2025.11.25
2025年度【社会共生実習】後期活動共有会を実施しました
「社会共生実習」とは、社会学部全3学科が共同で運営する、社会学部の現場主義を体現とする中核となる実習科目です。本実習では、学生たちが学外のさまざまな連携機関と協働して、社会の諸問題に対する理解を現場の中で深めていくことを重視し、教員がそれぞれの専門知識やフィールド、人的ネットワークを生かしたオリジナルのプロジェクトを提供しています。社会学部の学生は所属学科を問わず希望するプロジェクトに参加できるので、学生にとっては連携機関の方々との交流だけではなく、学科を超えた学生同士の交流も体験することになります。
今年度の「社会共生実習」は以下の5つのプロジェクトが活動しています。(うち、④は前期のみ開講されているプロジェクトです。)
① 地域エンパワねっと・大津中央(以下、『エンパワPJ』と表記)
② 農福連携で地域をつなぐ―「地域で誰もがいきいきと暮らせる共生社会に向けて」(以下、『農福連携PJ』と表記)
③ お寺の可能性を引き出そう!―社会におけるお寺の役割を考える―(以下、『お寺PJ』と表記)
④ 障がいがある子どもたちの放課後支援
⑤ コミュニティの情報発信!レク龍プロジェクト(以下、『レク龍PJ』と表記)
11/14(金)に、後期開講プロジェクトの受講生が一堂に会して、本実習についての話題を共有し、プロジェクトの枠を超えて一緒に悩み助け合える仲間をつくる機会として「活動共有会」が開催され、受付では農福連携PJの実習受け入れ先で収穫された野菜を使った豚汁が振る舞われました。
はじめに、開会挨拶担当の坂本清彦先生から「今日みなさんに提供した豚汁に入っている里芋と人参は、農福連携PJの受け入れ先“おもや”の畑で収穫したものを使っています。農福連携PJは、淡々とした農作業が多いプロジェクトなので「すごい発見」はないかもしれませんが、終わった後に「こういうところは面白かったんだな」と気づくようなところがあればいいなという想いをもって活動してもらっています。農作業は大変なのでしんどいところもあると思いますが、そういう積み重ねの中で見えてくるもの、私たちはそれを社会課題とか社会問題というのかもしれないですが、それらを解決しようとするよりも、いったいどこに問題があるのか、その問題が普段気づかないところに見えてくるといいのかなと考えています。
農福連携PJの表向きの課題は「障害を持っている方々の雇用の先が少ないこと」ですが、それ以外にも実は課題がさまざまにあって、それらを活動の中で見つけてもらえたらと思っています。
他のプロジェクトでも、活動を続けていくなかで先生方や受け入れ先の方々が課題としていること以外にもみなさんが気づくことがあると思います。問題・課題と言われているものが実はどういうところから起きているのかということに思いをはせて、あるいはもう少し深堀してもらえると嬉しいです。正解を導き出すとか、解決策が見つかるということは期待していません。それよりも、いったい問題は何なのかと思いを巡らせていただければと思います。そうして「社会共生実習」の意義を皆さんで見つけてほしいと思います。」というお話をいただきました。
続いて、司会担当の猪瀬優理先生から、「名前・学科・所属プロジェクトと、各プロジェクトで今までに何をしてどういうことを得られたかを中心に現在やっていることを話し合ってください。ワークの後半には、各チームで全体へ共有したいことを報告してもらいます。苦労していること、今やっていること、課題、今後に生かせることなど、各チームで話し合って全体に共有したいことを決めてください。」と指示がありました。
受講生たちは「活動共有会」への参加が今年度2回目となります。それもあってか、自己紹介から話し合いまでとてもスムーズで、ファシリテーター役以外の学生も率先して発言していました。
また、受講生たちは、4月のスタートから現在にいたるまでの実習の中で思ったことや気づいたことを付箋に書いてKJ法を用いて出た話題をグルーピングしていき、全体共有に向けてチームで出た話題をまとめました。
話し合う中で、共感し合う声や驚いたような声、笑いが起きるチームもあり、終始にぎやかな雰囲気で進んでいきました。
全体共有では、以下のような話題が出ました。(Bチームは解体・再編成)
Aチーム:共有事項としては「悩み」をテーマとしました。たとえばイベント参加者が高齢化しているので若者に参加してもらうためにはどうすれば良いかや、イベントを企画するにあたり、メンバーそれぞれのやりたいことが違って衝突したり、モチベーションの違いからくる進捗状況の違いによる悩みなどが出ました。
