2025.11.18
【現代福祉領域】基礎ゼミナールB・学外フィールドワークを実施(五十嵐クラス)
11月15日(土)に、フィールドワークを行いました。後期は好井裕明『他者を感じる社会学-差別から考える-』を輪読しています。社会(福祉)学を専門としない担当教員(=五十嵐)でも、普遍的な価値観である人権や差別の問題ならば、学生と一緒に考えていけると思い、この本を使っていますが、その拡張版として、今回のゼミ旅を企画しました。実際の社会問題を位置付けるときの役に立つだろうと、近隣府県で人権について総合的に学べる展示をしているところを担当教員がゼミでいくつか紹介し、学生たちの賛同も得て、大阪城公園の南側にある「ピースおおさか」に決めました。展示を観覧し、映画を見て、それをもとに考えたことをまとめてもらうことにしました。
もともと「ピースおおさか」は国際的な平和問題も扱っていましたが、現在は大阪空襲についての資料を中心に日本が太平洋戦争にのめり込んでいく過程と戦後復興を解説していくことに特化した施設になっています。今回は広島・長崎の原爆での惨禍についての特別展も併催されていました。
13時に入場し、最初はわいわいガヤガヤしていた学生たちが、展示を見て、すこしづつ静かになり、彼らの眼差しがすこしづつ変わっていくように思いました。爆弾の模型をみて、防空壕の体験ができるところにも潜ってみて、と、戦争での人間の扱われ方をみて、厳粛な思いになったのでしょうか。
14時から講堂にて『生きる From Nagasaki』という映画を観ました。すでにかなり高齢になられた被爆者の方々のインタビューをもとにしたドキュメンタリーでした。原爆の惨禍について、見たもの、聞いた音、嗅いだ臭い・・・生々しい証言が続きます。わずか72分の映画でしたが、被爆者の方々はどれだけ辛い思いをされてきただろうと、心が痛くなります。終映で、様々な感想を胸に学生たちが出てきました。15時半ごろゼミ旅は解散。見頃を迎えた大阪城公園の紅葉をしばらく楽しんで、心を休めてから、森ノ宮駅へと向かいました。
学生たちの受けた印象を新鮮なうちに文字化してほしいと、当日17時から11月17日(月)までの間で、戦争と人権や差別について考えてもらうレポートをmanabaで書いてもらいました。やはり、様々な思いが喚起されたようです。