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2026.09.08

【現代社会領域】基礎ゼミナールA・学外フィールドワークを実施(竹内友章クラス)

 2026年8月31日、社会学部・現代社会領域の基礎ゼミナールA(竹内クラス)では、大阪市西成区の釜ヶ崎と、神戸市中央区の「神戸アジアン食堂バルSALA」を訪問し、フィールドワークを実施しました。

 今回のフィールドワークでは、一見すると異なる二つの場所を訪れながら、「人びとはどのように地域で暮らし、働き、社会との関係をつくっているのか」という視点から学びました。


 釜ヶ崎は、かつて多くの日雇い労働者が暮らし、高度経済成長を支えてきた地域です。その後、労働者の高齢化や雇用環境の変化などを背景として、地域で求められる支援や福祉のあり方も変化してきました。一方で、近年では簡易宿所が観光客向けの宿泊施設へ転換するなど、まちの姿そのものも大きく変わりつつあります。

 今回の釜ヶ崎でのフィールドワークでは、特定の施設を見学するのではなく、実際にまちを歩くことを大切にしました。建物や商店、宿泊施設、福祉施設、人びとの暮らしなど、普段であれば何気なく通り過ぎてしまう風景にも目を向けました。

 例えば、「なぜこの地域にはこのような建物が多いのか」「家賃や宿泊料金はどのように決まっているのか」「福祉制度はまちの風景にどのように表れているのか」と問いを持ちながら歩くことで、一つひとつの風景が、地域の歴史や社会制度と結びついて見えてきます。

 フィールドワークで大切なのは、現地に行ったことで、その地域を簡単に「分かった」と考えないことです。むしろ実際に歩くことで、それまで知らなかったことや、簡単には答えを出せない疑問が増えていきます。学生たちは、地域をイメージや先入観だけで捉えるのではなく、その背景にある歴史や制度、人びとの生活に目を向けることの大切さを学びました。

 続いて訪問した神戸アジアン食堂バルSALAは、アジア各国の家庭料理を提供する飲食店であるとともに、滞日アジア人女性が自分の経験や強みを生かして働くことのできる場づくりに取り組んでいます。



 私たちは飲食店を訪れると、「何を食べるか」「おいしいか」「価格はいくらか」といったことに目を向けがちです。しかし、その料理を誰がつくっているのか、そこで働く人がどのような経験や文化を持っているのか、そして働くことがその人の生活や社会とのつながりにどのような意味を持っているのかまで視野を広げると、飲食店という身近な場所からも社会のさまざまな姿が見えてきます。



 SALAでの学びを通して学生たちは、多文化共生を単に「外国の文化を知ること」として捉えるのではなく、異なる背景を持つ人びとが、それぞれの力を発揮しながらともに地域で暮らしていくためには、どのような場や関係が必要なのかを考えました。

 また、「支援する人」と「支援される人」という一方向の関係だけではなく、一人ひとりが持つ経験や知識、文化、料理などを社会のなかで生かしていくという視点についても学ぶ機会となりました。

 釜ヶ崎とSALAは、場所も活動内容も異なります。しかし、今回の二つのフィールドには、「社会課題」を抽象的な言葉として考えるのではなく、そこに暮らし、働く人びとの日常から社会を考えるという共通点があります。

 社会学の学びでは、社会を遠くから眺めるだけではなく、自分自身が実際にその場所に身を置き、見たり、聞いたり、感じたりすることも重要です。同時に、一度訪れただけで分かった気にならず、そこで生まれた違和感や疑問を持ち帰り、文献を読み、他者と対話しながら考え続けることも求められます。

 今回のフィールドワークで学生一人ひとりが持ち帰った「なぜ?」を、今後のゼミでさらに深めていきます。