2026.08.26
世界的な敦煌出土資料のさらなる研究発展へ
敦煌研究院(中国)と龍谷大学が共同研究・デジタル資源活用に向け協力覚書を締結
【本件のポイント】
- 中国・敦煌研究院と龍谷大学が、敦煌出土資料の研究・保存・活用に関する協力覚書を締結。
- 本学が所蔵する敦煌出土資料や、両機関が有する研究資源・デジタル資源を活用し、共同研究や学術交流、人材育成、文化財保護が連携の目的。
- 敦煌研究院が公開する「デジタル蔵経洞」との連携も視野に、世界各地に分蔵される敦煌出土資料の研究基盤の充実と、国際的な研究ネットワークの強化をめざす。
【本件の概要】
龍谷大学は、2026年8月24日、中国・敦煌研究院(The Dunhuang Academy)とオンラインによる調印式を行い、敦煌出土資料に関する研究・保存・活用を推進するための協力覚書を締結しました。
敦煌は、中国・甘粛省に位置する古代シルクロードの要衝であり、世界遺産・大石窟寺院の「莫高窟」には、20世紀初頭に大量の古写本や仏教経典などが発見された第17窟「蔵経洞」があります。この蔵経洞や周辺地域から出土したこれらの敦煌出土資料は現在、世界各地の多くの博物館・図書館・大学に分蔵され、国際的な共同研究が行われています。
敦煌研究院は、「莫高窟」をはじめとする文化財の保存・研究・顕揚を担う中国の研究機関であり、近年は世界各地に所在する敦煌の文化財をデジタル空間上で集約・共有するデータベースプラットフォーム「デジタル蔵経洞」の整備を進め、2025年5月31日に正式に公開されました。
本学は、敦煌出土資料を数多く所蔵し、1953年設立の「西域文化研究会」を中心に70年以上にわたり調査・研究を継続してきました。また、デジタルデータの公開やデジタルヒューマニティーズの進展を牽引する「国際敦煌プログラム(International Dunhuang Programme: IDP)」※1の日本拠点として、2004年から資料のデジタル化・公開にも取り組んでいます。
今回の覚書締結により、敦煌出土資料の共同研究やデジタル資源の共有、研究者交流などを発展させ、世界的な文化財研究の推進と文化遺産の継承・発信に貢献していきます。
本学所蔵の敦煌出土資料の一例:『妙法蓮華経』(大谷512(MS00512))
【協定内容・今後の予定】
本覚書では、次の分野を重点的な協力事項として定めています。
1.学術研究
2.敦煌蔵経洞の文化財デジタル資源の提供
3.敦煌蔵経洞の文化財の高精細カタログの出版
4.学術交流と人材育成
5.文化財保護と文化の普及
今後は、本覚書に基づき個別契約を締結したうえで、本学が所蔵する敦煌出土資料のデジタル資源の提供や、未整理資料の調査・研究、共同研究プロジェクトの推進を段階的に進めます。
【締結写真】
【機関代表者コメント】
敦煌研究院 院長 郭 青林 氏
龍谷大学と協力覚書を締結し、友好的な協力関係を構築できることを大変嬉しく思っております。龍谷大学が所蔵する敦煌資料のデジタル資源を、本院が推進する『デジタル蔵経洞』データベースプラットフォームへ提供し、学術的な共有をともに推進してくださることに対し、心より感謝申し上げます。今後、本院は龍谷大学と手を携え、多方面・多角的かつ体系的に敦煌学研究を展開し、国際敦煌学の発展と隆盛を推進してまいります。各分野において踏み込んだ協力を展開していきたいと考えております。」
龍谷大学 学長 安藤 徹
「世界的価値を有する文化財を保管・研究される敦煌研究院様と協定を締結でき、大変嬉しく存じます。本学は、大宮図書館に多数の敦煌出土資料を所蔵し、長年研究に従事してきました。近年、デジタルヒューマニティーズの進展によりWeb画像に基づく研究が進む中、貴院が『デジタル蔵経洞』を公開され、重要な学術資料を提供されていることに深く敬意を表します。本提携を機に、貴院やIDPとの友好・協力を深め、共同研究を推進するとともに、さらなる国内外の機関との連携を目指してまいります。」
【補足】
※1「国際敦煌プログラム(IDP)」:
20世紀初頭の探検家や考古学者達によって発掘され、世界各地に散逸してしまったシルクロード時代の彫刻、壁画、写本などを、世界各国が共同でデジタルアーカイブ化し、データの共有を図る事を目的に、1994年に、国際敦煌プロジェクト(International Dunhuang Project)として設立。2024年2月に改称された。本部はロンドンの大英図書館。現在、5か国のパートナー(イギリス、中国、ドイツ、フランス、日本)で運営されている。日本は龍谷大学が2004年3月より支局としての機能を担う。写本やその他の資料の高品質画像、目録、内容情報に自由にアクセスできる。 https://idp.bl.uk/
問い合わせ先:龍谷大学 世界仏教文化研究センター
Tel 075-343-3458 cswbc2@ad.ryukoku.ac.jp https://rcwbc.ryukoku.ac.jp/