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2018.06.06

新任教員の紹介 (9) (文学部歴史学科東洋史学専攻 冨谷 至 教授)【文学部】

2018年4月に文学部に新たに着任した教員を紹介します。

 文学部歴史学科東洋史学専攻
  冨谷 至(とみや いたる)教授

① 研究内容を教えてください。
 東洋法制史という分野です。具体的には、東アジアの法律・刑罰・犯罪の歴史を研究することで、成文法の成立と内容、刑罰の種類、執行方法と目的、どのような行為が犯罪と認定されてきたのかという問題です。例えば、犯罪を例に取ると、今日では賄賂は犯罪です。しかし、ある時期、ある地域では、それは礼物(贈り物)として扱われてきました。なぜ、お礼を渡すことが罪となっていったのか、それは統治者の意識、社会の通念が変わってきたからともいえますが、それを考えることは、歴史を考えることなのです。

② 専門分野のおもしろさは何ですか。
 法律、刑罰、犯罪の歴史は、人間の行動、考え方、人間の中にある善悪の意識の分析に格好の材料を提供してくれます。人間とはどういった動物か、善悪とは、正義とは何かを考察することは、現代社会がかかえる問題にもつながり、そこに、おもしろさというより、醍醐味があると思います。

③ なぜその分野を専門として選ばれましたか。
 私が大学(京大)に入学したときには、京都学派の伝統を引き継ぐ中国文学が全盛を誇っていました。わたしも中国文学をめざして入学したのですが、やがて文学的センスのないことに気づき、より現実的な歴史学に変更したのです。なかでも制度、法制という、ことがらがはっきりとする白黒をつけやすい分野のほうが自分には合っていると思いました。

龍谷大学研究者データベース(冨谷 至)