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2026.05.20

「地域産業活性化プロジェクトⅠ」にて京都迎賓館のフィールドワークを実施【経済学部】

 5月12日、経済学部の専門科目「地域産業活性化プロジェクトⅠ(京の老舗と不易流行)」(担当:辻田素子教授)において、京都迎賓館を訪問しました。

 本授業では、老舗企業を、時代ごとに判断を積み重ねてきた存在として捉え、長年培われた技術や価値観、地域社会とのつながりが、企業の存続と新たな価値の創出にどのように結びついているのかを学んでいます。2026年度は、京都を代表する繊維メーカーである株式会社川島織物セルコンの協力を得て、同社が築いてきた価値創造の仕組みを考察しています。

 京都迎賓館は、世界各国の賓客を迎えるための施設であり、建築、庭園、室内装飾、調度品に至るまで、日本の伝統技術が随所に生かされています。学生たちはガイドツアーに参加し、館内の部屋や調度品、そこに込められた技と意匠について理解を深めました。

 見学の中心となったのが、京都迎賓館で最も大きな部屋「藤の間」です。藤の間は、晩餐会や歓迎式典などに使用される迎賓館の中心的な空間で、正面には川島織物セルコンが制作した壁面装飾「麗花(れいか)」が飾られています。
 「麗花」は、日本画家・鹿見喜陌(しかみ きよみち)氏の下絵をもとに、綴れ織の技法で制作された幅16.6メートルの大作です。「歓迎」の花言葉をもつ藤を中心に、39種類の草花が表現されています。また、床に敷かれた緞通も同社が手がけており、壁面の藤の花が舞い散る意匠となっています。藤の間には舞台も設けられており、舞台扉には、人間国宝である故・江里佐代子氏による截金の装飾が施されています。

 学生たちは、川島織物セルコンによる織物の仕事に加え、截金、指物、漆、京縫といった多様な工芸の意匠にふれ、技と美意識が現代の迎賓空間を支えていることを実感しました。長年培われてきたものづくりが、公共的な場でどのように生かされているのかを考える機会となりました。
 
 今後は、川島織物セルコンの会長から企業経営に関するお話をうかがうほか、社員の方々へのインタビュー、取引先訪問などを予定しています。学生たちは、見学や聞き取りを通じて得た情報や、自分たちが観察し気づいたことを整理し、後期の「地域産業活性化プロジェクトⅡ・Ⅲ」へと展開していきます。最終的には、一連の成果を一冊の書籍としてまとめる予定です。