Cチーム:出た話題を4つに分類しました。
「所属プロジェクトの強み・オススメ」について、レク龍PJは老若男女とレクリエーションを通して交流できること、農福連携PJは自分たちで野菜を育てるという経験ができること、エンパワPJは絵本を通して親子の居場所をつくるプロジェクトをしていて、その活動を支援してくださっている地域の方々とのつながりを感じることができること、が挙げられました。
「前期から後期の変化」について、レク龍PJはSNSの更新頻度を上げたことで「イイネ」の数が増えて広報活動が活発になったこと、農福連携PJは前期は利用者さんとのコミュニケーションに課題を感じていたが、後期は心を開いてくれて沢山コミュニケーションをとれたと感じていること、エンパワPJは後期に自分たちで企画を立ち上げることができていること、が挙げられました。
「悩み」について、レク龍PJは自分たちの活動が役に立っているのか、SNSで発信しているが見てもらえているのか、活動中に話し合う際に意見が出ず困ってしまう場面が多いといった悩み、農福連携PJは受講生の立場でどこまで介入して良いかがわからない部分があるといった悩み、エンパワPJはチラシなどの紙媒体で広報することが多く集客が難しいといった悩み、が挙げられました。
「楽しさと大変さ」について、レク龍はそもそもレクリエーションを体験できるといった楽しさがある一方で、SNSのネタ探しや活動拠点が滋賀で遠方であることが大変だということ、農福連携PJは障害の有無にかかわらずみんなで農業をすることができる楽しさがある一方で、朝が早いところや肉体労働である面が大変だということ、エンパワPJは、地域活性の内側を知ることができるといった楽しさがある一方で、LINEではなくメールなどで地域の方と連絡を取る必要があるので大変だということ、が挙げられました。
Dチーム:チームメンバーは農福連携PJ、お寺PJ、レク龍PJですが、「悩み」について、全員一致で広報の難しさが挙がりました。レク龍PJでは、情報が一部の人にしか届いておらず、レクリエーション関係者以外にも広範囲に広めたいという意見がありました。
「実習を通して良かったこと」について、価値観の変化があったことが挙がりました。お寺PJでは元々お寺に興味がなかったが実習を通して興味・親近感が沸いた、お寺の社会活動を知れたし、リアルな声を聴くことができたり普段公開されていない場所に入ることもできたといった意見がありました。
レク龍PJでは主体性が生まれて人とのつながりを増やすことができ、そのつながりの中で知らないことを教えてもらうこともあったという意見がありました。
農福連携PJでは普段関わらない方々と関わることができてよかったという意見がありました。
Eチーム:特に話題に挙がったのは「広報」についてです。どのプロジェクトもSNSをやっていますが、フォロワーが増えない、高齢者の方にしか届かない、受講生界隈でしか情報が回らないなどといった悩みが出ました。一方で、プロジェクトの垣根を越えて、SNS運営のノウハウを教えあうことができれば活性できるのではないかという意見も出ました。
「やっていて楽しいこと」について、実習を通してさまざまな人とつながれることが楽しいという意見が一致しました。
今後の展望として、プロジェクト同士で連携したいという意見が出ました。
閉会の挨拶では、古莊匡義先生から「アバウトなテーマ設定の中で、非常に円滑にグループワークをなされていて、みなさん主体的に進めておられたことがとても素晴らしかったと思います。今日の会をまとめられたこと自体がひとつの成果だったように思います。
価値観の違う方々と出会い、その方々とどう関わっていくのかを考えることはとても大切なことで、価値観の違う他者とどういう風に関係を作っていくかを考えることで、自分たちの問題・課題が見つかってくると思うので、残りの実習でも積極的にそうした他者と関わって自分たちの活動をよりよくしていただきたいと思います。」というお話がありました。
受講生たちは仲間の意見を聞き、共感し合うことで新しい学びを得るいい機会となりました。今後の活動の中で、今回の共有会で出会った仲間との連携を見ることができるのか、楽しみにしたいと思います。
ちなみに、豚汁については「里芋がとろとろで甘くておいしい」、「野菜本来の甘さが感じられた」といった感想があり、たくさんあって余るかもしれないと心配されていましたが完食・大好評でした!
社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。