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2025.10.30

中束 達矢氏による講演会を開催【法学部】

 大谷探検隊の成果を、龍谷大学と共同で調査・研究をしている東京国立博物館(東博)で広報を担当する中束達矢氏が10月27日、法学部の専門科目「マスコミ論Ⅱ」で講演し、広く社会におけるミュージアムの役割や研究成果の発信機能について解説しました。
 「マスコミ論Ⅱ」では、法学部の3、4回生が、さまざまな活字、映像などからコミュニケーションのあり方、実際を学んでいます。ゲスト回の前回には、担当の内田孝・非常勤講師が、2019年に世界から3000人規模で専門家が集まって議論した「ICOM(国際博物館会議)京都大会」を素材に、災害や国際紛争が多発する現在、異なる文化を持つ人たちが互いに理解を深める存在として博物館、美術館などミュージアムへの期待が高まっていることを伝え、事前に中束氏への質問提出を必須で求めました。
 講演の冒頭、中束さんは、法学部出身でありながら文学部のゼミを掛け持ちしていたという自身の学生時代を振り返り、「学芸員をはじめとする研究者一色と思われがちな東博ですが、さまざまな職種があり、日々の運営を支えています」と、職場としての東博を紹介しました。東博を始め、京都、奈良、九州、皇居三の丸尚蔵館の5博物館と奈良文化財研究所などでつくる国立文化財機構への就職の経緯、初任地となった京都国立博物館での思い出なども具体的に披露し、受講生たちは就活など身近なテーマに対し、興味深げに耳を傾けていました。
 また、一昨年に東博や国立国際美術館(大阪)などで開かれた特別展「古代メキシコ」展などを例に挙げ、海外からの展示品搬送などには特に神経を使うこと、「主催」「後援」「協力」などの言葉の意味などについても丁寧に説明し、展示会がさまざまな仕事を担うたくさんの人たちによって、はじめて成り立つことを解説したほか、日韓国交正常化60周年記念事業に関わる中、現地での展示内容や作品解説文から感じた両国関係の未来への思いも紹介しました。
 講演では、大谷探検隊による将来品をはじめ、龍谷大学が所蔵し、龍谷ミュージアムなどで展示されている資料には世界的にも注目を浴びる貴重な品々が多いことも語られ、さまざまな視点で文化とコミュニケーションを考えるよい機会になりました。