2026.06.08
金ゼミが「魚のゆりかご水田(滋賀県野洲市)」での体験活動を実施【政策学部】(1)
2026年5月24日、金ゼミは滋賀県野洲市須原地区を訪れ、滋賀県が推進する「魚のゆりかご水田」にて農業体験を行うとともに、世界農業遺産である「琵琶湖システム」について学ぶ地域学習を実施しました。
滋賀県が推進している「魚のゆりかご水田」とは、琵琶湖と水田を魚道でつなぎ、フナやコイなどの魚が田んぼで産卵や成長できる環境を整える取り組みです。かつては多くの魚が水田を利用していましたが、農地整備により遡上することが難しくなったため、その環境を再生することを目的としています。この取り組みは、琵琶湖の生態系保全だけでなく、環境に配慮した農業の推進や地域住民の環境意識向上にもつながっています。
「世界農業遺産琵琶湖システム」とは、琵琶湖とその周辺地域で長年受け継がれてきた、自然と共生する農林水産業の仕組みのことです。森林・農地・河川・琵琶湖がつながる循環によって豊かな生態系が維持され、漁業や農業が発展してきた点が評価され、2018年に国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産に認定されました。環境保全と地域の暮らしを両立する持続可能な取り組みとして注目されています。
【魚のゆりかごの生命】
須原地区での活動当日、午前中に魚のゆりかごとして機能する無農薬水田で、雑草の引き抜き作業を体験しました。裸足で田んぼに入ると沈み、稲を踏まないように慎重に雑草を引き抜きました。周囲からはカエルの鳴き声や、アメンボの姿が見られ、水田が多様な生き物と共にあることを実感しました。
これらの生き物がこの水田で生育出来るのは、無農薬で水質が保たれているからこそです。水質が維持されていることで魚たちが琵琶湖に帰るまでここで成長することができるのです。こうした環境ではぐくまれたお米は、ブランド米「魚のゆりかご水田米」として販売されています。
今回の体験を通して、昔ながらの農法を現代に受け継ぎ、生命があふれる「魚のゆりかご水田」として再生させている取り組みに深く感動しました。新しいものばかりを求めるのではなく、過去の良いものを新しい形で生かす大切さを学びました。
【水田・水路での生物観察】
琵琶湖システムについて学ぶ一環として、水田と水路で稚魚の観察を行いました。実際に田んぼの中を調査してみると、ナマズやコイ、フナ、ドジョウなどの稚魚を観察することができ、水田が魚たちにとって重要な生育環境になっていることを実感しました。
普段は水田を農業の場として捉えることが多いですが、今回の体験を通して、生き物たちの暮らしを支える役割も担っていることを知ることができました。
また、シマヘビやアマガエルなどの生物も見つけることができ、水田周辺には多様な生き物が共存していることを肌で感じました。講義で学んだ内容を実際のフィールドで確認できたことで、琵琶湖システムが自然環境の保全や生物多様性の維持に大きく貢献していることへの理解が深まりました。
今回の観察を通して、人の暮らしや農業と自然環境が密接に関わっていることを学び、地域の自然を守り続けることの大切さを改めて考える貴重な機会となりました。