2026.03.09
【ゼミ活動紹介】経済学部 大原盛樹ゼミ①:岡山県真庭市の林業・木材産業視察【経済学部】
岡山県真庭市太田市長と
経済学部の多くのゼミ(演習I/II)が、学内外で特色ある活動を行っています。その一例として、国際経済学科の大原 盛樹 教授(演習テーマ:アジア比較経済論)のゼミの2025年度の活動を4回に分けて紹介します。
大原ゼミでは「新興国の成長を日本に取り込む!」という共通テーマの下、学生が設定した課題について研究を行っています。2025年度のテーマは「CLTの輸出で日本の森と林業の再興を目指す」でした。「海外市場で稼げる日本の一次産品」としてCLT(Cross Laminated Chamber直行集成材)に注目し、日本の林業の再興策と海外市場の獲得方法を探りました。その最初のステップとして、2025年7月に大原ゼミ2、3年生とPBL(Project-based Learning)を学ぶ大学院生の計14名が岡山県真庭市を訪れ、産地の林業改革を進める真庭市役所と日本最大のCLTメーカーである銘建工業株式会社の取り組みを学びました。
CLTは繊維が直行するように木板を重ね合わせ、強度を増した木質建材です。CLTを使うことで20階建て程度の中高層ビルを木材だけで建てられるようになり、欧州ではコンクリートを代替する建材として広く使用されています。日本政府もCLTの普及を促しています。真庭ではまず蒜山山麓の森林を散策し、あわせて未来的なCLTを使った建築群を見学しました。
翌日は銘建工業を訪問し、最新のCLTの量産工場および地元の製材工場から出る端材を使ったバイオマス発電の現場を見学しました。中島社長にお話しいただき、同社の投資、技術開発、販売の重点、そして海外市場戦略と価格等の国際競争力について理解を深めました。次いで真庭市の太田市長および同市の林業担当者にお話いただき、産地の改革の全体像について聞き取りを行いました。インフラ整備や小規模地主の所有権改革など、産地全体で「木を使い切る」様々な改革施策について学びました。
フィールド調査の目的の一つは、現地で現実を体感し、現場の人々と解決すべき課題を共有することです。真庭市は、森林資源管理と林業改革の点で、日本で比較的進んでいる地域です。しかしそれでも山々に蓄積された未利用木材を活用し、地域の豊かさを実現する体制は十分ではありません。私たちの関心に従えば、その鍵の一つが木材の海外市場の開拓にあり、台湾市場が焦点の一つでありそうだ―そのことを理解して、京都に帰りました。収穫の大きなフィールド調査でした。
真庭の森林