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2026.05.14

お寺と福祉をつなぐ活動―一念寺を訪問しました【社会共生実習】

 社会学部の「社会共生実習(お寺の可能性を引き出そう!―社会におけるお寺の役割を考える―」)」(担当教員:猪瀬優理教授)では、お寺の社会活動に参加しながら、地域におけるお寺の役割と可能性を考えます。

 4月25日(土)、受講生たちは、門前町にある一念寺を訪問する前、10時からの回の「お西さんを知ろう!」に参加させていただきました。
 本願寺では、「お西さんを知ろう!」と題した境内ツアーが毎日4回にわたり開催されています。“お西のお坊さん”がガイドを務めてくださり、それぞれの視点で本願寺の境内を案内してくださっています。
 お茶所内で阿弥陀堂、御影(ごえい)堂について説明を受けた後、境内へ。樹齢約400年を数える銀杏の木の前で、全部で24種類ある「024(おにし)カード」を受け取りました。


御影堂


本願寺のイチョウ


024(おにし)カード


ガイドしてくださった僧侶

 「逆さ銀杏」と呼ばれる大木を囲む瓦は、立て替える前のお堂の屋根に使われていたものなのだそうです。この瓦を通して「見えているようで見えてない。足元の自分」を見ることの大切さを教えていただきました。
 また、阿弥陀堂と御影堂をつなぐ渡り廊下につり下げられている菱灯籠(ひしどうろう)には下からのぞくと龍がおります。龍は水をつかさどる想像上の生き物ですが、この龍のひげは阿弥陀様のあたたかい慈悲が水のように降り注いでいることを示しているのだそうです。


菱灯籠

 御影堂、阿弥陀堂と興味を惹かれるご説明、ご案内をいただきながら、随所に浄土真宗の教えも伝えていただける意義深い時間となりました。
案内終了後、案内してくださった僧侶に龍谷大学社会学部の実習生であることをお伝えしますと、お寺には、修行寺、祈願寺、観光寺、仏様の教えを伝え聞かせる寺の4種類があり、西本願寺は4つ目のお寺であると教えていただきました。このことから、どなたでも来やすい開かれたお寺を作るために、「お西さんを知ろう!」を無料で開いておられるのだそうです。

 お寺の役割についての学びを得た後、西本願寺門前町にある一念寺へ。
 ご住職の谷治暁雲(たにじぎょううん)さんがあたたかく迎えてくださいました。谷治さんは、龍谷大学社会学部社会福祉学科の卒業生です。今年度の受講生たちは全員現代福祉学科の学生であることから、大先輩のお話を興味深くうかがうことになりました。
 谷治さんはお寺のご出身ではありませんが、龍谷大学の学生だったことをご縁に仏教を学び、僧侶になられた方です。他方で、小学生のころから福祉を志しておられた方でもあります。


谷治暁雲さん

 入寺されたあと様々なご苦労をされながら大学院で博士号を取得されるなど浄土真宗の教えを学問的にも追求しながら、一念寺という場を活かして、町づくりや子どもの居場所づくり、保護猫・犬の支援など、さまざまな活動をされておられます。ご活動の場であるお寺の他のお部屋も見させていただきました。



 谷治さんのご活動やお考えについては、2024年度の受講生たちがnote記事に詳しく記していますので、よろしければ読んでみてください。
お坊さんにインタビューしてみた ~京都・一念寺~(note, 2024.12.13, 2024年度受講生執筆)
「一念寺」の多彩な役割:観光、地域貢献、住職さんにとって理想のお寺とは?(note, 2026.01.26, 2025年度受講生執筆)

 社会福祉学を学ぶ2026年度の受講生たちは、多くのご活動の中でも、特に、認定NPO法人 京都自死・自殺相談センターSottoが実施している「おでんの会」や「そっとたいむ」に関心を持ったようです。
 谷治さんのお話では、一念寺で様々な活動を行うときに、龍谷大学社会学部で学んだ福祉がとても役に立っていると繰り返し伝えてくださったことが印象的でした。

 一つは、一人ひとりの力には限りがあるが、「コミュニティオーガニゼーション」という概念を龍谷大学で学んだことで、地域の人びとと力を合わせて活動する、集団の作り方を知ることができたと教えてくださいました(この点は、2025年の受講生が書いたnote記事にも書かれています)。
 もう一つは、「地域福祉論」で学んだ「地域ニーズを把握することの重要性」です。お寺を取り巻く地域社会においても同様にニーズがあり、それは変化していきます。谷治さんのお話からは、一念寺で取り組まれている様々なご活動の根本に、人びとのニーズに応えていくという姿勢があることが分かりました。また、それは受講生たちが日々社会学部で学んでいる福祉にもつながっていること、そして、「仏様の教えを伝え聞かせる」ことに、これらのご活動がつながっていることを学ばせていただきました。

 本プロジェクトでは、いくつかの寺院を訪問させていただいたのち、受講生たち自身が地域におけるお寺の役割と可能性を探り、課題解決に向けてさまざまなアプローチをおこないます。今年度の受講生たちがどのようなアプローチを見出すのか楽しみにしたいと思います。

社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。