2026.02.16
台湾で学ぶ多文化共生―国際協働ワークショップ―(国立高雄科技大学・台湾)【R-Globe】
本プログラムは、「日台大学地方連携及び社会実践連盟」(日台連盟)の加盟校であり、本学の協定校でもある国立高雄科技大学(NKUST)が主催したものです。
2月10日から1週間にわたり、台湾の高雄・屏東地域を舞台に短期留学プログラムが実施されました。本学に加え、日本からは信州大学および四国大学の学生も参加し、大学の枠を越えた活発な交流が行われました。
本プログラムは「地域課題の解決と多文化共生」をテーマに掲げており、現地の大学生との共同ワークやフィールドワークをすべて英語で行う、極めて実践的な内容となっています。参加した学生たちは、大鵬湾の豊かな自然環境を活かした地域振興の取り組みや、地元の小学校・高齢者施設での交流活動を体験しました。
これらの活動を通じて、日本と台湾が共通して抱える高齢化や教育、そして持続可能なまちづくりといった課題について、多角的に学ぶ機会となりました。現地での対話や体験を通して、学生たちが何を肌で感じ、どのような視点を得たのか。それぞれの視点から綴られた活動レポートを紹介します。
【信仰と歴史が息づく街:文化博物館・東隆宮を訪ねて】
2月10日、台湾にある文化博物館と東隆宮を訪問しました。文化博物館では、台湾の歴史や地域文化、漁業の発展について展示を通して学びました。特に、厄除けや地域の平安を願う儀式で使用される「王船(キングボート)」については、多くの知識を得ることができました。その後に訪れた東隆宮では、それぞれの信仰がどのような意味を持っているのかを学び、実際の建築様式や装飾の特徴を観察しました。さらにお祓いを体験し、台湾の参拝方法についても学ぶ貴重な機会となりました。
今回の訪問を通して、地域の文化や信仰が人々の生活と深く結びついていることを強く実感しました。博物館では、台湾特有の文化や歴史、産業の変化を学び、地域が一体となって困難を乗り越えながら発展してきた過程を理解することができました。また、東隆宮では地元の方々が大切にしている価値観や伝統を肌で感じ、文化を守り続けることの重要性について考えるきっかけになりました。
今回の台湾留学プログラム全体を通して、私は地域と人とのつながりの大切さを強く実感しました。WenfengコミュニティやRenheコミュニティでは、漁業という地域の歴史や文化を大切にしながら、観光や教育と結び付けて持続可能なまちづくりを進めていました。地域の誇りや団結の象徴を学べたことが非常に印象に残っています。
また、Datan小学校では海洋教育を通して子供たちが自分たちの地域について学んでいる姿を目にしました。読み聞かせや工作に取り組む子供たちの真剣な表情や笑顔がとても印象的で、学びが生活と結びついていることを感じました。さらに、高齢者の方々との交流活動では、世代を超えた学び合いの温かさを実感しました。言葉が通じない時も、笑顔やジェスチャーで歩み寄ることで心が通じ合う瞬間があり、とても嬉しく思いました。
この留学を通して、日本と台湾で共通する地域課題が多いことを知りました。それぞれの地域の特色を活かし前向きに取り組んでいる姿、そして何より高雄で出会ったすべての方々の温かさに感銘を受け、多くの学びや刺激をいただきました。今回の経験を糧に、今後はより広い視野で地域課題や物事を考えていきたいと思います。
(政策学部 2年生 長谷有紗)
【自然資源と観光の融合:大鵬湾フィールドワーク】
2月11日、現地調査を台湾の大鵬湾で実施しました。大鵬湾は広大なラグーンを有する観光地であり、鵬湾跨海大橋は台湾初の可動式跳ね橋として知られています。この橋は船舶の通行を可能にする独自の設計となっており、地域の発展や国際的なつながりを象徴する存在です。また、大鵬湾では国際的なイベントやフェスティバルも開催されており、地域の大きな魅力となっています。
私たちは、この大鵬湾で水上レクリエーションを行いました。ここではウィンドサーフィンやカヤック、SUPなどが体験できます。当日は2人1組でカヤックに乗り、約1時間かけて湾内を遊覧しながら、自然や地域資源について学びました。
今回の現地調査では、2人1組で協力しながらカヤックを漕ぎ、大鵬湾をゆっくりと巡りました。最初はなかなかコツを掴めず、思うように進まずにくるくると回ってしまう場面もありましたが、それも含めて貴重な体験となりました。冬の日本とは異なり、暖かく穏やかな気候の中で活動できたことも印象に残っています。終盤にはインストラクターがジェットで波を起こしてくれる演出もあり、楽しみながら活動を終えることができました。水も非常に澄んでおり、海藻を採取する参加者の姿も見られ、自然資源の豊かさを実感しました。観光資源と地域振興が結びついている点も学びとなり、地域づくりの在り方について考えるきっかけとなりました。
この台湾留学プログラム全体を通して、日台の大学生はもちろん、多くの現地の方々と関わる機会を得ることができ、日本との共通点や相違点を見つめ直す大変貴重な経験となりました。実際に現地へ足を運び、地域の方の生の声を直接聞くことの重要性を改めて実感しています。また、台湾の学生とのグループワークでは、自分一人では思いつかなかった視点や発想に触れることができ、多くの学びがありました。政策学部で学んでいくうえで、自身の視野をさらに広げることができた非常に有意義な機会となりました。
(政策学部 2年生 濱岡侑紗)
【気持ちが壁を越える:地域住民との多世代交流】
本プログラムはオールイングリッシュで進行し、事前準備から現地の議論、運営まで常に英語でのコミュニケーションが求められました。自分の語学力の不足を痛感し、思うように意見を伝えられないもどかしさを感じる場面も多くありましたが、その分「伝えたい」という気持ちが強まり、拙い英語でも積極的に発言しようと意識が変わりました。この経験は、自分の殻を破る大きなきっかけになったと感じています。
また、実際に台湾の地域を訪れ、高齢化や教育環境などの課題を自分の目で見ることで、これまで授業で学んできた内容が現実と結びつきました。特に、住民の方々と直接対話する中で、統計や資料だけでは分からない生活者の視点や感情に触れられたことは大きな学びでした。日本語を話せる高齢者の方との交流では、歴史的背景が今も記憶の中に息づいていることを実感し、国と国との関係をより身近に感じました。
さらに、言葉が十分に通じなくても、笑顔やジェスチャーを通して心は通じ合えることを体験しました。この一週間は決して楽なものではありませんでしたが、自分の視野を広げ、社会課題に対して主体的に考える姿勢を養う貴重な経験となりました。来年には社会に出る立場となりますが、ここでの経験は今後の人生においても大きな支えになると強く感じています。
(政策学部 3年生 空田沙耶伽)