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2026.06.26

冤罪を通して人間や社会を読み解く ―事件の当事者・研究者・弁護士・報道記者が ゲスト登壇する「甲山冤罪学」公開授業を開催― 

 

【本件のポイント】 

  • 龍谷大学文学部・札埜研究室は、「甲山事件」を題材に人権・司法・教育・メディア等についてゼミ形式で考える「甲山冤罪学」を2025年度より開講。 
  • 冤罪被害者の山田悦子氏をはじめ、研究者や弁護士、報道記者を招き、多角的な視点から冤罪問題を学ぶ。 
  • 本学図書館が所蔵する「甲山事件」の訴訟記録も活用し、「冤罪リテラシー」と「人権を法の観点から捉える力」の涵養をめざす。  

 

【本件の概要】 

 龍谷大学文学部・札埜研究室は、「教育学特殊講義」の一つとして「甲山冤罪学」を、2025年度より本学文学部3~4年次生を対象に開講しています。本講義は、1974年に兵庫県西宮市で発生した「甲山事件」を題材に、冤罪の発生メカニズムや刑事司法の課題、報道のあり方、人権教育の意義などについて、多角的に考察するゼミ形式の授業です。担当の札埜和男教授(本学文学部)は、冤罪を単に司法上の課題として捉えるのではなく、社会の構造や人間の認識のあり方を問い直す研究・教育実践として位置づけています。 
 本講義では、事件の当事者である山田悦子氏をはじめ、供述分析の専門家である浜田寿美男・奈良女子大学名誉教授、甲山弁護団の一人である原田紀敏・元弁護士、関西テレビの報道記者としてドキュメンタリー番組「冤罪・甲山事件 山田悦子 半世紀の闘い」を制作した上田大輔氏(6月15日招聘済み)など、多様な立場のゲストを招いて学びを深めています。 
 山田氏は、自身の経験を通して培われた力を「冤罪リテラシー」と呼んでいます。本講義では、冤罪をめぐる諸問題を学ぶことを通じて、社会に存在するさまざまな課題を読み解く力を養うとともに、人権を法の観点から捉えます。そして、法教育や広く学校教育の面から事件をどのように教材化できるか、という観点からも検討することを目標としています。 
 本講義の最終回となる7月27日(月)には山田悦子氏をゲストに迎え、公開形式で実施します。事件から半世紀を経た今も語り継がれる山田氏の経験と、その中で見出した希望や学びについて、学生や参加者に向けて語っていただく予定です。 

 

※メディア関係者および本学関係者に限定し、7月に実施する公開講義の参加者を募集します。 

 

【「甲山冤罪学」公開講義の概要】 

- 日 程①:2026年7月6日(月)  15:15~16:45 

                         ゲスト:浜田寿美男氏(奈良女子大学名誉教授) 

- 日 程②:2026年7月13日(月)15:15~16:45 

                         ゲスト:原田紀敏氏(甲山事件弁護団弁護士) 

- 日 程③:2026年7月27日(月)15:15~16:45 

                         ゲスト:山田悦子氏(甲山事件冤罪者) 

- 場         所:龍谷大学 大宮キャンパス 東黌202教室 

- 募集定員:各回10名 

  参加希望者は、札埜研究室宛にメールにて申込ください。

 

【冤罪・甲山事件と訴訟記録について】

 1974年に兵庫県西宮市の知的障害児施設「甲山学園」で発生した園児死亡事件をめぐり、当時保母として勤務していた山田悦子氏が殺人容疑で逮捕・起訴されました。事件発生から25年を経て無罪が確定するまでの過程では、強引な取調べや自白偏重の捜査、報道の影響などが問題となり、日本の刑事司法史を考えるうえで重要な事例の一つとなっています。 
 現在、同事件の訴訟記録は「龍谷大学図書館」に所蔵されており、本講義にも活用しています。これらの資料は、事件の経緯や社会的背景を理解するための貴重な一次資料でもあります。 (写真:本学深草図書館 閲覧・学習エリア) 


 

【プロフィール】 

ゲスト①:浜田寿美男(はまだ・すみお)氏(奈良女子大学名誉教授) 
香川県生まれ。1976年京都大学大学院文学研究科 博士課程単位取得後退学。花園大学助教授、同教授、奈良女子大学教授を歴任。専門は、発達心理学、法心理学、供述分析。冤罪事件における自白や証言に至る心理に関心を寄せ、甲山事件や袴田事件、名張毒ぶどう酒事件などの供述鑑定に携わる。近著に『「自白」はつくられる』(ミネルヴァ書房 2017)、『虚偽自白を読み解く』(岩波新書 2018)、『袴田事件の謎』(岩波書店 2020)などがある。 

 

ゲスト②:原田紀敏(はらだ・のりとし)氏(元弁護士) 
元弁護士。兵庫県弁護士会阪神支部に所属。控訴審の大阪高裁で逆転差戻しとなった差し戻し審から高野嘉雄弁護士に誘われ、第二次逮捕以降の221人の甲山大弁護団のメンバーに加わる。 

 

ゲスト③:山田悦子(やまだ・えつこ)氏(甲山事件冤罪者) 
富山県生まれ。1974年3月兵庫県西宮市の知的障害者施設・甲山学園で園児二人が死亡したいわゆる「甲山事件」の冤罪被害者。一人は事故死とされたがもう一人の園児については殺害されたとして当時、保母として当直をしていた山田さんが殺人容疑で逮捕された。事件発生から25年を経過し、1999年9月に大阪高裁で三度目の無罪判決で漸く山田さんの無罪が確定した。事件の訴訟を担当した上野 勝弁護士との共著書『甲山事件 えん罪のつくられ方』(現代人文社 2008)は、事件の裁判経過と冤罪の原因を解説し、冤罪との向き合い方を考える一冊。 

 

主催者:札埜 和男(ふだの・かずお)教授(本学文学部教授) 
大阪府生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。博士(文学・大阪大学)。現場での教員生活31年(中学校2年・高校29年)。そのうち担任20回、最初の3年間は社会科教員(国語・社会・英語の中高免許状所有)。2017年度から岡山理科大学教育学部准教授として赴任し、2022年度から龍谷大学文学部哲学科(教育学専攻)に着任。専門は、国語科教育(法教育・方言学)。山田悦子さんとの出会いを契機として、模擬裁判などの法教育における冤罪の教材化、取り調べにおける方言と自白や冤罪との関わりについて研究を行っている。

 

【公開講義に関する問い合わせ・お申込み】 

龍谷大学文学部 札埜研究室 宛 

TEL 075-343-3326(研究室直通) E-mail fudafuda@let.ryukoku.ac.jp

 


問い合わせ先:龍谷大学 研究・社会実装推進部(深草)
Tel 075-645-7922 jim-fukaken@ad.ryukoku.ac.jp https://www.ryukoku.ac.jp/research-innovation/