2026.07.22
政策実践・探究演習(海外)韓国PBL 事前学習として京都地方最低賃金審議会を傍聴 -最低賃金の決定過程を現場で学ぶ-【政策学部】
政策学部「政策実践・探究演習(海外)韓国PBL」(担当:安周永教授)では、「最低賃金の日韓比較」をテーマに、日本と韓国の制度や政策決定過程について学んでいます。授業では最低賃金に関する論文や文献を読み、制度の背景や課題を理解した上で、夏季には韓国を訪問し、研究者や関係機関へのインタビュー調査を実施する予定です。
その事前学習の一環として、学生が京都地方最低賃金審議会を傍聴しました。以下は、その学生である龍谷大学政策学部2回生・屋附あおいさんによる報告です。
私は京都で二つのアルバイトを掛け持ちしています。掛け持ちを始めた理由は、より多くの収入を得て、留学など将来の自己投資のための資金を準備したかったからです。そのため、アルバイトを始めた頃から、最低賃金は私にとって身近で重要なテーマでした。しかし、これまでは「自分の時給が上がるかどうか」という結果にしか関心がなく、使用者側の立場について考えたことはありませんでした。
授業で最低賃金について学ぶ中で、最低賃金を決定するためには、労働者だけでなく、使用者、つまり雇用主側の意見も必要不可欠であることを知りました。労働者は生活を支えるために最低賃金の引き上げを求めますが、一方で、使用者には賃金を支払う責任があり、急激な引き上げは経営に大きな影響を与える可能性があります。どちらか一方の意見だけが正しい、あるいは間違っているのではなく、それぞれの立場に納得できる理由があることを学びました。
今回、京都地方最低賃金審議会を傍聴し、最低賃金は労働者の生活だけでなく、企業経営や地域経済など、さまざまな要素を考慮しながら決定されていることを、自分の目で見て、肌で感じることができました。労働者側、使用者側、そして中立的な立場である公益委員が、それぞれの立場から客観的なデータや根拠を示しながら議論を重ねている様子を実際に見ることができたことは、とても貴重な経験でした。教科書で学ぶだけでは分からない政策決定の現場を知ることができ、大学での学びが現実社会とつながっていることを実感しました。
今回参加したのは第1回京都地方最低賃金審議会であり、この場で最低賃金が決定されるわけではありません。その後も複数回にわたる審議や手続きを経て答申が行われ、施行に至ります。たった一つの金額基準を決めるために、多くの議論や調整が重ねられており、最低賃金を決定することは決して簡単ではないことを知りました。最低賃金の改定は、多くの労働者や事業者に影響を与える重要な政策です。今回の傍聴を通して、今後はさまざまな政策についても、結果だけではなく、「なぜそのような結論になったのか」という政策決定の過程にも目を向け、多角的な視点から社会問題を考えられる大学生でありたいと思いました。
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龍谷大学政策学部2回生 屋附あおい