都駅バスセンター前に集合し、自由に移動するための「地下鉄バス一日券」と記録を取るためのメモ帳・ボールペンを配布。各班の活動を開始しました。
ある班は、高台寺や八坂神社等で観光客の行動や観光客向けに施設等が掲示している看板等の外国語表記の動向に着目して観察するというテーマを探求しました。高台寺にある人間酷似型アンドロイドを開発する大阪大学の石黒浩教授が協力して製作された「アンドロイド観音 マインダー」の法話を聞き、係員の方から、この観音が設置された経緯や訪れる人びとの様子に関するお話を簡単にではあるが伺うことができました。高台寺は、ねねと秀吉にあやかって「恋人の聖地」登録もしており、現代的な観点を取り入れながら歴史と伝統を伝えようとしていることが見て取れました。他方で、高台寺塔頭月真院の土塀に、観光客によると思われる無数の相合傘をはじめとする落書きが刻み込まれていることが観察され、観光客の行動が及ぼす影響の負の面についても、目の当たりにすることとなりました。
午後4時ごろ、各班は四条駅付近で待機していた教員に、当初の予想よりも観光客はマナーを守っていた、捨てられたゴミが少なかったなどの発見を報告し、無事に実習を終了しました。
ゼミの後半の日程では、現地で観察・確認したからこそ知りえた情報をもとに、改めて各自が文献調査を通して学びを深めるためのレポート課題を設定し、レポートを書いていく予定です。