2026.06.08
国際学部長・清水耕介教授の関係性論に関する共著論文が国際学術誌に掲載【研究・社会実装推進部/国際学部】
国際関係学における関係性論の可能性を探求
この度、国際学部長の清水耕介教授(本学関係学研究センター長)の国際共著論文がInternational Studies Review誌(SSCI: Journal Citation Factor Q1・国際関係学)に掲載されました。同誌は国際関係学の革新的なアプローチに関する研究を扱う主要な査読付き国際学術誌です。
“Relational Voices in International Studies: Rethinking Theory and Method Through Relationality”と題した本論文はアメリカ、中国、台湾、オーストラリアの最先端の研究者とともに、現在、国際関係学で注目を集めている関係性論(Relational Theory)についてさまざまな角度から議論するフォーラム論文として掲載されました。
・本論文は、国際関係理論の中でこれまで当たり前とみられてきた主体の独立性・自律性を批判的に分析するものである。
・独立的・自律的主体像が西洋中心主義と密接な関係にあることを指摘。そこでは西洋哲学・思想に埋め込まれた合理的な主体像が現代の国際関係理論に大きな影響を与えてきたことを批判する。
・こうした西洋的な主体像に対して、本論文はさまざまな関係によって形作られる主体を措定した理論・方法論の可能性を模索する。
・その上で、主体の行動は合理的で予測可能なものではなく、偶然性や突発性など多くの要素によって決定されることを議論する。
研究の革新性
本研究の革新的な点は、関係性に焦点を当てたことにあります。これまでの国際関係学は、西洋中心主義の影響を強く受けてきました。その一つが国際関係の主体のイメージです。そこでの主体は独立的で自律的な存在であり、各主体が与えられた環境の中で合理的な計算を行い、行動すると考えられてきました。しかし、現代の国際関係を見ていくと、合理的とは言えないような事例が多く見られます。ウクライナでの紛争やガザで起きている惨劇、アメリカによるベネズエラ大統領の拘束・連行、さらには最近のアメリカとイスラエルによるイランへの攻撃とその応酬などがその例と言えるでしょう。
本論文は、さまざまな関係性(その中には予測できるものもあれば偶然なものも考えられます)がどのように主体の行動パターンに影響を与えるのか、それはなぜなのか、という点から国際関係を捉え直すことを試みています。
雑誌名: International Studies Review(オックスフォード大学出版局 発行)
タイトル:Relational Voices in International Studies: Rethinking Theory and Method Through Relationality
著者:Garrett FitzGerald, Kosuke Shimizu, Chih-yu Shih, Chiung-chiu Huang, Morgan Brigg, Martin Weber, Mary Graham, David L Blaney
DOI:https://doi.org/10.1093/isr/viaf036
オンライン掲載:2026年6月2日
研究資金:
・国際社会文化研究所、世界仏教文化研究センター、関係学研究センター