Need Help?

News

ニュース

2026.03.03

国際学術交流会「モンゴルにおける文化遺産研究の現在」を開催 ― 日蒙31年の共同研究を基盤に、保存・修復とデジタル化の最前線を共有 ―

【本件のポイント】

  • 31年にわたる日蒙共同研究「ビチェース・プロジェクト」の成果と信頼関係を基盤とした国際学術交流会
  • モンゴル科学アカデミー考古学研究所と本学との学術協定締結(2025年3月)を契機に、文化遺産研究の最新成果を共有
  • モンゴル国内で風化が進む碑文や有機質遺物の保存に向け、デジタルアーカイブと複製制作による持続的保護の可能性を議論
     

 

【本件の概要】
 3月7日(土)15:00〜17:00、世界仏教文化研究センターは、古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター(DARC)と共に、国際学術交流会「モンゴルにおける文化遺産研究の現在」を本学大宮キャンパスにおいて開催します。
 本会は、2025年3月に龍谷大学とモンゴル科学アカデミー考古学研究所とが学術協定を締結したことを契機に、これまでの長年にわたる共同研究の成果を振り返るとともに、モンゴル国内で進展する考古学研究および文化遺産保存の現状と課題を共有するものです。
 現在モンゴル国内では、多数の考古資料が発見される一方で、フェルトや木材などの有機質遺物、草原に露出した碑文や墨書資料など、保存環境の課題を抱える文化遺産が少なくありません。こうした状況を踏まえ、今回は、保存・修復技術、高精度なデジタル記録の推進、複製制作による公開と保存の両立といった観点から、文化遺産を次世代へ継承するための方策を議論します。
 


2022年11月、モンゴル・カラコルム博物館前に設置され、全高4.5mの威容を誇る「勅賜興元閣碑」の
石刻レプリカ(モンゴル国では「カラコルム第一碑文」と呼称)

 

【実施概要】
-    名称:国際学術交流会「モンゴルにおける文化遺産研究の現在」
-    日時:2026年3月7日(土)15:00〜17:00(開場14:30)
-    会場:龍谷大学 大宮キャンパス 東黌(とうこう)3階 303教室(定員:100名)
    (京都市下京区七条通大宮東入大工町125-1)
-    共催:古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター(DARC)
     世界仏教文化研究センター 基礎研究部門「西域総合研究班」
-    WEB:https://darc.ryukoku.ac.jp/blog/events/m260307/ 

    ※申込不要・参加無料・一般参加歓迎

 


【プログラム・登壇者】※各所要時間は変更となる場合があります。

時刻      概要 内容
15:00-15:10 開会挨拶   

藤原 直仁

(世界仏教文化研究センター長/本学心理学部心理学科教授)

15:10-15:55 特別講演Ⅰ

講師:G. エレグゼン氏

   (モンゴル科学アカデミー考古学研究所・所長)

講題:「匈奴考古学の最新成果」

   通訳:松川節氏(大谷大学社会学部教授)

15:55-16:00 小休憩  
16:00-16:45 特別講演Ⅱ

講師:B. ツォクトバータル氏

  (モンゴル科学アカデミー考古学研究所

               ・収蔵・研究部門長)

講題:「『遺産文化のかまど』プロジェクトによる

       モンゴル仏教考古学研究の成果と展望」
   通訳:松川節氏(大谷大学社会学部教授)

16:45-17:00 閉会挨拶 三谷 真澄(DARCセンター長/本学文学部仏教学科教授)

 

 

【日蒙共同研究「ビチェース・プロジェクト」について】
 1994年に開始された「ビチェース・プロジェクト」は、モンゴル国と日本の研究者が連携し、突厥時代からモンゴル帝国時代に至る碑文資料の調査・研究を継続してきた国際共同研究です。2025年には発足31年目を迎えました。
 これまでに、モンゴル国内に残るモンゴル語、トルコ語、ペルシア語、漢語、チベット語、キタン語、アラビア語など多言語で記された約30件の碑文を発見・調査し、加えて各時代の遺跡に関する現地調査も数多く実施してきました。長年プロジェクトを牽引してきたA.オチル氏が2024年に逝去されましたが、現在もモンゴル側研究機関との協力体制のもと、共同研究は継続されています。

 

【龍谷大学の関わり】
 本プロジェクトは、龍谷大学と深い関係のもとで推進されてきました。本学文学部の村岡 倫教授は発足当初から参画し、30年にわたるモンゴル国での研究を通じ、日本とモンゴルとの共同研究、人的交流において重要な役割を果たしたことを高く評価され、2024年にモンゴル国から最高勲章の一つである「ナイラムダル(友好)勲章」を受章しました。
 近年の研究活動では、2016年に中田裕子(本学農学部・准教授)を研究代表者とする科学研究費助成事業による現地調査において、仏像の手足の一部が新たに発見されるなど重要な成果を挙げています。
 また、長年の信頼関係の蓄積を背景に、「勅賜興元閣碑」のレプリカが2022年に作製され、モンゴル・カラコルム博物館の正面に設置されました。これはカラコルム建設800周年を契機とした博物館資料保存事業の一環として、龍谷大学校友会およびDARCの支援により実現したものです。

 

【今後期待される展開】
 モンゴル国では現在、多くの文化遺産が十分な保存措置を受けないまま風化や環境変化による劣化の危機にさらされています。文化遺産を確実に後世へ継承するためには、高精度なデジタル記録や複製制作を通じた保存と公開の両立が不可欠です。
 龍谷大学は、これまで蓄積してきた文化財保存・修復およびデジタルアーカイブの知見と技術を活かし、モンゴル国をはじめとする各国研究機関と連携し、文化遺産の持続的保護と公開を通じた社会への還元に貢献することをめざします。


 本会・担当教員の取材を希望される場合は、下記問い合わせ先までご連絡ください。
 


問い合わせ先:龍谷大学 古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター(DARC)
Tel 075-645-2154 darc@ad.ryukoku.ac.jp  https://darc.ryukoku.ac.jp/