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2025.11.20

「公共経営論」で、川口啓子さん(大阪健康福祉短期大学名誉教授)にご講演いただきました【経営学部】

 経営学部開講科目である「公共経営論」では、生活協同組合、特に保健医療福祉の生活協同組合の事業と運動について学んでいます。  
 11月7日、「医療福祉生協と介護」と題して、介護福祉士養成や生協運営・研究に関わってきた川口啓子さん(大阪健康福祉短期大学名誉教授)をお招きした講演がありました。  
 「わかりにくい介護保険…制度を学ぶ機会がない」「脆弱な地域社会…つながり喪失=社会的孤立」「要介護者=迷惑…未熟な人権感覚」「介護職員の不足…家族責任・自己責任から逃れられない」として今日の介護をとりまく状況を4つの領域に整理しました。  
 お話しでは超高齢社会の再認識としてさまざまなデータを概観しました。特に、2035年は85歳以上が1000万人を超えるとされていますが、85歳を超えると約半数が要介護認定を受けること、2024年には介護職員が57万人不足する厚労省の将来予測もありました。
 「介護福祉士養成校は全国の入学者が約6500人。その半数が外国人。ホームページの情報から龍谷大学の入学者は約5300人で全学生数が2万人を超えます。介護福祉士養成校に入学する学生の少なさが分るでしょう」。  
 介護をとりまく状況をどう変化させることができるでしょうか。その一方策として医療福祉生協の介護事業を概観し、医療福祉生協の事業から「フォーマル・有償」「民間・自発」「非営利・協力」という非営利組織の優位性を確認しました。そこから今日の介護をとりまく4つの領域についても、「わかりにくい介護保険…介護保険制度を育てる介護を学ぶ公的機会の創出」「脆弱な地域社会…介護事業所を拠点につながる介護=地域のインフラ」「要介護者=迷惑…人権意識をuodate・自由で独立した個人」「介護職員の不足…介護職員が育つ社会をつくる・職場づくりの担い手」と、「医療福祉生協の働きかけるケアのある社会に向けた方向が見出せるとまとめました。
 介護をとりまく現状と課題、そして医療福祉生協が担いうる役割を考える貴重な機会となりました。                          (文責:岸本貴士)