Need Help?

News

ニュース

2025.11.20

【現代福祉領域】基礎ゼミナールB・学外フィールドワークを実施(立田・山田クラス)

ごちゃまぜだからこそ生まれる「安心」と「つながり」— 山田木工所代表取締役・山田正志さんが運営する「ごちゃまぜハウス」を訪問しました —

11月20日(木)、基礎ゼミナールB(山田クラス・立田クラス)の学生たちは、京都市南区にあるシェアハウス・地域食堂「ごちゃまぜハウス」を訪問しました。運営されているのは、家具・建具の製造を行う山田木工所代表取締役の山田正志さん。山田さんは「障がいのある人や高齢の方、外国の方など、さまざまな人が集まり、お互いに支え合いながら安心して暮らし、働ける社会をつくりたい」という思いから、2024年にシェアハウスと地域食堂の運営をスタートされました。
当日は、1階の地域食堂、2階・3階の居室、そして広々としたロフト付きリビングルームまで、丁寧に案内していただきました。




◆「ごちゃまぜ」の理想と、現実にある葛藤
見学のなかで山田さんは、「理想では“ごちゃまぜで助け合う”と言いたいけれど、実際には住人同士がぶつかることもあるんですよ」と明るく笑って話してくださいました。
一方で、「周りに人がいるからこそ感じられる安心もある」とも語ります。たとえば、いつもと様子が違うと気づいて声をかける住人がいるなど、日常の小さな気遣いが安心感につながってもいるそうです。

◆シェアハウスは“地域をつなぐ場所”
地域食堂では、芋煮会などのイベントも定期的に開催されています。芋煮会は龍谷大学政策学部の卒業生を中心に運営され、11月22日には7回目を迎えるとのこと。
山田さんは「続けていると、来ている人同士に自然とコミュニティができてくる。話すようになったり、気にかけ合うようになっていく」と、地域に広がるつながりの変化を実感されていました。

◆「誰かのためにやり続けると、自分の心が幸せになる」
学生から「安心と幸せを分かち合うために大切にしていることはありますか?」と質問が出ると、山田さんは逆に「相手を思いやるって、どういうことだと思う?」と問いかけました。
学生からは「福祉を学ぶ学生と交流してみる?」「協力すること、見返りを求めないこと」などの意見が出ます。
山田さんは、「そうだね。アイスクリームの“当たり”が出たときくらいの気持ちでいられたらいいのかもしれないね」と柔らかく語り、「障がいのある子どもを育ててきた経験からも、誰かのためにやり続けることが、自分の心の幸せにもなると感じている」と話してくださいました。
また山田さんからの住民間の関係をより円滑にするにはどうしたらいいと思うかとの問いに、学生たちが自分の経験を交えて答え、そこに山田さんがさらにご意見を重ねてくださるなど、双方向的な応答がありました。

◆“暮らし方”を考える時間に
家族、仕事、地域、居場所、そして新しい暮らしの形…。
山田さんの語りには、ご自身の人生と経験が深く息づいており、学生たちが学んでいる福祉の視点と自然に重なり合う、とても豊かな時間になりました。

山田さん、温かいお話と貴重な学びの機会を本当にありがとうございました。