2026.05.14
コンサルタントの松田真一氏(野村総合研究所)にご講演いただきました【経営学部】
「株式会社論」(経営学科)・「企業システム論」(商学科)では5月12日、野村総合研究所・コンサルティング事業本部・経営コンサルティング部のチーフコンサルタントである松田真一氏にご講演いただきました。松田氏には『経営継承の鎖』日本経済新聞出版社、2018年のご著書があります。この著書をご縁にして、科目担当者は、学部や大学院の授業にもお越しいただいています。
今回のご講演では、「企業における経営陣開発®」をテーマに、実際のコンサルタント業務で得た知見やご研究についてお話ししてくださいました。ここで「経営陣(Leadership)」は、(ただの)経営層と異なっています。また、経営陣開発(Leadership Development)は登録商標とされています。
松田氏が経営陣についての関心を持たれたのは、著書で明らかにされている「歴代成長企業」と盛衰を繰り返す企業の違いを踏まえてのことです。それは、社長が代わっても成長し続ける歴代成長企業には、「経営陣維持の慣習」があるということです。
テーマにある経営陣をどのようにつくりあげていくか、小売業(百貨店)や石油業の会社の事例も紹介しながら解説してくださいました。最近では、次世代の経営チーム育成についても取り組まれていることも紹介されました。
講演の最後に、AI時代の企業の分岐点についてお話しされました。それは、DystopiaとUtopiaに二極化するということです。AIと企業文化は相互に影響、強化しあうであろうということ、そのため、企業との健全な共存には、企業の対話文化が不可欠とされました。
大企業のトップマネジメントについては講義のなかで取り上げることはありますが、その実際については十分な知識を持ち合わせていません。お話しの内容は、学生たちにとって初めて接する内容でしたが、質問を出され貴重な機会となりました。質問に答えて、これからのキャリア形成に関するアドバイスもいただきました。
以下に、受講生の感想を紹介します。
全体を通して、企業が長く成長していくためには、社長一人の考えだけで経営するのではなく、経営陣全体で支え合う「チーム経営」が大切なのだと感じた。特に、会社の規模が大きくなるほど、社長だけに頼る体制では限界があり、他の役員が受け身になってしまうという話が印象に残った。そのため、次の世代の経営者を育てたり、役員同士で価値観を共有したりすることが重要なのだと理解した。
また、AI時代には企業文化そのものがAIの使われ方にも影響するという話も興味深かった。技術を導入するだけでなく、普段から対話を大切にする組織文化を築くことが、これからますます重要になると感じた。
今回の講演を通して、これからの企業経営では、社長一人の考えだけでなく、経営陣全体が対話を重ね、同じ方向を向くことが大切だと感じました。特に「ワンボイス」より「マルチボイス」の方が社員の心に響くという話が印象に残りました。AI時代だからこそ、人間同士の信頼や主体性、対話文化が重要になると思いました。
松田氏には次の時間に開講された、「ものづくりの現場」の事前学習では、ご専門の「チームビルディング」を体験する機会を設けていただきました。1コマ(90分)の間に「チーム」としての結束を強めることができました。また、午後からは演習で、3回生、4回生を対象に、ご自身の経験を踏まえてキャリア形成についての懇談の機会を設けていただきました。 (文責:細川 孝)