2026.07.17
龍谷大学×日本GXグループ 世界的にも類例の少ない学生参加型・地域共創型の環境価値創出・オフセット実装モデルを構築
環境サステナビリティ学部が設計などに関わり、2万人規模の大学経済圏を活性化させ、地域の脱炭素化や自然資本の保全、GX人材育成への貢献を実証
【本件のポイント】
- 個人の環境活動は効果測定や評価、活動の継続性に課題があり、個人の善意に依存している。企業などの環境活動もまた、生活者に届きづらく、企業への共感といった経済価値に繋がりづらい課題がある。
- 龍谷大学と日本GXグループ株式会社が、個人の環境活動と企業のGX投資を結び付ける「生活者・地域・企業が一体となったエコアクション」の新たなモデルケースを構築。2027年4月の実装を目指す。
- 学生の日常的なエコアクションによる地域の脱炭素化や自然資本保全への貢献を、ソーシャルクレジット※1として可視化し報酬を付与することで、学生の行動変容と大学内GX経済圏の活性化を促進。
- エコアクションに紐づく環境価値はJクレジット※2に付与して取引可能。企業はこのJクレジットの購入により、カーボン・オフセット(CO2排出量相殺)に加え、GX人材育成や地域課題解決に貢献できる。
【本事業の概念図】
【本件の概要】
龍谷大学(以下、本学)は、日本GXグループ株式会社(以下、日本GXグループ)と連携し、地域の脱炭素化、自然資本の保全・活用、一次産業の活性化および次世代GX人材育成を目的とした「ローカルグリーントランジション(地域GX)」の取り組みを開始します。
個人が行う環境活動は効果測定や評価、活動の継続性に課題があり、個人の善意に依存している状況です。また、企業や団体の環境活動も、生活者や社会に届きづらく、企業への共感といった経済価値に繋がりづらい課題を抱えています。本取り組みで構築するモデルは、2027年4月に開設予定の環境サステナビリティ学部※3における実践型教育と、日本GXグループが有するカーボンクレジット・環境価値取引およびGX-DX開発の知見を組み合わせた「学生・大学・企業・自治体・地域住民が参加できる地域GX」の実証基盤です。
このモデルでは、学生の日常的なエコアクションを専用アプリにより可視化し、活動内容※4に応じてソーシャルクレジットを付与します。学生一人が1年間継続して活動することで約1万ソーシャルクレジット(約1Jクレジット相当)を創出できる設計を想定しています。特に環境サステナビリティ学部では、PBL(課題解決型学習)を通じて学生自らがエコアクションを設計・実践・評価し、その社会的・環境的効果を測定することで、地域GXを担う人材育成を進めます。一方、日本GXグループは、保有する特許技術「Jクレジット取引仲介装置、および、取引仲介方法※5」を活用し、学生の活動によって創出された環境価値を定量化します。
<専用アプリの画面イメージ(左からTOPページ、活動一覧、活動内容詳細)>
本学は2022年に「カーボンニュートラル宣言※6」を発出し、2039年までのゼロカーボンユニバーシティ実現を掲げています。2023年には全キャンパスで再生可能エネルギー100%の電力を導入し、2025年には都市ガス由来CO₂排出量の約50%をカーボン・オフセットしました。本事業を通じ、学生との共創によるゼロカーボンユニバーシティの実現をさらに推進していきます。
【本事業に関する記者レクチャーの様子】
7月16日(木)、龍谷大学深草キャンパスにて本件に関する記者レクチャーを実施しました。
【出席者コメント】
細目 圭佑 氏(日本GXグループ株式会社 共同CEO)
GXを社会全体へ広げていくためには、企業だけでなく、生活者や地域が主体となる新たな仕組みが必要です。龍谷大学との連携により、学生一人ひとりの環境行動を可視化し、社会的な価値へとつなげるモデルの実証に挑戦できることを大変意義深く感じています。
本事業を通じて、教育とGX、地域活性化を結び付ける新たな価値を創出し、将来的には全国の大学や自治体へも展開可能なモデルへ育てていきたいと考えています。
深尾 昌峰(龍谷大学 副学長)
気候変動をはじめとする社会課題の解決には、技術や制度だけでなく、一人ひとりの行動変容を社会全体へ広げていく仕組みが重要です。
本事業は、学生の日常的なエコアクションを「学び」と「環境価値」につなげ、大学・企業・地域がともに価値を創り出す新しい挑戦です。龍谷大学がこれまで進めてきたサステナビリティの取り組みをさらに発展させ、学生との共創によるゼロカーボンユニバーシティの実現と、地域社会の持続可能な未来に貢献していきたいと考えています。
岸本 直之(龍谷大学 副学長・環境サステナビリティ学部長就任予定)
環境サステナビリティ学部では、環境問題を「学ぶ」だけではなく、実社会の中で課題を発見し、多様な主体と協働しながら解決策を生み出す実践的な教育を重視しています。
本事業は、その理念を具体化する教育フィールドとなるものです。学生が地域や企業とともにエコアクションを設計・実践・検証するプロセスそのものが学びとなり、教育・研究・社会実装が循環する新しいGX人材育成モデルとして発展させていきたいと考えています。
※1:ソーシャルクレジット
個人の日常的なエコアクションをg/kg-CO2単位で可視化・活用する仕組みです。環境省が定める約200種類のエコアクション(マイボトル利用、節電、中古品購入、農地保全など)の行動に対して、本クレジットを報酬として還元し、学生や生活者が日常の中でも脱炭素をはじめとしたソーシャルグッドな活動へ参加しやすい仕組みとなります。
(環境省ドキュメント)https://www.env.go.jp/content/000078144.pdf
※2:Jクレジット
省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。本制度により創出されたクレジットは、経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用可能。
1Jクレジットは1t-CO₂(CO₂換算で1トン)の削減量または吸収量に相当します。
(詳細)https://japancredit.go.jp/about/outline/
※3:環境サステナビリティ学部
2027年4月に大津市にあるびわ湖大津キャンパス(現在の名称は「瀬田キャンパス」)に新設。文系・理系を問わず、様々な学問の基礎に触れ、確信となった各自の興味に基づき選択できる5つの「専門教育プログラム」を提供。地域デザイン、ネイチャーポジティブ経営、生物多様性回復、資源循環利用、持続的水資源管理といった専門性を深め、実践的に課題解決に向き合う次世代の環境人材育成をめざします。
(特設サイト)https://www.ryukoku.ac.jp/newf2/about/
※4:活動内容
授業中で実施する森林保全活動や、マイボトル使用、通学手段の代替のような、日常的な取り組みを想定。
※5:Jクレジット取引仲介装置、および、取引仲介方法
Jクレジット口座を開設できない個人等でもJクレジットを有効に活用することができる取引仲介装置を提供する日本GXグループの独自技術(特許7598185)。
※6:龍谷大学カーボンニュートラル宣言
建学の精神(浄土真宗の精神)や長期計画「龍谷大学基本構想400」の将来ビジョンを踏まえ、カーボンニュートラルの先導役としての役割を果たし、持続可能な社会の実現と世界の平和に貢献すべく発出。
(詳細)https://www.ryukoku.ac.jp/about/activity/global_warming/carbon_neutrality/
問い合わせ先:龍谷大学 価値創造推進部
Tel 075-645-2098 s-impact@ad.ryukoku.ac.jp https://rec.seta.ryukoku.ac.jp/index.php