2025.11.05
生きた学びをハワイの大地から──学生が Kānewai でハワイ伝統農法を体験【R-Globe】
本学の学生たちはこのたび、University of Hawaiʻi at Mānoa の文化教育施設 Ka Papa Loʻi ʻo Kānewai(以下 Kānewai)を訪れ、ハワイの伝統的なカロ(タロ芋)栽培と ʻāina(大地)との関わりについて学びました。Kānewai は都市ホノルルの中で、水と土地、文化、共同体をつなぐ重要な場として機能しています。
本プログラムは「Social Civic Engagement(※1)」の授業の一環として実施されました。学生たちはまず、現地スタッフから、ハワイ文化におけるカロの歴史的・精神的価値、さらに ʻauwai(水路)と loʻi(水田)がつくる伝統的な水管理システムについて説明を受けました。小川に石を積み、流れを調整する方法や、水を loʻi に安定して届ける伝統技法について学び、ハワイの農耕文化が自然との調和の上に成り立っていることを理解しました。
続いて学生たちは loʻi に入り、成長しているカロの株元に泥を盛り、茎を支える作業を体験しました。カロは上へと伸びていく植物であるため、株の周囲に泥を重ねることで茎が倒れず、より健やかに育つよう助けることができます。この作業は、長く受け継がれてきた loʻi 管理の重要な工程です。
体験中、学生たちは泥の感触、水の冷たさ、カロの力強い姿など、五感を通してハワイの ʻāina の営みに触れました。授業で学んだ文化的背景や歴史が、現地の土や水の循環とつながり、教室では得られない“生きた学び”として立体的に理解できる機会となりました。
今回のフィールドワークは、ハワイの ʻāina と文化を尊重しながら地域とのつながりを体感する機会となり、学生たちが自然・文化・共同体の関係性をより深く理解する貴重な学びとなりました。
(※1)Social Civic Engagement:地域社会の課題やニーズを理解し、現地の人々と関わりながら「社会の一員として行動する力(Community Citizenship)」を育むことを目的とした授業。